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海外の子どもたちの放課後の過ごし方は?学童以外のさまざまな取り組みとは

Class of students with their teacher in the school library

海外は学童以外の放課後サポート事業が充実している

海外の子どもたちは、放課後をどのように過ごしているのでしょうか?
実は、海外では、学童はもちろんのこと、学童以外の放課後サポート事業が充実している国が多いのです。
日本でも、1970年代から「学童」が始まり、2007年から「放課後子供教室」という全児童を対象とした子どもの放課後をサポートする事業がはじまりました。政府は現在、学校を拠点とした子どもの放課後の居場所づくりを推進しています。
海外では、学童や「放課後子供教室」のような学校を中心にした居場所だけではなく、公園や図書館などのさまざまな場所で放課後事業が行われており、その内容も多岐にわたっています。
海外の放課後のユニークな取り組みは、これからの日本の放課後の過ごし方の参考になるかもしれません。

公園や図書館、ショッピングセンターが子どもの安全な居場所に

フィンランド

フィンランドでは、公園の使い方が特徴的です。「レイッキプイスト」という取り組みにより、公園に保育士の資格を持つ指導員が常駐していたり、キッチン付きの屋内施設が併設されて無償で食事が提供されたりしています。子どもたちは、大人に見守られながら、地域のいろんな人と一緒に公園で遊ぶことができます。もちろん公園なので、無料でだれでも参加できます。
また、図書館も、放課後の子どもの居場所として人気で、さまざまなイベントが行われています。パソコンや漫画、本を楽しみながら、自由に過ごせる子ども用のスペースが設けられています。

オーストラリア

オーストラリアには、「ユースセンター」という高校生までを対象にした放課後対策施設があります。予約や親の送迎なしで誰でも利用でき、ラウンジや卓球台・パソコン・キッチン・バスケットボールコート・勉強部屋などが設置されている施設の中で、自由に過ごすことができます。この「ユースセンター」は、駅の近くやショッピングセンター内に設置されているため、アクセスもよく、ママのお迎えに便利です。
そのほか、「メンタリングプログラム」という子どもが家族以外の人々と絆を広げることを目的とした事業もさかんです。これは、青少年の心のケアを目的として、親以外のメンター(教育者)による支援的関係を提供しようという取り組みです。子どもにこのプログラムを行っている施設へ放課後最低でも週一回通い、同じ時間を過ごすことを推奨しています。

ドイツ

特徴的なものとして「多世代の家」という乳幼児から高齢者までを対象にした、さまざまなプログラムが行われる施設があります。参加費は無料で、夜間や休日も利用できます。家族で参加できるプログラムも行われています。
「音楽学校」という豊富な音楽コースを受講できる施設も人気です。子どもから高齢者まであらゆる年齢層が受講でき、楽器や歌、バレエといった文化的な活動を学ぶことができます。
また「プレイバス」という、7~8台のバスに遊び道具を乗せて、まちの広場や公園で遊びを繰り広げる事業もあります。工作・ペインティング・人形劇・サーカスなど数種類のプレイバスがあり、まちからまちへ移動していき、集まった子どもたちと、放課後の時間を過ごします。
また、「青少年農場」という、放課後に青少年が動物の飼育や植物の育成に毎日たずさわれる施設もあります。土地と資金が政府から支給され、地域のボランティアサークルが運営しています。

イギリス

ユニークな取り組みとして、さまざまなスポーツ関連施設で、主に学習の定着度に遅れが出ている10~14歳の子どもを対象に、スポーツを学習のきっかけにつなげようという取り組みが行われています。スポーツ施設の一角に、学習支援のための設備を設けてスタッフを配置し、スポーツをテーマにした読み書き、計算、統計、歴史、科学問題などの理解を深める活動が行われているのです。
そのほか、放課後の遊びの空間づくりとして、公園に人を配置して安全に利用できるようにする取り組みや、森を子どもの遊び場として活用する取り組み、道路を子どもの遊び場として利用する取り組みなどが議論されています。
また、遊び場へ安全に移動できるように、子どもの自転車講習制度を導入したり、子どもが道路で安全に遊べるように、住民や歩行者優先の道路を増やしたりするなど、交通政策まで含めた幅広い施策がなされています。

アメリカ

特徴的なものとして、「21世紀地域教育センター」という貧困地域の成績の低い学校に通う子どもへの補習や、非行を防ぐことに注力している施設があります。
また「マグネット・スクール」といって、英才教育に重点を置いた事業もあります。
アメリカにとって放課後事業は、子どもの犯罪の抑制や、移民や貧困層によって広がる教育格差を埋める時間といった多様な側面を持つため、教育省だけでなく、さまざまな省庁が放課後活動を支援しています。たとえば、保健福祉省は、「禁酒教育センター」のプログラムを、住宅開発省は「歴史ある黒人のための大学支援」プログラムに助成金を出しています。このように、子どもに関わる社会問題を、放課後の時間を使って解消する放課後事業が多いことが特徴的です。

韓国

韓国では、小学生以上の子どもが放課後に過ごしている場所は、民間の塾です。受験熱が高い韓国では、小学生の約7割が、放課後に塾に通っています。そのため、学童をはじめとした放課後事業は、塾に通えない所得の低い層に対して、教育格差を是正する場所としての機能が強くなっています。
学童以外の場として、児童館センターの利用も多く、ごはんを食べたり、シャワーをあびたりといった生活の場として、また、基礎学習の補充としての学習の場として、活用されています。また、「青少年放課後アカデミー」という施設もあり、補充学習や給食といった総合的サービスを子どもに提供しています。

放課後の子どもの居場所として、さまざまな選択肢がある海外

海外では、学校や学校以外で、放課後のユニークな取り組みが行われていますね。
日本は、交通事故や犯罪への不安の高まり、子どもへの騒音苦情や公園の禁止事項の増加などを要因として、昔にくらべて放課後に子どもたちがのびのびと遊べる場所が少なくなっているように思えます。
これからは海外のように、さまざまな放課後事業に取り組んでいくことも必要かもしれませんね。子どもの放課後の在り方について、国をはじめとして、地域一体となって、考えていけたらいいですね。

「働くママが多い「海外の学童」はどうなっているの?ママの働き方とのバランスは?」では、海外の働くママのワークライフバランスと学童について、国別の比較を行っています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

参考「子どもの放課後を考える-諸外国との比較でみる学童保育問題」

文・MAYA 編集・木村亜希

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