学童保育は公営か民営どっちがいい?両方を利用して考えたこと
「保育園落ちた日本死ね」という投稿で一気に注目された「待機児童問題」。その先に、もう一つの待機児童とも言える問題があるのをご存じですか? 保育園生活が終わり、小学校に入学すると待っているのが「小1の壁」です。
入学してしばらくは午前中で終わり、給食もなし。ゴールデンウィークが終わって給食が始まっても、午後3時頃には学校が終わる小学1年生。放課後をどう過ごすのか共働き家庭にとっては悩ましい話です。
そこで共働き家庭の選択肢となるのが放課後児童クラブ、いわゆる学童保育です。
放課後児童クラブ、いわゆる学童保育ってどんな所?
お父さん、お母さん世代が小さい頃は、「鍵っ子」といって自宅で1人で過ごす子も多かったかもしれません。
放課後児童クラブ、いわゆる学童保育は、共働き家庭で放課後を1人で過ごさなくてはならない小学生のために、指導員が宿題をさせたり、遊びを見守ってくれたりする場所です。
児童福祉法で「放課後児童健全育成事業」として学童保育が法制化されたのは1998年。その後、学童の受け入れ対象が小学3年生から6年生まで拡大されるなどして、全国で整備されていきました。
厚生労働省によると、2017年度学童保育は全国に2万4573カ所あり、登録している小学生は全国で117万1162人います。
しかし希望している全ての小学生に対する受け皿は現状ありません。2017年度は、小学生1年生から3年生で9465人、小学4年生から6年生では7705人の“待機児童”がいました。
学校内、送迎付、色々ある学童のカタチ
学童保育には大きく分けて市町村が設置して運営する「公設公営」型、公設の施設を地域の団体やNPO、株式会社などが運営する「公設民営」型、民間が設置し運営している「民設民営」型があります。
「公設公営」「公設民営」は学校の空き教室を利用しているものや、学校の敷地内や隣に建てられたものが多く、メリットは民設に比べて料金が低額なことや、放課後一度学校の外に出るという不安がないことです。
一方で「民設民営」は利用時間などが長いことや送迎付き、習い事を併設しているなど様々なサービスが設けられていることが多いのが特徴です。
全国学童保育連絡協議会の2012年の調査では、保育料は公営の場合月額平均5535円、父母会(民営)では月額平均10872円と2倍の差が出ています。
公設?民設?どっちがいいの?筆者の体験談
筆者の場合、長女は民設民営の学童へ、次女は公設公営の学童保育へ行きました。
民設民営の長女の場合
民設の学童では「手作りおやつ」、「習い事への送迎」、オプションで「英会話」や「体操教室」「パソコン教室」などもつけられました。また、長期休暇には昼食(別途料金)や映画、バス遠足などのイベントも計画されていました。
デメリットは、公設に比べ1.5倍の利用料だったこと、庭などがないため外遊びは近く公園まで歩いていかないといけないこと。そして小さな部屋に50人くらいいたため、とにかく常に大騒ぎで、学習環境としてはあまり良くなかったように感じました。
公設公営の次女の場合
次女が通った公設の学童は、学校の敷地内にあったため安心な上に、校庭で思いっきり遊ぶことができました。また、同じ学校の子どもたちだけだったので、学校生活の延長としてクラスの友達も増えたことはとても良かったです。
しかし人気も高く、2年生に上がるときには抽選から漏れてしまい、待機児童になってしまいました。公設は定員に対しても厳格に決められているためです。
待機児童なく学童保育を選ぶことができたら……
2人の子どもが学童保育を利用して感じたことは、どの条件を重視するかということです。筆者の子どもたちの場合は、長女は外遊びではなくオプションの習い事を受けたいということで民設の学童保育を選択し、次女は放課後ドッジボールや縄跳びで思いっきり遊びたいという理由で公設の学童保育を選びました。
筆者の場合は2人の学童保育の時期が重なっていなかったため別々の施設を選択できました。子どもたちの大切な放課後の時間、料金はもちろん利便性、安全性を考え、選択できることが一番良いと考えています。
文・ないちゃーよめ 編集・しらたまよ