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どう乗り越える?働くママを悩ませる「小1の壁」と学童保育の現状は?

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「小1の壁」という言葉を耳にしたことはありますか? 保育所と比べると学童の開所時間が短いため子どもが小学校に入学すると、働くママたちがこれまでの働き方を考え直さざるを得ない状況に陥ることです。働くママにとっては、多くの人が直面する悩みでしょう。また、小学校入学と同時に働き始めるママにとっても、悩ましい問題なのではないでしょうか。

『フルタイムの人は大変みたいね。
保育園は19時までだけど学童は18時までだからお迎え間に間に合わないって困ってた』

『フルタイムはキツそうだね。
パートですら警報が出るたびに遅くなる登校時間に旗ふり当番、長い長い夏休みに耐えれなくて辞めちゃった人いる』

『うん、そうそう。迎え間に合わないし、会社に勤務時間短縮してもらったら給料ももちろん減った』

『私はフルタイムだったから行事大変だった。特に朝の旗当番とか日中のパトロール。あまり理解のない会社だったからかもしれないけど……。行事あるので早退~とか言いにくい雰囲気だったから2年生からパートタイムに変えたよ。パートになったら行事も行けるし、学童預ける必要もないし何も困らないよ。職種や職場の雰囲気にもよるよね』

働くママは、子どもの下校時間に家にいることはできないですし、小学校は保育園のように子どもを遅い時間まで預かってはくれません。そのため、子どもが家に一人で留守番を強いられる「かぎっ子」になってしまいます。それを回避するために、学童などを利用しているママが多いのが現状です。しかし、学童は定員が決まっているために希望通りに入れなかったり、入れたとしても開所時間が短かったりするので、仕事と育児の両立で悩むことになります。

学童に入れない……。働くママはどう乗り越えているの?

子どもが放課後を過ごす選択肢のひとつである「学童」の設置数は、働く女性の増加に伴って年々増加しています。しかし、厚生労働省の「放課後児童健全育成事業の実施状況」調査によると、2017年の時点で、学童に入れない待機児童の数は1万7千人以上います。それだけ多くのママが、この「小1の壁」で悩んでいるといえるでしょう。では、ママたちは、この問題にどのように対処しているのでしょうか。
株式会社コズレの学童保育に関するアンケート調査によると、公立の学童に入れなかった場合、民間の学童を利用する人が多いようです。2016年の時点では、公立学童の利用が7割、民間学童が3割となっています。民間の学童は、公立の学童に比べて保育時間の融通が利くケースも多いため、あえて選択する家庭もあるようです。
また、近くに住む祖父母に協力をお願いしている人もいます。そのほか、児童館やファミリーサポート、ベビーシッターを利用しているとの声もあります。
働き方自体を変えざるを得ないママもいます。仕事を辞めたり、正社員からパートに変えたり、時短勤務にしたり、個人事業主になったりと、その形はさまざまです。

政府の対応は?変化し続ける学童の形

この「小1の壁」の対策のひとつとして、政府は、2012年に学童保育の法整備を新たに行っています。
これにより、学童保育の指導員の資格が定められたり、施設の基準や集団の規模が決まったりと、運営に関する原則が定められ、学童の質の向上が図られました。また、対象年齢も新たに定められ、小学6年生まで引き上げられています。
2007年から、文部科学省が主体となり「放課後子供教室」という放課後の子どもの学びの場を提供する取り組みがはじまりました。放課後に、校庭や小学校の空き教室を開放し、勉強や遊び、スポーツといったプログラムが実施されているそうです。学童と違い、全児童が自由に参加できるようになっているのだとか。

「放課後子ども総合プラン」で待機児童解消を目指す

さらに2014年に政府は、「放課後子供教室」と学童保育を一体化させる「放課後子ども総合プラン」を開始しています。一体化した施設を5年で1万か所増やし、利用者を30万人増やすといった計画です。これによって、学童の待機児童を少しでも減らそうというねらいがあります。
また、このプランでは、学校施設を徹底的に活用することとし、約80%を小学校内で実施することを目指しています。学童は小学校以外の児童館や児童センターなどでも開かれていますが、親としては小学校の中に設置されているほうが、子どもの行き帰りの心配がないため、安心ですよね。
さらに政府は、開所時間の延長を行う学童に対して、追加的な財政支援も行っています。開所時間が延長される学童が増えることで、ママは時短勤務をしなくてすみ、長く働けるようになります。現在、18時半を超えて開所している学童は半数以上あり、年々増加しています。

それでも問題や不安はある。変化する「放課後」のあり方について

このように、学童保育のあり方は、働くママや時代のニーズに沿って変わってきており、政府もその都度対応していることが分かります。
しかし、新たな不安や問題もあるようです。

「放課後子ども総合プラン」による保育面での質の低下を懸念する声

学童は、厚生労働省が所管する保育の面を重視した施設であり、”生活の場”です。しかし、「放課後子供教室」は文部科学省が所管している”教育の機会の場”です。そのため、学童の目的から大きくズレてしまうのではないか、内容が変わってしまうのではないか、との声もあるようです。たとえば、学童では、生活の場としての休息の時間や心のケアの面も重要ですし、長時間の預かりであるためおやつなどの補食も必要です。
一方、「放課後子供教室」では、活動そのものが重要であり、おやつは食べられません。このような違いから、全国学童保育連絡協議会は、この一体化について「家庭に変わる生活の場にならない」として、反対しているのだそうです。

民間の学童に関して「教育の格差拡大がすすむのではないか」との不安も

学童は基本的にお金がかかります。特に民間の学童は、公立と比較すると高額になる傾向があります。また、塾や習い事の機能がついたものがあったり、送迎サービスがついたものがあったりと、その金額によってサービス内容も異なってきます。親の経済力によってサービスが受けられる子どもとできない子どもが出てくるのです。

どんな放課後を過ごすのが理想なのか、課題はたくさん

また、「放課後の学校化」を疑問視する意見もあります。学童を利用する子も利用しない子も、放課後を学校で過ごす傾向が強まっており、政府も「放課後子ども総合プラン」の導入で放課後を学校で過ごすことを後押しする形になっています。放課後を、大人が管理することが教育的にどのような影響があるのか、また、地域のいろいろな人と自然発生的に出会える機会がなくなり、学年は違えども同じ子どものみで構成された学校的な空間で毎日過ごすことが、必ずしも理想的な放課後とはいえないのではないかとの意見もあります。
今後もこういった問題点について議論を深めながら、これからの学童にあり方について、まだまだ考える必要がありそうですね。

参考:「学童保育と子どもの放課後」増山均
「子どもの放課後を考える―諸外国との比較でみる学童保育問題」池本美香

文・MAYA 編集・木村亜希

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