<両親へのお金は?>「両親ともう関わらない」弟妹に告げた決別と理由【第10話まんが:姉の気持ち】
前回からの続き。これは最近のお話です。私は3きょうだいで育ったアユミです。母親の違う5才年下の弟(サトル)と、8才年下の妹(コハル)がいます。私が実家への仕送りを渋ったところ弟や妹から「信じられない」と責められました。私はついに母に虐待を受けていたこと、父には見て見ぬふりをされていたことを打ち明けました。弟と妹の顔色がどんどん曇っていくのが分かります。
「あなたたち2人が両親に対して感謝している、親孝行をしたいう気持ちは分かる。でも、私もそう思っているとは思わないで」「育ててもらった、とは思っているの。でもそこに感謝はないのよ……」
「親孝行したい」っていう気持ちは、親子として積み上げてきた関係から自然に生まれるものじゃないかな? 私には……到底思えない」そう、今まで私が2人に、自分の辛かった思い出や経験を話さなかったのには理由があるのです。
2人にとっては「いい両親」。そう思っていてもらいたかったから、私はなるべく波風を立てないよう、両親との関りは最低限にしてきたのです。
「私は、もうあの両親とは関係ないところで生きていきたいの」黙って聞いていてくれた2人に、私はそう告げました。もちろん親が亡くなったあとの遺産などを貰う気も一切ありません。弟たちが心配なら一筆書いてもいい……まぁ私に残す遺産があればの話ですが。
「だからこの先、私に子どもがうまれても報告するつもりもないし、お父さんとお母さんの老後がどうなろうとも関わるつもりもないから」
私に子どもができなくても大丈夫と話す母の、その真意は恐らく「私たちに貢ぐお金が少なくなるから、子どもなんて作るな」ということでしょう。
「これが私の仕送りはできないと言った理由よ。分かってくれた?」弟は何も言い返すことができないようでした。妹は「お姉ちゃんの気持ちは分かった……でもお母さんがそんなこと……信じられない」
「2人も、コレ見てくれる?」ケンジがあの洗面器を取り出しました。
「サトルくんとコハルちゃんは結婚のお祝いに、ご両親から何かもらった?」「? 普通に現金だけれど……」「私も、数万円包んでもらいました」
「僕とアユミが結婚したとき、お母さんがアユミにくれたお祝いはこの『洗面器』だけだったんだよ」
私の話を聞き終えると、弟と妹は言葉を失ったように帰っていきました。私が「両親への仕送りはできない」と言い続けた理由が、これで分かってもらえたことでしょう。真実を知った弟や妹がこれからどうしていくつもりなのかは分かりませんが、私はこれを機にキッパリ両親との縁を切りたいと思います。
【第11話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子