<両親へのお金は?>第三者は違和感に気づいてた「解放してあげて?」【第11話まんが:兄の気持ち】
前回からの続き。これは最近のお話です。俺は2児の父のサトル。結婚した姉(アユミ)と、妊娠中の妹(コハル)がいる。3人で両親の金銭援助をするつもりだったが、姉だけ断ってきたので話し合いをすることにした。しかしその場で姉は「子どもの頃から差別され虐待も受けていた」と打ち明けた。はじめて真実を知った俺と妹は絶句した。俺は今日のできごとを妻のミナに話して聞かせた。
「上の子を産んだときも、下の子を産んだときもコハルちゃんとお義母さんは私が退院してすぐ家にきたよね?」「有難いとはおもったけど、産後で体力もなく寝不足でヘロヘロなときにアポなしで訪ねてこられたときは少し驚いたわ……」
「お義姉さんは私が落ち着いたころ、いつもだいたい首が座って生活リズムが整い始めたタイミングで子どもたちに会いに来てくれてたの」
「お義母さんって、なんか言葉の端々に嫌味って言うか……ちょっと含みのある、聞いているこっちが違和感をもつような話し方をするんだよねぇ。前にウチに来てくれたとき、お義姉さんの子どもの話になったでしょ? そのとき……」
「これ以上孫が増えたら、ウチの出費が増えるじゃない。それにあの子は昔から何を考えているか分からないような子だから、母親になんかなれないわよ」
「普通、冗談でもそんなこと言わないんじゃないかな。何を言ってるんだろう、この人って思ったよ」
俺はミナからの話に驚いたし、母の姿に呆れてしまった。「……もう、お義姉さんを開放してあげなよ」
「でも……そんなことを知ってしまった以上……俺とコハルは、これから父さんや母さんにどう接していけばいいんだ……」「それは今まで通り、なんじゃないの?」
「お義姉さんの話を聞く前までは、サトルはご両親を支える気持ち満々だったじゃない。確かにお義姉さんは辛い思いをしたのかもしれないけれど、サトル自身は何かされてきたわけじゃないんでしょ? 今まで散々、感謝しているし、親孝行するんだって話していたじゃない」
「その気持ちはお義姉さんの話を聞いたくらいで揺らぐものなの?」
「じゃあ、言い方を変えるわ」「同じ家に住みながら、あなたたちきょうだいはお義姉さんの苦しみに気がつかなかった。少しでも申し訳ないと思うのであれば……あなたたちだけの手で、ご両親を支えてあげないといけないんじゃないの?」
俺は今まで、母が姉だけに見せていた態度に気がつかなかった。でも思い返してみれば「おかしいな?」と感じる瞬間もあったのかもしれない。でも俺や妹はきっと「気がつこうとしなかった」んだ。そのことに後悔を感じるのであれば、これからは姉を巻き込まずに俺たちだけで両親を支えるべきだろう。それが唯一、姉のためにできることなのだと思っている。
【第12話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子