<これも時代>【後編】男がおごるのは昔の話?今どきは割り勘?価値観はいろいろ、大事なのは……
前回からの続き。今回の相談者さんは、娘さんに「彼氏にするなら割り勘派とおごってくれる派、どちらがいいか?」と相談をされたそうです。相談者さんの本音は「絶対奢ってくれる人がいい」でしたが、それは自身の経験から導き出した価値観なので、娘さんには「彼氏が割り勘にしようっていうならそのとおりにして、おごってくれるなら甘えたら?」と適当に答えてしまったとのこと。みなさんならどう答えるかと相談をしています。
割り勘派の意見は?
相談者さんと同じように、「絶対奢ってくれる人がいい」と思う人がいる反面、割り勘のほうがいいと思っている女性も多々いました。
『うちの子は割り勘。お互い学生だから当たり前だと思っている。女は奢ってもらって当たり前とか古い』
『私も相談者さんと同年代だと思うのだけれど、一円たりとも奢って欲しくない派。喧嘩した時、「普段出してもらっているし」ってなんだか卑屈になっちゃう。奢ってくれる男は、「誰が食わせてやっているんだ!」っていう夫になりそう』
『相談者さんの子が息子だったら? 「割り勘だと服や化粧にお金かかるんだよ」と言うような彼女なら別れなさいと私は息子に言うわ。結婚してからも、おばさんなのに若いママ友に対抗して化粧品やら服やら無駄に使いそう』
おしゃれに気を遣うのは、今の時代男性も女性も同じこと。美容室に行って、洋服を新調して……好きな人の前で自分を着飾るのに男も女も関係ありませんよね。したがって、「女性はデートにお金がかかるのだから奢ってほしい」は、道理ではないのではないかという声もいくつか寄せられています。
また、「お金を出してもらうことで卑屈になってしまう」「俺が金を出しているのにと男性が横柄になる気がする」というコメントがありましたが、もしかしたら男女平等でいたいという気持ちが強い女性のほうが比較的割り勘を好んでいるのかもしれません。
それにもしも自身が男の子の母親だった場合、「奢ってくれる男性しか嫌!」という女性がいたら、「やめときなさい」と言ってしまいそうですよね。「金の切れ目が縁の切れ目だよ。そういう女性よりもいたわってくれる女性がいいよ」と筆者自身も息子にアドバイスするかもしれないな……と感じました。
もっと腹を割って話し合っても良いのでは?
相談者さんは娘さんの質問に「建前で話してしまった」と言っていましたが、みなさんからのコメントを見てみると、もっと腹を割って話し合っているご家庭も少なくないようですよ。もしきちんと話ができなかったことを後悔しているのなら、「そういえば先日言っていた人とはどうなったの?」なんて話題を振ってみたらいかがでしょうか。
『娘には「出してもらえない男なんて彼氏としてナシ。会計時に財布は出すけど、ケチケチしているかどうかは見定める。ケチな人は結婚してから経済DVになる可能性がある。パパは出してくれていたし、今もお金に対して寛容でしょ?」と言う。
息子には、「出さない男なんて彼氏としてナシ。ただ、奢ってもらうのが当たり前だという態度の女の子はナシかな。感謝の気持ちがない子は結婚後も苦労する」って言っているよ。うちは黒い部分もガンガンわが子たちに話しているよ』
『熱く語り合えば良かったと思う。自分の主張だけじゃなく、娘の考えもしっかり聞けば押し付けにならない。私は奢ってもらう派。理由としては、女は妊娠・出産と働きたくても働けない時間がある。子どもに持病があったりすればその後も働きたくても働けないなんてことだってある。奢らなきゃと相手が思っているかは、女性を支えられるかのバロメーターだと思っている』
自分の経験や価値観を娘さんに話し、娘さんの価値観も聞き入れる。母が娘に“押し付ける“のでなく“共有する”、女子トークのように恋愛話をする親子の在り方もとても素敵に思えますよね。お母さんと踏み込んだ話をすることでもしかしたら、「私は奢ってくれなくてもこの人が好き! お父さんは奢ってくれたかもしれないけれど、ここが足りないでしょ?」なんて娘さんに言われることもあるのかもしれません。そんなトークを繰り返しながら、交際相手を選ぶための価値観を娘さんが作り出していくのも、素敵なことなのではないでしょうか。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・上野りゅうじん
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