大人でも自己肯定感が低いのはなぜ?育ち方、それとも性格?自己肯定感を高める方法を考えてみた
「どうせ私なんて……」と自分自身を卑下しまった経験はありますか? その経験が日常になり、自分の価値に気づけないまま生きづらさを感じている人もいるかもしれませんね。では、どうしたら自己肯定感を高められるのでしょうか。またその原因は……?
『自己肯定感が低いのは何が原因ですか? 父親が怒鳴る人でした。母親はあまり誉めてくれなかった。あと自分が我慢すればいいっていうくせが抜けないです。育ちって関係ある?』
こちらはママスタコミュニティに寄せられたあるママのお悩みです。投稿者さんは、両親に厳しく育てられたため、大人になった今も自己肯定感が低いのだと感じているようです。自己肯定感の低さは生まれ持ったものなのか、それとも育ち方の問題なのか……。ママたちの声を紹介します。
「育ち」「親」は大いに関係がある!?
投稿者さんの問いに対し、「育ちの影響は大いにある」といった声が続々と寄せられました。
『むしろ育ちしか関係ないんじゃないかって思っている』
『あると思うよ。ある程度過保護に育てられると自己肯定感が高くなるんじゃないかな。私は放置されていたから、承認欲求が強くて自己肯定感が地の底くらい低い』
『私の母親は褒めたり励ましたりしないって感じの人。馬鹿にしたりやる気を踏みつけたりするのが当たり前って感じだけど自覚がない。親の影響も大きいと思う』
『私の場合、親に否定されたり自分の思うようにさせてもらえなかったりが大きい。やりたいことがあっても親の反応を先に想像して言えなかった。だから、自信なくて自分で判断するのが苦手』
「育ち方は影響する」というのは、あくまでママたちが感じていることであり、専門家の意見ではありません。しかし、実際自分の育った状況を振り返ったママたちが「育ち方は影響する」と感じているのであれば、その意見を真っ向から否定することもできませんよね。もしかしたら親の接し方によって自己肯定感が低くなったり高くなったりする可能性はあるのかもしれません。
ママたちの意見を踏まえ、現在子育て中のママたちもわが子の向き合い方を見直したいと考える人もいるでしょう。自身の自己肯定感と向き合うのは、子どもの自己肯定感を高めるための振り返りとして、いい機会になりそうです。
自己肯定感が低くなった理由
では自身を「自己肯定感が低い」と考えている人たちは、親からどんな投げかけをされたのでしょうか?
『私は常に母親から「可愛くない」「100点は取って当たり前」「どんくさい」「絵が下手」「お前の子どもなんて生まれても可愛くない」と言われ続けたからだと思っているよ。ずっとそんな調子で生きてきた。自己肯定感が低いから学校でいじめにあったときも「私がこんなんだからいじめられるんだ」と思い込んでいた』
『全く甘えさせてくれなかった。あとは容姿もけなされて、「この子は駄作なの」と笑いながら知人に紹介されたこともある』
『メチャクチャある。親の育て方は大事。私は母親に「冷たい子」「父親が3人目欲しがったから産んだだけ」と何回も言われた』
具体的な親のダメ出しについてコメントをくれたママもいました。見た目をけなされたり、存在そのものを否定されたり、減点方式の教育を受けてきたりすると「どうせ私なんて……」と考えやすくなってしまうようです。とくに存在そのものを全否定されたママは、対人関係でも苦労されているようですね。自分を否定され続けると、自分の価値だけでなく、他人の価値も認められなくなってしまうのかもしれませんね。逆に言うと、自分を好きになれば相手を尊重できるので対人関係で苦労しなくなるのかもしれませんが……。長年刷り込まれた「親からの否定」は、そう簡単に消えないものなのかもしれません。
育ちは関係ない!克服したママたち
『元々の性格が関係ある。私は「どうせ自分なんて」「私はいらないから姉に買ってあげればいいじゃん!」といじけている人間だった。だけど30代のとき、誰も褒めてくれないなら「自分を褒めよう!」と思った。なにかあると「頑張ったじゃん!」と心の中でつぶやき、好きなものを買ったり食べたり温泉行ったりカラオケに行ったりした。とにかく自分に投資するようになってから楽になった』
『育ちは関係ない。関係あるとしたら反面教師にできたこと。うちの父と母は怒鳴ったり、怒りが頂点に達するとすぐに手をあげる。だけど絶対にそうなりたくないと思い、本をたくさん読んで教養をつけ、勉強もスポーツも必死でがんばった。自分が努力できる人間であることは自分が一番よく知っている。それが自信にも自己肯定感にもつながるはず』
自己肯定感の低さは育ちや親が影響すると考えるママたちがいる一方で、「育ちは関係ない!」と考えるママの声も寄せられました。こちらのママたちは自己肯定感の低さを自力で克服してきたようです。親に否定され続けたとしても、その経験をバネに成功体験を積み重ねたり、自分で自分を褒めたりしたことで、自己肯定感は高められると伝えてくれました。「自分自身の力で自己肯定感の低さから脱却できる!」とのコメントには、勇気をもらえそうです。
自己肯定感は高められるのか……?
ママたちが自己肯定感を高めるために意識していることを紹介します。
『自己肯定感は自分の良いところを認めたりがんばってる自分を肯定することだけじゃないよ。だめなところも含めて、そんな自分でも自分は自分だと認めることが自己肯定なんだよ。親が誉めてくれない自分も自分。そうやって育って自分にもだめな部分もあるって認められてこそ、自己肯定感もあがる。親が認めてくれないから自分はだめなんだなんて思う必要はない。そんな自分でもいいじゃん』
『子どものころは育ちが関係あるかもしれないけれど、大人になったら生き方や考え方は徐々に変えていける』
『周りに自己肯定感の高い人や自分のことを認めてくれる人たちを多くする。そしたらその人たちの影響で、自分も変われる部分もあると思うよ』
自己肯定感を高めるためには「心の持ちようが大事」だと、ママたちは感じているようですね。あるママは「ダメな自分も含めて自分だと認めてあげることが自己肯定感を高めることにつながる」とコメントをくれています。たしかに誰しも欠点の一つや二つあるでしょう。それも含めて自分だと認めてあげることは、自分を肯定するうえで大事なことなのかもしれません。
自分のダメな部分も愛し、家族や周りの人に認めてもらうことで、自己肯定感の低さを克服することができるかもしれません。ママ自身の自己肯定感が高くなれば、わが子に向き合う姿勢も変わりそうですよね。わが子の短所を愛せるようになったり、できないこともすんなりと受け入れられるなど、子どもに対する向き合い方も変わるのではないでしょうか。ぜひママたちの声を参考に、わが子だけではなく自分のことも愛してくださいね。
文・安藤永遠 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko
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