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<ママの働き方・パート編>正社員からパートへ。仕事と育児の両立を見据えて働き方を変える

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今回のお仕事インタビューはパートの働き方についてです。会社で初めての育児休業を取得。出産後も正社員として働いていたものの、ワンオペでの双子育児に疲れてパートとして働き出した一人のママ。正社員として働いていたときと比べて、仕事内容や給与などはどう変わったのでしょうか? また今後のキャリアプランなどについても詳しく伺いました。

もう限界。キャリアを捨ててもパートとして働きたい

――お子さんはいらっしゃいますか?

2人おります。4歳双子男児、現在年中です。

――妊娠中、出産、産後と、これまでどのような働き方をしてきましたか?

これまで物流会社の正社員として12年間働きました。激務といってもいいくらいの仕事内容でしたが、働くのがとても好きなので、独身のときはさほど苦ではなかったことを覚えています。キャリアとしては、一応事務職のリーダーの立場まで進みました。

社長以外、社員が独身で、社内で産休・育休を取るのは私が初めてでした。出産後も正社員として働き続け、今は同じ会社でパートとして週に2~3日働いています。産休前は事務の仕事でしたが、仕事復帰の際に部署を異動するように言われて、今は倉庫で商品の入出荷の仕事をしています。

――正社員からパートに変わられたのですね。

1年半の育休が明けて約11カ月正社員として働き、そのあとパートに変えてもらいました。パートへ変わる前は、体力的にも精神的にも、もう限界だったんです。

子育てをしてみてわかったんですけど、子どもは驚くほど熱を出して体調を崩しますよね。しかも双子なので1人が治ったら次の子に移って、1回どちらかが風邪をひくと2人とも治るまでに1週間以上かかるということもしばしば。病児保育を利用できるほどの収入もなかったので、有休は半年ほどであっという間に使い切ってしまいました。

――子どもが熱を出したとき、ご主人が代わりに休むことはなかったのでしょうか?

ないですね。最初から「子どもが熱を出したら母親が休むもの」という感じでした。私も旦那の親も遠方だったため、親を頼ることもできなくて本当に大変でした。

――職場もどちらかというと、育児とは無関係だったのですね。

そう言えるかもしれません。仕事を休んだ次の日は必ず、タイムカードを押す前に一人ずつ「すみません」といって頭を下げてお詫び行脚をしていました。部署が変わったとはいえ、休日出勤もあります。「土日は出られない」とあらかじめ伝えてあるのに、他の社員から「今度の土曜日出られる?」と聞かれるんです。「辞めないといけないのかな」と思うくらい、当時は追い詰められていました。

また子どもと一緒に遊んであげる時間が全然なくて。このままだと自分も壊れるし、子どもにも申し訳ない。そう思って、自分から「パートに変えてください」と伝えました。

パートの良いところ・悪いところ

――パートになってからの働き方は、どうですか?

子どもと一緒に過ごす時間が増えて、気持ち的にもゆとりが持てるようになり、そこはすごく良かったです。仕事後に、体力も温存できています。異動後の職場には子育て中のパートの方も何人かいて、産休前よりは働くママに理解があるように感じます。やはり経験者の先輩がいると、職場環境が違いますね。独身のころは「こんなにお子さんの病気で休むものなの?」と思っていましたが、今はそんな考えをしていたことが申し訳ないです。

――給与面ではどうでしょう?

パートになってからは、業務内容はほぼ同じなのに給料は月8万円くらい下がり、ボーナスもなくなったことは痛手です。給与面ではどうしてもマイナスになりますね。

――やりがいは、正社員のころと比べるとどうですか?

正社員のころの方が責任が重大な分、仕事への達成感はありました。パートはその日その日の仕事をやりきることが第一となるので、正社員と比べるとやりがいは少ないのかもしれません。しかし裏を返せば「周りからの圧が少ない」とも言えるので、今の私にはパートの方が働きやすく感じています。

一時的にキャリアを諦めても、スキルは伸ばしていける

――子どもが生まれる前と生まれてから、働き方や仕事観に変化はありましたか?

子どもが生まれるまでは、仕事が第一でした。しかし子どもが生まれてからは子ども第一になり、次が家族、自分。最後に仕事と、少しずつ優先順位が変わっています。

出産前や復帰後は、仕事が大変だと思う反面「ここまで積み上げてきたキャリアを捨てたくない」という気持ちも、正直ありました。でも、パートとして働くようになってからは、仕事のことも家族のことも、ゆとりをもって考えられるようになりました。

部署異動はあったものの、それによって資格も取れたのはよかったです。それにパートになり一時的にキャリアを中断したとしても、これまでに積み上げたスキルがすべてなくなるわけでもありません。仕事をもっとしたいと考えたそのときに自分にできることを踏まえて、新たにキャリアを積み上げていければ良いのではと思います。個人的には、子どもたちが幼児の今は子育てを優先する時期で、子育てが一段落したら別の会社に転職して正社員で働きたいですね。

今の自分に合った働き方ができるのが、パートの大きなメリットです。育児の比重を大きめにしながら仕事と育児の両立を考えるなら、パート勤務もひとつの手だと思います。

取材、文・長瀬由利子

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