学校では”同性と一緒に過ごす”のが当たり前ですか?学生時代を振り返って気づいた「大事なこと」
もしもあなたの周りで、同性ではなく異性とばかり仲が良い人がいたらどう思いますか? 変だと思う人もいれば、異性と一緒にいるほうが気楽な気持ちがわかるという人もいるかもしれません。私は親友だと思っていた人からの言葉によって、同性との関わりが苦手になってしまいました。女性と関わることが苦手だなと感じたきっかけはいじめです。
苦手意識はいつから?女の子とも遊んでいた小学生時代
私が通っていたのは田舎の小さな小学校。クラスの大半が幼稚園時代からの顔見知りばかりでした。休み時間に女の子と遊ぶときは絵を描いたり雑談をしたりし、男の子と遊ぶときは野球やサッカー、鬼ごっこなどをしていました。近所の子どもたちは女の子が多かったので、家でお人形遊びをしたり、ゲームをしたり、家のすぐ近くにあった用水路でメダカを捕まえたりしていたことが懐かしい思い出です。
当時はよく女の子とも遊んでいましたし、それが苦痛ということはありませんでした。
苦手意識が現れたきっかけはいじめ
初めていじめにあったのは、中学2年生のとき。クラスのボス的な存在だった女の子が真面目に掃除をしていなかったため、私はそれを注意しました。すると翌日からクラスの女の子から無視されたり、陰口を言われたりするようになったのです。その当時、友人だと思っていた女の子からの言葉は今でも頭に残っています。
『あなたと一緒にいると私までいじめられてしまうから、話しかけないで!』
10年以上たった今でも、この言葉だけはどうしても忘れることができません……。
その後クラス替えがありいじめはなくなりましたが、必要最低限のこと以外は男の子たちと過ごす中学生活を送りました。高校ではクラスの大半が男子という環境になり、ますます女の子グループに属するということが必要になりました。はじめの1週間は女の子グループに交わりお昼ご飯を一緒に食べたり、休み時間を一緒に過ごしてみたりもしました。しかし中学時代の経験から、次第に女の子と関わりあうことが怖くなっていたのです。その後は一人でご飯を食べたり、近くの席だった男の子たちとご飯を食べたりするようにしていたのですが、ある日数人の女の子が私を見てこう言いました。
『変な奴がいる』
『男たらしがいる』
その女の子たちはそう言うと、私のことを盗撮し、SNSに投稿。それ以降、いじめがどんどんエスカレートしていきました。高校時代はとにかく女の子たちが嫌いでした。
いじめられている私を助けてくれたのは
中学生から高校にかけていじめにあってきましたが、不登校になることはありませんでした。女の子たちの心ない言動に左右されずに済んだのは、いつも私のことを支えてくれた男の子たちの存在があったからです。中学時代に私が孤立しはじめてから、いつも話しかけてくれました。移動教室や休み時間も一緒に過ごしましたし、毎日のように一緒に帰っていました。休日はみんなで家に集まって、一緒にゲームをしたり買い物に行ったり、いつも一緒。高校入学を機に別々の学校になってしまいましたが、今でもたまに連絡を取っています。気を張ることもなく何でも話せたので、いじめを除けば、楽しい学校生活を送ることができました。彼らのおかげです。
この記事を書くにあたって、中学時代からの男友だちに当時の思いについて質問しました。彼は「一緒にいて恥ずかしかった」などのネガティブな言葉を言うことなく、それどころか「一緒にいて落ち着く」や「楽しかったから一緒にいただけ」などポジティブな言葉を私にかけてくれました。友だちに性別は関係ないのだなと思います。周りに何と言われようともこれでよかったのだと……。
たとえ周りに変だと言われても……
もしかしたら同性と関わるのが苦手な私は、周りから見れば変な人なのかもしれません。学生時代は、周りの目を気にして思い悩むこともありました。それでも私は、男の子たちと過ごした学生生活を後悔したことはありません。
女の子なのに男の子とばかり関わってきた私の体験談をお話ししましたが、その逆もあるでしょう。もしも自分の子どもが異性とばかりと仲良くしていることに悩んでいたら、このお話を思い出してください。そして同性同士に固執するのではなく、もっと広い目で友だちとの関わり方もみつめてみてください。周りの目は気にせず、生きることが楽しいと思える環境に身を置くというのも一つの選択肢だと思います。
学生時代は思い悩むこともありましたが、本当の友だちを手に入れた私は今本当に幸せです。
文・ゆきまろ 編集・荻野実紀子