子どもが「死」を怖がるようになった……命について理解を深められる絵本を教えて!
何かのきっかけから、子どもが「死」というものを意識し始めることがあります。ママ自身も子ども時代を振り返ると、「死ぬこと」が怖くてたまらない時期があったのではないでしょうか?
ママスタコミュニティにあったのは、最近「死」を怖がるようになったわが子についての相談でした。
「ママはいつか死んじゃうの?」死を意識し始めた息子
『年長児のママです。息子が最近「死」について、よく聞いてくるようになりました。最初のきっかけは、「僕がおじいちゃんになったら、ママは〜」みたいな話をしてきたこと。「ママはその頃にはいないかな〜」と返したら、衝撃的な顔をしていました。それから「ママはいつか死んじゃうの? その後はどこに行くの? じぃじとばぁばも?」って、よく聞いてくるように。
息子に伝えたいのは「人間いつかはみんなそうなるし、大切な人がもしそうなっても受け入れられるから大丈夫だよ」ってこと。自分ではうまく説明できそうにないので、おすすめの絵本があれば教えてください』
可能であれば「大丈夫! みんな死なないよ!」と言ってあげたいところですが、それは本当ではないですよね。絵本を通して理解を深めるというのは、よいアイデアです。
もっとも推薦する声が多かったのは、あの名作!
コメントをくれたママたちのなかで一番多かったおすすめは、『100万回生きたねこ』(作・絵:佐野洋子/講談社)でした。
『絵本なら『100万回生きたねこ』がいいと思うよ。ストーリーも複雑じゃなくて年長児でも理解できる内容だし、生と死がテーマだからね』
『”生を大切にしよう”ということで、『100万回生きたねこ』はどう?』
著名人にもファンが多く、「名作」として広く知られる作品です。
『本当に『100万回生きたねこ』を理解できたのは、大人になってからだったな。子どもの頃はよくわからなかった』
物語自体はとてもシンプルなので子どもにもわかるでしょうが、「奥深さに気づくのは、その後」という声も。自分の成長に応じた発見のある作品といえそうです。
感動作からユーモラスなものまで揃う、おすすめ絵本
他にもいろいろなおすすめがあったので、挙げてみましょう。
『輪廻転生的なお話の『100年たったら』(作:石井睦美 絵:あべ弘士/アリス館)という絵本は感動するよ。ライオンと鳥の物語』
『おすすめは『わすれられないおくりもの』(作・絵:スーザン・バーレイ/評論社)と、『おおきな木』(作・絵:シェル・シルヴァスタイン/篠崎書林)。死を怖がらなくなるかどうかはわかりませんが、命や無償の愛がテーマです』
『子どもたちが小さな頃から読み聞かせているのが、『わすれられないおくりもの』。今も大切に自分の机に並べているよ』
大切な人は亡くなった後も心のなかで生き続けることがわかる『わすれられないおくりもの』など、ロングセラーが多い印象ですね。
『絵本のなかで一番大好きな『100万回生きたねこ』だけど、園児には難しいと思う。『だいじょうぶだいじょうぶ』(作・絵:いとうひろし/講談社)や『わすれられないおくりもの』『おじいちゃんがおばけになったわけ』(作:キム・フォップス・オーカソン 絵:エヴァ・エリクソン/あすなろ書房)なんて、どうかな? あと絵がちょっと怖いかもしれないけど、『ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ』(作・絵:クリス・ウォーメル/徳間書店)もいいと思う』
『おじいちゃんがおばけになったわけ』は、「死」をテーマにしながらもユーモラスな雰囲気が漂う作品です。
『うちの子は年長くらいから、死に対しての質問がしつこかった。何度説明しても「自分は死にたくない。ママも死なないで!」と。ひどいときはそれで泣いていた。いろいろ頑張っても理解できないまま小学生になったんだけど、国語の教科書に載っていた『ずーっとずっとだいすきだよ』(作・絵:ハンス・ウィルヘルム/評論社)を読んでからは、言わなくなったよ』
『わが家では『このあとどうしちゃおう』(作・絵:ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)や『100万回生きたねこ』を読んだかな』
ロングセラー絵本が多いなかで、子どもたちに絶大な人気を誇るヨシタケさんの作品が存在感を放っています!
『5歳6歳って「死」を理解して、怖がる年頃だよね。繊細な子だと死ぬことを考えるたび泣いたり怯えたりするから、親も心配になる。図書館の読み聞かせ担当さんに聞いたところ、昔話には楽天的になる効果もあるそう。びっくりするほど都合よく仲間や助けが現れて、必ず正義が勝つ。死をあっさり扱っているのもいいらしい』
たしかに昔話には「死んでしまいましたとさ」など、死をあっけらかんと描いているものが多いですよね。
幼い子には言葉の説明より、”感じて”もらうことがおすすめ
絵本以外のおすすめもありました。
『絵本じゃないけど、ディズニー・ピクサーの映画『リメンバー・ミー』はどう? 主人公が死後の世界と通じることができるお話。しかも怖い感じじゃないからいいと思う』
『わが子は仏教系の園だったから、たまに仏様や地獄の話を聞いていたみたい。死んだらどうなるかというイメージがあるせいか、むやみに怖がってはいない気がする。死んだらどうなるかわからない、漠然とした不安があるほうが怖いのかも』
『絵本よりも、ペットを飼ったほうが早いかもよ。命に触れてかわいがらせて、最期を見せる。「死ぬのは寂しいけど、悲しくないよ。あなたがたくさんかわいがったから、この子は幸せだったよ」みたいな』
「死」を理解させるにはあれこれ言葉で説明するより、何かを通して感じてもらうほうがいいのかもしれません。
『うちの子は7歳。去年から死について「怖い怖い」と言い出して心配していたんだけど、特別おかしなことでもないんだね。このトピックを見てよかった。参考にします』
大人だって、「死」は怖くてたまらないもの。子どもが怖がるのは当然です。今回ママたちが紹介してくれた絵本などを通して、親子で一緒に「死」や「命」について考えてみてはどうでしょうか?
文・鈴木麻子 編集・千永美 イラスト・Ponko
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