<毒親のせいで……?>「夢をツブされた」学生時代の悔しさ、両親へぶつけると……?【第3話まんが】
前回からの続き。これは最近の話です。私は30代のマリカ。夫と3歳の息子との3人暮らしです。最近職場では海外との仕事が多くなり、語学堪能な同僚たちに助けてもらうばかりで肩身の狭い思いをしています。そんなとき高校の同窓会で再会した友人サキから「今度ニューヨークに赴任する」と聞かされました。サキは学生時代に留学して英語を学び、海外赴任を任されるまでになっていたのです。私だって学生時代、両親に反対されていなければ……。「留学させられるお金がない」「家の事情を考えられないのはワガママだ」と言われたことを思い出し、イライラをおさえられません。
同窓会の翌日。私は息子を連れて、車で1時間ほどの場所にある実家へ向かいました。共働きの毎日は忙しく、息子の顔を見せに行くのも数ヶ月ぶりのことです。息子を遊ばせながら両親と会話しているうち、話は前日の高校同窓会での出来事になりました。
両親も、私と仲の良かったサキのことはよく覚えていました。「サキちゃん、元気だった?」「元気どころか……」私は少し口をつぐんだあと、先を話しました。
「今度ニューヨークに赴任するんだって……」私が伝えると「あら! それはすごい!」と喜んでいる様子の母。その嬉しそうな声を聞いた私はイラっとします。
「でもマリカも今、仕事で英語を使ってるんでしょ?」私の気持ちも知らずそう返されたので、怒りが沸いてきました。「私なんてぜんぜん使いものにならないよ」
「あーあ、私だって、大学時代に留学さえしていればな……」思わず両親を責めるような言い方をしてしまいます。まさか昔のことを持ち出されるとは思わなかったのでしょう。両親は驚いて顔を見合わせました。
「私は毒親に夢を潰された気持ちだったよ?」私が少し強いものの言い方をしたので、両親の顔色がサッと変わったのがわかります。しばらく沈黙が続いたあと、父が口を開きました。「……マリカも覚えてるだろ? その頃ちょうど母さんが入院してバタバタしてたよな」
父が私を諭すように言いました。そんなに深刻な病状だったとは……。母もポツリと呟きました。
「ごめんね……私がそんな時期に病気になったから。健康でいればマリカを留学させてあげられたのに。本当にごめんね……」
留学の件でつい両親に文句を言いたくなった私。のんきそうな両親を目の前にして、思わず強い言葉を投げかけてしまいました。海外へ行って成功したサキと自分を比べてしまい、あまりにもみじめな気持ちだったのです。でも留学を反対された本当の理由が「母の病状がいつどうなるか分からなかった」からとは……。きっと当時の私にはショックを与えたくなくて伝えなかったのでしょう。うつむいたままこちらを見ない母親。父親は「母さんは悪くない」と背中をさすっています。私はそれ以上何も言えず、息子を連れて実家を後にしたのでした。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・なかやまねこ 編集・井伊テレ子