いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

<ママの投資・第4回>20年だった非課税期間が無期限に!?今後NISA制度はどう変わっていくの?

NISA4

ママたちにおすすめの投資、「つみたてNISA」。つみたてNISAは非課税期間が20年とされてきましたが、「無期限」になることが2023年度税制改正大綱に盛り込まれました。

専門家である、一般社団法人投資信託協会副会長、セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEOの中野晴啓さんのお考えを伺います。

s中野晴啓さんプロフィール画像

つみたてNISAの非課税期間は「20年間」から無期限に

――政府は令和5年度(2023年度)税制改正大綱を決定しました。NISAはどのように変わるのでしょうか。

中野晴啓さん(以下、中野さん):2023年末までは「つみたてNISA」と「一般NISA」がありますが、2024年からは「一般NISA」が「成長投資枠」になります。「成長投資枠」では投資信託の他に株式を買うことが可能です。

また非課税期間が無期限になり、生涯の投資上限額が定められて1,800万円になります。地道にコツコツと投資を続けられますね。

――年間の非課税投資枠も、2024年からは枠が増えるようですね。

中野:2024年からの年間の非課税投資枠は、360万円になります。このうち「つみたてNISA」は120万円、「成長投資枠」が240万円です。「つみたてNISA」に関していえば、毎月10万円まで非課税枠で投資ができるようになるわけですね。

子どもでも参加できる「つみたてNISA」ができる?

――2023年末に未成年向けの「ジュニアNISA」の廃止が決まっています。今後、子どもでも投資ができる制度はできそうですか?

中野:政府が打ち出している「資産所得倍増プラン」は、国民すべてが参加して成り立つ政策ですから、子どもが仲間外れになってはいけません。子どもにも何らかの配慮があってほしいと思っていましたが、令和5年度(2023年度)税制改正大綱では年齢に関しては記載がありませんでした。 成年年齢の引き下げに伴い2023年からは18歳以上が対象になります。未成年に関しては、今後検討されていく、大きな課題ではないかと思います。

私は今回のNISA制度の改革は、国家的な政策と捉えています。国が資産を増やせる場をせっかく用意してくれるのです。これに乗らないのはもったいないような気がします。将来、「NISAをやっておけばよかった」ということになっては残念ですから。

――最後に、ママスタセレクト読者のみなさんに伝えたいことをお聞かせください。

中野:なぜ投資が必要かご理解いただけたでしょうか。給与所得が上がらず、低金利が続く今は投資で金融所得を増やさないと将来のためのお金の準備ができません。またそれは「資産所得倍増プラン」からもわかるように、国の政策でもあります。
忙しいママたちへおすすめの「つみたてNISA」で長い時間をかけて子どもの学費、老後資金の準備をはじめることは将来の家族の幸せにつながります。それには家族で投資する目的を共有し、無理のない金額で続けていくことが大切です。まずは投資への一歩を踏み出しましょう。

(編集後記)
4回にわたって、政府が推進する「金融所得倍増プラン」や「NISA制度」、そして投資をする意味について中野さんにお聞きしました。「NISA制度」は、国が資産所得を増やす場として提供しているものです。将来のお金を考えて、上手に活用するのも1つの方法といえるでしょう。一方で投資にはリスクもつきものです。その点を踏まえて夫婦で冷静に話し合い、どのタイミングで始めるのか、何のために投資をするのか。その考えを共有しておくことも重要でしょう。

取材、文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・はなめがね

【つぎ】の記事:<うちの嫁ハズレ?>同居の問題。気の強い義妹と母が衝突!私はグチを聞き続ける役?【第1話まんが】

関連記事

<ママの投資・第1回>「資産所得倍増プラン」と言われてもピンとこない。そもそも「投資」って何?
ニュースなどで、岸田総理が掲げる「資産所得倍増プラン」について見聞きしたことのあるママもいることでしょう。柱の1つは「NISA制度(少額投資非課税制度)」を今より始めやすく、また長く続けられるよう...
<ママの投資・第2回>「NISA制度」のメリットは税金がかからないこと!どのくらいお得なの?
NISA制度をニュースで聞いたことはあるという人は多いのではないでしょうか? 投資に縁のない人にとっては少し、難しい印象を受けますよね。 一般社団法人投資信託協会副会長であり、セゾン投信...
<ママの投資・第3回>ママにおすすめなのは「つみたてNISA」。実際にどのくらい増えるの?
現行の「NISA制度」には「一般NISA」「つみたてNISA」の2種類がありますが(※2023年末まで)、どちらを活用するのが良いのか悩む人も多いのではないでしょうか。実際に投資をした場合、ど...