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<ママの投資・第2回>「NISA制度」のメリットは税金がかからないこと!どのくらいお得なの?

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NISA制度をニュースで聞いたことはあるという人は多いのではないでしょうか? 投資に縁のない人にとっては少し、難しい印象を受けますよね。

一般社団法人投資信託協会副会長であり、セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEOの中野晴啓さんに、NISA制度について伺うこのシリーズ。第2回の今回は、「資産所得」を増やすためには具体的にどのような方法があるのか、中野晴啓さんに詳しく解説していただきます。
中野晴啓さんプロフィール画像

NISA制度の最大のメリットは「非課税」ということ

――「資産所得倍増プラン」の柱の一つとして掲げられているのが「NISA制度」の活用です。「NISA制度」は他の金融制度とはどんな点で違うのでしょう?

中野晴啓さん(以下、中野):通常の株式や投資信託に投資をすると、いつかは売ることになると思います。株式や投資信託を売ったときに利益が出たら通常は20.315%の税金が課税されます。でも「NISA制度」では、利益が出ても税金は引かれません。そこが最大の魅力といっても良いのではないでしょうか。

具体的に説明しましょう。たとえば投資をした結果、100万円の利益が出たとします。NISA制度を使っていない場合には、20万3,150円の税金が引かれ、手元に残るのは79万6,850円です。でも、NISA制度ならば税金がかからないので利益の100万円がそのまま手元に入ってくるというわけです。約20%の違いは大きいですよね。

NISA制度を確認しよう

――NISA制度にはいくつかの種類があるようですが……。

中野:現行のNISA制度には「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。現行の制度は2023年末で買付終了となります。

■一般NISA
制度開始:2014年1月
非課税保有期間(非課税で投資ができる期間):5年
年間非課税投資枠(1年間で非課税で投資ができる金額):120万円(※新規投資枠のみ)

■つみたてNISA
制度開始:2018年1月
非課税保有期間(非課税で投資ができる期間):20年
年間非課税投資枠(1年間で非課税で投資ができる金額):40万円(※新規投資枠)

※一般NISA、つみたてNISA共に利用できるのは20歳以上(2023年からは18歳以上)

「一般NISA」の場合は、年間120万円を5年間活用できますから、合計で600万円が非課税で投資できます。一方で「つみたてNISA」は年間40万円ですが、20年間投資ができるので、合計で800万円です。「つみたてNISA」は、長い時間をかけてお金を増やしていきましょうというスタンスですね。

――2024年からのNISA制度はどうなるのでしょうか?

中野:2024年からは新しいNISA制度が始まります。「一般NISA」は「成長投資枠」と名称を変えて引き継がれ、下記のようになります。

■成長投資枠
非課税保有期間(非課税で投資ができる期間):無期限
年間非課税投資枠(1年間で非課税で投資ができる金額):240万円(※新規投資枠のみ)

■つみたてNISA
非課税保有期間(非課税で投資ができる期間):無期限
年間非課税投資枠(1年間で非課税で投資ができる金額):120万円(※新規投資枠のみ)

※生涯の投資上限額は1,800万円となります。

子どもを対象としたジュニアNISAの活用法

――20歳未満の子どもでも投資ができる「ジュニアNISA」。これも非課税のようですが、残念ながら2023年末で制度がなくなってしまうそうですね。

中野:「ジュニアNISA」は2023年末で終了しますが、あと1年、猶予があるとも考えられます。今すぐに子ども名義で投資を始めたいならば、この1年はできる範囲で参加してみてはどうでしょう。「ジュニアNISA」の1年の非課税枠は80万円です。2024年以降はいつでも自由にお金を引き出せるので、(ただし全額払い出しになり、一部を売却して現金として払い出すことはできません)学費のために投資をしておくのも一つの方法ですね。

参考:金融庁|NISAとは

「一般NISA」や「つみたてNISA」ができた背景は?

――そもそもなぜ日本で「NISA制度」ができたのですか?

中野:アメリカにはIRA(個人年金積立て制度)、イギリスはISA(個人貯蓄口座)という制度があります。「NISA」はイギリスのISAを参考にした、日本版ISAです。「NIPPON」の「N」を付けて「NISA」なんです。

なぜ日本で作られたのかというと、政府が個人の資産形成の必要性を認識したからです。「貯蓄から投資へ」というのは2001年ころから言われていたのですが、当時それに見合った制度がありませんでした。そこで本腰を入れて作られたのが2014年の「一般NISA」です。

4年後の2018年に「つみたてNISA」ができたのは、「一般NISA」の非課税期間が5年だったからです。資産形成をするにはそもそも5年では短いことが、「つみたてNISA」ができた理由です。でもじつはもうひとつ他に理由があります。「一般NISA」の非課税期間が5年と短いために、株価が上がったら利益を得るためにすぐに株式を売ってしまう人が出てきてしまったのです。こうなると本来の一般NISAの目的である「長期的な資産形成(=長期投資)」になりません。

そこで年間の非課税投資枠が少ないけれど非課税期間が20年ある「つみたてNISA」を作り、長期的な資産形成を促したというわけです。

(編集後記)
中野さんのお話から、NISA制度の最大のメリットは、通常だと約20%かかる税金がかからないことがわかりました。皆さんはどのような形での「投資」を考えるでしょうか?

取材、文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・はなめがね

【つぎ】の記事:<元カノと自宅でバッタリ>家事と育児しない旦那を置いて実家へ。自宅に戻ると違和感【第1話まんが】

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