<母親やめてもいいですか?>罵倒と暴力の日々「心」を失くした私。人生とは何だった【第6話まんが】
前回からの続き。今から十数年前、私ユズキが40代半ばだった頃の話です。小学4年生の春から登校できなくなった息子のコウタロウを守るため、私は義両親や夫からの暴力にも必死で耐えていました。
その甲斐あってかコウタロウは中学2年生になると完全に出席できるようになりました。すると義両親や夫は手のひらをかえすようにコウタロウを褒めるように。
コウタロウはその期待に応えるべく、必死に勉強していました。しかし、ストレスの矛先をすべて私に向けるようになったのです。
本来であれば、親としてしっかりと叱らないといけない場面です。しかし私は怯えていました。
もしここで私が叱って、そのせいでまたコウタロウが不登校になってしまったら……。そう思うと私はコウタロウを叱ることができずにいました。「私が我慢すればいいんだ。コウタロウが進学校に合格してくれさえすれば、きっとすべてが元通りになるはず」私はその一心でコウタロウからの暴言や暴言に耐えながら、必死にサポートし続けました。
2年が経ちました。「よっしゃー! 合格だ!」「やっぱりコウタロウはできる子だったのよね~」「おめでとう!」
コウタロウは義両親や夫の望んだ通りの進学校に無事合格することができました。家族には再び、笑顔が戻りました。
笑顔の家族とは裏腹に、私はすでに「心」を失くしはじめていました。耐えて、耐え抜いた日々が終わった。終わったらやることがあったはずなのに。
ときは経ち、コウタロウは高校一年生になりました。部活にも入り、友達もたくさんできたようで、順調な学校生活を送っています。
「ただいま~腹減った。母さん!飯!」あわただしくコウタロウが帰ってきました。
帰ってきたコウタロウに、私は返事をすることもなく、いつもの通りに食事の準備をはじめていました。私が何をしても気に入らない義母は、そんな私の姿を見て……「アンタは……」
「アンタは部活で疲れて帰ってきた息子に、ねぎらいの一言もないわけ? 無言で昼食を出すなんて……喋り方も忘れたの?」「あーやだやだ。コイツがいると、何か辛気臭いんだよね。昔はもっとマシだったのに」
コウタロウが順調に学生生活を送れるようになったのは本当に嬉しかったです。でも私は家族の前では暴力に怯え、もう笑うことなどできなくなっていました。ここまでコウタロウのために自分を犠牲にしてきました。全てを投げうってでも、コウタロウが笑える日のために頑張ってきました。その結果がこれ……。私の人生っていったい何だったんだろう……そう思ってしまいます。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子