<母親やめてもいいですか?>学校に行きはじめた息子、変わってしまった家族関係……【第5話まんが】
前回からの続き。今から十数年前、私ユズキが40代半ばだった頃の話です。小学4年生の春から登校できなくなってしまった息子のコウタロウ。
私はサポートのために仕事を辞め、義両親や夫からの暴力にも必死で耐えていました。秋になるとコウタロウはフリースクールに通いはじめ、少しずつ前向きになってきたように感じました。
「僕は、逃げるの?」「もっとあなたがあなたらしくいられる場所へ行くだけよ」こうして学区外の中学に籍を置き、フリースクールに通いながら自宅で勉強を重ね続けました。
すると中学1年生の終わり頃、コウタロウが突然「学校に行ってみる」と言い出したのです。
そして少しずつ学校にいる時間を増やし、上の学年にあがるころには完全に出席できるようになったのです。
「いってらっしゃい!」毎朝制服を着て学校へいくということは、決して当たり前のことではない……。
「コウタロウのため」と思って走ってきた4年間、私は義両親と夫からの暴言暴力にひたすら耐えてきました。その結果、私は息子以外の家族を前にすると「また暴力を振るわれる」と思って怯えてしまうようになったのです。何か物音がしただけで身体が震え冷や汗が出てくるのです。
学校に行けるようになったからと言って、義両親や夫からの暴言が止むことはありませんでした。「コウタロウは今日もしっかり学校にいったのね?」
「ご近所さんのいいさらし者だったわよ、孫が登校拒否してるなんて。こうなったら絶対トップの高校にいれなさいよ! 全部アンタのせいなんだから、責任をとりなさい!」
とにかくコウタロウに勉強を頑張ってもらって、なんとかトップの高校に入学させなくては……! そしてコウタロウが高校に入ったら、2人でこの家を出よう。私たちはこの家の呪縛から逃げるんだ……。しかしある日のこと、コウタロウが持ち帰ったテストの点数はなんと40点……。私は「大丈夫よ~!」そうコウタロウを励ましたのですが……。
「俺のテストの点数が悪いのは、おめぇーの教え方が悪いからだろ! この役立たず!」……一瞬私は何が起こったのか理解ができませんでした。コウタロウが? コウタロウが私を?
私はコウタロウが学校に行けるようになって、本当に嬉しかったのです。そして「コウタロウが高校生になったら2人で一緒に家を出よう、この家の呪縛から逃げるんだ……」それだけを心のよりどころにして生きてきたのに……。目の前に立って私を見下ろすコウタロウは、すでに私の知っているコウタロウではありません。私はどこで間違えてしまったのでしょうか?
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子