幼少期に育ててくれたひい祖母との最後の約束
私の両親は共働きだったので、昼間は母の実家に預けられていました。その間、ひい祖母と祖母が私の世話をしてくれていました。当時3歳だった私はあまり喋らない寡黙な子どもでした。そんな私にひい祖母は根気よく話しかけてくれました。
そして私にこっそりとあるお願いを託してくれたのです。
それから5年後。私が8歳のとき、ひい祖母は急逝しました。
これから出棺というときに……。
肩凝りがひどいひい祖母が肩叩きとして使っていたものでした。棺の中に入れてもらうと、私はホッとしたような満足した顔。普段は大人しい娘がどうしたんだろう……とばかりに不思議そうな顔で私を見る母に対し……。
「ひいばあばが“もし自分が死んだら棺に入れて”と言ったの」と私。親や親戚は「私とひい祖母の約束」について知らなかったので、本当にびっくりしていたそうです。
なかなか話さない私に「いつか話すかも」と信じ続けてくれたこと。優しい愛情を向けてくれたこと。大人になった今でも、ひいばあばには感謝の気持ちでいっぱいです。
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