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子どもの脳は9歳まで飛躍的に伸びる!なかでも重要なのは6~9歳

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「子どもの脳は、シングルエイジと呼ばれる0歳~9歳までの間に飛躍的に伸びます。なかでも手先が器用になり、自分でできることが増えてくる6歳から9歳はとても大事な時間です」というのは、東京都杉並区にある総合学童保育「AfterSchool Kugayama Kids」を運営する、一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事の野上美希さん。この時期、学童保育で過ごす子どもたちもたくさんいます。学童保育での過ごし方や、この時期の子どもにとって大切なことについて、野上さんにお話を伺いました。

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人間力の土台となる「非認知能力」は9歳まで伸び続ける

――「子どもの脳は、シングルエイジに飛躍的に伸びる」とのことですが、シングルエイジとはいつのことをいうのでしょうか。

9歳までの間をシングルエイジといい、0~2歳の乳児期、3~5歳の幼児期、6~9歳の小学校低学年に分けられます。スキャモンの発育曲線によると神経回路の9割が6〜9 歳までに、残りの1割は9〜12歳にほぼ完成すると言われています。この神経系が著しく発達する9歳ごろまでの時期を「プレゴールデンエイジ」といい、この間にいかにいろいろな経験をさせるかがすごく重要です。この期間にさまざまな経験をすることで「非認知能力」が育まれます。

――非認知能力とは、具体的にはどのような能力ですか?

非認知能力とは「生きる力」を育むための、他人とうまく関わる力や目標に向かってやりぬく力、感情をコントロールする力など、数値で測れない能力を指します。非認知能力を育むには乳幼児期がすごく重要な期間だといわれていますが、乳幼児期で終わりではなく、実はシングルエイジといわれる9歳までにいかに身につけていくかということが大事です。

――「プレゴールデンエイジ」には、どんな活動を取り入れたらいいですか?

野外での自然とのふれあいや、室内でも子どもが興味のあるものがどれかを探してみてください。そのなかで子どもがやりたい、好きだと思うものが見つかっていきます。子どもが好きなことに熱中することによって視野が広がり、さまざまな経験を通して自己肯定感も育まれていきます。小学校低学年くらいだと、テストなどで測れる認知的な能力が増えてくる時期でもありますが、コミュニケーション力や共感力、忍耐力といった非認知能力を伸ばせるチャンスでもあります。非認知能力が高まると、大人になってからまわりの人とのかかわりで幸せを感じられたり、経済的な安定につながると考えられています。

大人が加わることで遊びの幅が広がる

――6~9歳は、ちょうど学童保育に通う子も多いと思います。野上さんが運営している総合学童保育「AfterSchool Kugayama Kids」では、どのような活動を取りいれていますか?

自由遊びの他に、毎日プログラミングや英会話などの体験活動を取り入れています。というのも、学童保育では宿題をやる以外は子どもたちの人間性の土台となる非認知能力を育む時間と考えているからです。子どもたちが遊びに夢中になればなるほど、ワクワクしたりドキドキしたり、逆に怖くなったり、不安になったりという「心が動く体験」がたくさん生まれます。子どもが「どれだけ遊びこめるか」によって、心の成長につながっていくと思うのです。

とはいえ、子どもたちだけだと遊びの発想が限られてしまいます。そこで職員が子どもたちと一緒になって、段ボールで巨大迷路や滑り台を作ったり、北欧から取り寄せた木を使って室内に大きな家を作ったりしています。

――大人が加わることによって、遊びの幅が大きく広がるんですね!

ほかにも、ひな祭りや十五夜など、どちらかというと幼児期のみに偏りがちな「四季を感じるイベント」も大切にしています。ひな祭りにはお雛様とお内裏様に見立てた雛寿司を子どもたちと一緒に作って、そのあとに色紙などを使って飾りました。幼児期と比べて学童期は、指先も器用になるし、興味関心が深まる時期です。

子ども自身が「できた」という経験と、保育者からの「できたね」ということをみんなで喜びあうことが、その子の自己肯定感につながっていきます。また、それが次もやってみようという意欲にもつながっていきます。この自己肯定感というのは乳幼児期でも大切なことですが、より実感しやすいのが小学校低学年です。その時期に思いっきりやって、子ども自身が「できた!」と感じることがすごく大事なことだと思います。

私がこれまで見てきた中では、ある子はダンスのイベント活動を行ったことがきっかけとなり、踊ることの楽しさを感じてダンスレッスンに通い始め、現在はミュージカルで活躍するまでになりました。それまで興味がなかったことも経験することで興味関心が広がり、もっとやっていきたいという意欲が育まれ、結果的に将来の夢に繋がっていくきっかけになったのではないかと思っています。

9歳までの経験が基礎になり10歳以降も伸びる

――10歳以降はどうなってくるのでしょうか?

高学年になると、勉強が格段に難しくなったり、やりたくないことが増えたりもします。ある程度考えて答えを出していくという能力が必要になってきます。学習面でもある意味、すごく差が出てきます。このとき0歳から9歳までのシングルエイジの幅広い経験がもととなり、「やりぬける」「がんばれる」「自分はできる」という自己肯定感が育っている子どもは伸びると思います。

――10歳以降は基礎がしっかりとできていると伸びるんですね。

そうです。基礎の部分ができていないと、ちょっと考えて「どうせ自分なんか何をやってもできない」といって諦めてしまいます。「どうせできないから、最初から勝負しない」ということになってしまうと、そこから先の子どもの伸びが変わってきてしまいます。

小学校低学年というのは、認知的能力と非認知的な能力を伸ばす際に、すごくバランスが問われる時期です。私たち保育者からすると、小学校低学年の勉強も大切ですが、その勉強とともに、その先に向けた自己肯定感ややり抜く力をいかに育めるかということも大事です。ただ、10歳以降は非認知能力を育めないのかというとそうではありません。非認知能力は十代後半でも発達すると言われていますので、何歳になっても諦めることはありませんよ。

(参考:独立行政法人経済産業研究所 幼少期の家庭環境、非認知能力が学歴、雇用形態、賃金に与える影響)

――自己肯定感が育つ子にするために、日常的に親は子どもにどう接したらいいでしょうか?

子どもに、遊びを与えるのではなく、子どもが自分で遊びを探せるような環境を作ってあげると良いと思います。たとえば、何も考えずに楽しめるゲームを与えるのではなく、公園に連れて行き、ボールは与えるけど遊び方は自分で考えさせる。ボールを使って自分で楽しい遊びを考えられたらクリエイティブな発想や行動力を褒めてあげるといいですよ。

学童保育は非認知能力を伸ばす大切な時間

学童保育では、宿題を見る以外は非認知能力を育む時間となります。この時間を活かして、子どもたちが「どれだけ遊びこめるか」「今まで見たことのない世界を見せることができるか」ということを大切にしています。「嬉しい」「ワクワクする」「悲しい」「イライラする」「怖い」など、心が動く体験を通して、子どもたちの成長を見守っていきたいと思います。子どもがいる親御さんも、子どもたちの心が動くような体験をたくさんさせてみてください。

――家庭でもママたちが実践できることがあったら教えていただけますか?

子どもが自分だけの行動範囲では行けないところに週末足を運んでみることも良いでしょう。たとえば美術館に行って「素敵だな」と感じる機会や、スポーツ観戦でワクワクドキドキしながら「自分もやってみたい!」と思う経験、そしてキャンプなど自然と共に生きる経験も良いと思います。ママの好きな趣味を共有することも、一緒に楽しみを共有できて子どもの視野が広がりますよ。

取材、文・間野由利子 編集・山内ウェンディ

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