かつて「放置子」だったママたちが、親になったからこそ苦しむ心の葛藤
皆さんは「放置子」という言葉を聞いたことはありますか? いわゆる親に放置されている子どもたちのことです。それぞれご家庭の事情はあるでしょうが、低年齢にも関わらず親の監視下にない子どもたちが放課後や土日、長期休みのときなど朝から「ピンポーン」とアポなしで来た、家に入れたら冷蔵庫のものを勝手に食べた、どこへ行くにもついてきたがる……など、ママスタコミュニティでも「放置子問題」は話題にあがるところです。放置子との我が子との距離の取り方にも悩むママたちですが、かつて自分が「放置子」だったというママからの投稿がありました。
『私はいわゆる放置子だった。
思い返すと、お友達の家に休日押しかけてこれから遊園地に行くから……って言われて、多分それでも私は遊びたいとか言ったのかな? それで「一緒にくる?」って言われてノコノコついて行ったんだけど私はもちろん一文無し。園内には入れて貰えたけど乗り物に何も乗らずに広場みたいな所で一人で遊んでた記憶がある。
今思うと申し訳ないことをしたな……って思うのと、その時すごく惨めな思いをしたなと思った』
今もなお健在の「放置子問題」は、時代を遡っても同じだった模様です。かつて「放置子」だったママたちは、今、どのような想いで過ごしているのでしょうか。
私もかつて「放置子」でした……。
『私も放置子だったよ。幼稚園のころからがっつり放置。母子家庭だから仕事で忙しいから仕方ないねーなんて近所の人は言ってたけど、ほんとは母はあちこちに男作って私と妹のこと完全放置。人の家に呼ばれると、おやつとかごはんとかもらえるから嬉しくて食べまくって友達のお母さん達にものすごく嫌われていた。私に聞こえるように「〇ちゃんはもう呼ばないで」って言ってるお母さんとかいた。惨めだって気づいたのは中2くらい』
『小学校上がる前から親は夜の仕事、たまに昼から居ないときもあり夜ごはんは自分でやる。卵かけご飯とか。お腹空きすぎて冷蔵庫のキムチを洗って食べたりもした。保育園のお弁当は、コンビニおにぎりをお弁当箱に移し変えるのみとか普通でした』
『うちも姉妹で放置されていた。妹が朝の6時7時とかに友達の家に遊びに行ってすごく迷惑をかけていた。朝ごはんまで食べさせてもらっていて、親に「妹に注意して」って言ったら「食べさせてくれるんだから別にいいでしょ」と言われた』
読んでいるだけで胸が痛くなるような投稿ばかりですね……。昔は今よりも子どもがひとりで気軽に出かけられる時代ではあったものの、やはりしっかりと食事を与えてもらえなければ、子どもたちは生きるためにお腹を満たしてくれる「誰か」を探さなくてはなりません。相手の大人からすれば「非常識な子」「図々しい」と思ったりもしますが、そういう躾すらして貰えない子どももある意味で被害者かもしれません。そして、それを当たり前の環境として育ってしまうのです……。
「ママ」になり、子育ての答え合わせで苦しむことも……
ときが経ち、大人になって「ママ」になった放置子たち。自分が経験してきた辛い思いを我が子にはさせないように……と思う一方で……?
『私もかなり放ったらかしにされていた子だったから、我が子に対する距離感わからない。とりあえず放ったらかしすぎないようにはしているけど、変なところで過保護すぎたり、そこ放置? みたいなところあるかも』
『親になってから色々気付かされてずっと苦しい。自分でも変な子だと思ってたけど、その答え合わせを強制的にさせられてる感覚』
『子どもには同じ思いさせないように気をつけています。だから子どもと遊んであげなきゃ、かまってあげなきゃっていうのが頭にあって、常に頑張ってる感じ』
『私も子どもができて親になり「あ、私は放置されて育って来たんだ」って自覚できたので、それが当たり前となって大人になったと思うと恐怖です。自分の過去を我が子に置き換えると泣けてくる。やっぱり親がおかしいんだなと今でも思う場面もあります。今でも親は、孫より自分中心な人です。子どもをこんな風に放置する親が少しでも減るといいですね』
子育てをしていく中で「幼い頃の親との想い出」は否が応でも思い出されることがあるでしょう。してもらって嬉しかったことは、自分の子どもにもしてあげよう。嫌だったことはしないように気をつけよう。誰だって手探りな毎日の子育てですが、遠い過去の記憶を「経験」として我が子との接し方を考えていきますよね。しかし放置され続けて育ったママたちは「イヤだった」経験が多いからこそ、むしろ頑張りすぎてしまったりするのかもしれません。そして親になって改めて気づく、自分の親の気持ちを理解できずに苦しむことも……。
「放置親」と「元放置子」。今の関係は?
そんな子どもを放置してきた親と、元放置子だったママとの「今」の関係はどうなっているのでしょうか?
『うちは縁切りました』
『親とは疎遠ですもちろん』
『うちは子どもが産まれたのをきっかけに20年ぶりに再会したよ。20年の空白の間に毒だった親も丸くなっていたから年に数回会ってるけど、無心や同居や介護を求めてきたら即座に切るつもり』
『疎遠になっていました。でも高齢になって健康面など問題が出てきてまた関わるようになりました。妹は疎遠のままでいます。関わりはじめの時は、年老いて性格も丸くなったのかな? と思ったけれど日が経つにつれ毒母の症状が再び出てきました。疎遠のままでいる妹は賢いなとつくづく思います。でも高齢なだけに放置はできないから無理せずできることだけをやっていきたいと思います』
親であっても過去のことを許せなくてキッパリ縁を切れる人と、やっぱり親だから……と見放すことができない人、それぞれですね。子どもの頃は当たり前すぎて分からなかった「我が家の常識」が、大人になってから「非常識」だったと気づいたとき、親に対してどんな気持ちになったことか……想像するだけで涙が出てきます。
今回の投稿を読んでいると、放置子の気持ちが痛いほど分かります。世間で今もなお放置されている子どもたちへの対応も考えなおすところですが、だからといってあまりに懐かれても困るのが本音ですね。投稿者のママも
『我が子のお友達が放置子で休みの日に毎度毎度、朝一ピンポンしてしつこくしてきたら……私はどうするのかな? って正直考えちゃうかな。可哀想で朝ごはん位は食べさせてあげるかな? 分からないなぁ』
と迷ってしまう心の葛藤こそが、自分の家庭を、自分の子どもを第一に考えている証拠なのかもしれません。ひとりでも多くの子どもたちが、悲しい思いをせずに育つことを願うばかりです。
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