授業中にメガネを壊された!一体誰が弁償するの?
娘の小学校の担任の先生から電話がありました。
「体育の授業で球技をしていたところ、友だちが投げたボールが当たってメガネのフレームが壊れました」
幸い娘に怪我はなかったとのことですが、メガネは6か月の保証期間が過ぎたばかり。一瞬青ざめました。
お友だちのママは私がよく知っている人で、すぐに菓子折りを持って謝りに来てくれました。
ボールを投げたお友だちは、いたずらで娘にボールをぶつけたわけではなく、ちゃんと授業通りに球技をしただけ。そのなかで偶然起こったこと。そう思うと弁済費用を請求しづらくなりました。
メガネ屋さんなら安く修理できるかもしれないし、授業中の出来事だから学校で補償されたりして……と楽観的に構えていたのですが。
ひとまずメガネ屋さんへ行くと……修理不可能
下校した娘と購入したメガネ屋さんに行き、修理可能か聞いてみると「フレームは修理不可能です!」しかも「このレンズは他のフレームに入れ替えができません」。
結果、まるごと買い替えでメガネ代金2万円弱の見積もりでした。ショックを受けつつ、学校の補償があるかも?……とまだ希望はありましたが……
小学校が加入している保険とは?
子どもが怪我をしたときの備え、または安全管理のために、多くの小中学校や幼稚園などでは保険に加入しています。
調べてみると娘の小学校で加入している保険は、「独立行政法人日本スポーツ振興センター」の「災害給共済給付制度」でした。国、学校、保護者が負担する保険で、保護者は保険料の一部、だいたい4~5百円を負担します。
給付の対象は、学校の管理下で負傷し、医療費が総額5000円以上の場合とのこと。怪我をした人に給付される保険なので、当然破損した物に対しては補償されません。
要するに、学校の保険はきかない。楽観的な考えはすっかり消え、どうしたらいいかわからなくなりました。
別の保険があった……!
解決法がわからず悩んでいると、ママ友からアドバイスを受けました。
「個人賠償責任保険に入ってるか相手に率直に聞いてみたら?」
保険の加入確認だけならサラッと聞けるし、加入していたとしても結局お金の支払いは保険会社がするのだから、それほど問題にならないだろうとのこと。
ママ友いわく「揉めないために保険はあるんだから」。
個人賠償責任保険とは、日常生活で誤って他人にケガさせたり、他人の物を壊してしまった場合に損害賠償金を支払ってくれる保険です。
自動車保険や火災保険などの保険に特約で付帯するケースが多く、クレジットカードでもオプションとして用意されていることがあります。個人賠償責任保険は保険の対象が幅広く、本人・配偶者・子供と同居の家族全員をカバーしてくれます。
相手のママに聞いて確認してもらうと、ご家族が加入していると判明! メガネ代は保険でカバーしてもらえることになりました。お互い「加入してて良かった」、「聞いて良かった」とホッとしました。
筆者の子どもも、いつ誤って学校内外で友だちを怪我させたり、人の物を壊すかわかりません。すぐにクレジットカードの個人賠償責任保険に加入しました。掛け金が月百数十円なのに家族をカバーしてくれるとは。ひとまず安心です。
保険には、補償もさることながら、お金のことで人間関係をギクシャクさせないメリットもある。初めて知りました。
個人賠償責任保険への加入、万が一のときのために、考えてみてもよいかもしれません。
<参考>日本スポーツ振興センター 学校安全Web
http://www.jpnsport.go.jp/anzen/
文・ゆずり イラスト・Ponko