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保活がオンラインで!?予防接種申請も【第2回 東京こどもDX2025つながる子育て推進会議】

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東京都は「こども DX」 を推進するため、国や区市町村、「子育てのDX」 を推進する団体が参画する「東京こども DX 2025 つながる子育て推進会議」を実施しています。6月7日(金)に第2回会議が実施され、保活ワンストップシステム構築などの取組みから、子育て当事者の実体験を踏まえた貴重な提言などもありました。

保育園探しから入園までをオンラインで完結!保活ワンストップシステム

保育園探しをするときに事前相談からはじまり、情報収集して見学の予約をし、いざ希望の園が決まれば申請書類を提出する……。小さい子どもを抱えてあちこち出歩いたりスキマ時間に必死に調べたり、多くのママたちも苦労したのではないでしょうか。
しかし東京都が構築した保活情報の連携基盤と「民間保活アプリ」・「保育ICTシステム」をつなぐことにより、保育園探しから入園までの手続きがオンラインで完結する保活ワンストップシステムが実現しました。すでに板橋区、足立区、調布市の3自治体とともに取組みを開始しており、連携自治体の年度途中の入園手続きから利用可能になる予定。保活がオンラインでできれば、毎日慌ただしいママたちの調べる時間や手間を減らせることにつながります。大変なイメージが強い保活を前向きに進められる一助となるかもしれません。

東京都提供 投影資料

東京こどもDX 2025 つながる子育て推進会議 第2回より

マイナンバーカード一つで医療費助成も予防接種も申請可能

子どもの予防接種や健診など、ママになると病院に行くことが増えますよね。それらのスケジュールを管理するのも大変です。また紙での対応することが、まだまだ多いかもしれません。そんななか東京都ではマイナンバーカード一つで医療費助成や予防接種、健診の申請が可能となる、「母子保健オンラインサービス(PMH)」が進められています。医療費助成については今年度中に母子保健オンラインサービスとの接続が完了する予定で、今後は自治体向けの周知活動なども行うとのこと。マイナンバーカード一つで対応可能になれば、ママたちの負担軽減につながるのではないでしょうか。

東京都提供 投影資料

東京こどもDX 2025 つながる子育て推進会議 第2回より

給付金手続きは「ワンスオンリー」で簡単・便利・早い

子どもの育ちを切れ目なく支援するため、東京都が昨年度にスタートした「018サポート」。デジタル庁が構築する「自治体向け共同利用型の給付支援サービス」との連携により、親子のマイナンバーカードをスマートフォンにかざすことで申請できる新しい仕組みが6月11日より導入されました。こうした子どもの成長を支えるための給付金についても、国や自治体と連携して簡単で便利な手続きが実現されています。申請の手間が少なく、何より早いというのはありがたいですよね。

子育て当事者の声

また今回の会議ではゲストスピーカーとして、子育て当事者の男女2名のプレゼンテーションも行われました。それぞれの経験に基づくプレゼン内容を簡単にご紹介します。

子育て当事者の声1:川本 孝宜さん「直接子どもと関わること以外に費やしている時間が多い」

川本さんは移動する、待つ、書く、調べる、保管するといった直接子どもに関わること以外に費やしている時間が多いと気づき、もっと直接子どもと関わることにできるだけ時間と労力を還元したいという考えを提言しました。また父親と母親という「子育て当事者」間において、妻の方が子育て情報や機会に触れることが多く、夫婦間での差を感じたという経験も。そしてそれは情報の多さやアクセス性、紙ベースであることが原因ではないかと考え、「こどもDX」の推進により解決できる具体案を提示されました。

子育て当事者の声2:正能 茉優 さん「脱・紙地獄」

正能さんは妊娠・出産・子育て時、「紙」を使った手続きやお知らせが多く、それらを提出したり管理したりすることが困難かつ面倒であったとのこと。その経験から、抜けもれなく「今、するべきこと」を把握でき管理から提出の負担を最小限にするために、デジタルを軸にした抜本的な改革の必要性を話されました。一方ですぐにできることとして「紙もののアーカイブ化 + マンスリーはがきでのプッシュ通知 + 手続きのデジタル化」、すべてデジタル化することが最適ではなく、「あえて紙にする部分」も必要という考えを示されました。

子育て当事者の声を受けて

子育て当事者2名からのプレゼンテーションを受けて、小池百合子都知事をはじめとした参加者からもコメントがありました。一部ではありますが、それぞれご紹介します。

── 小池都知事:当事者の方々からの問題点の提示と、とても具体的な解決方法まで教えていただけたと感じました。あえて紙というのも一つの納得感はありつつも、どのように進めていこうかと考える気持ちがあります。情報を提供する側もできるだけ多くの情報を提供したいと思っていて、みんなそれぞれ頑張っているんですよね。ただ情報を受け取る側からすると情報があり過ぎて、何を優先すべきなのか、何が必須事項なのかと埋もれてしまう。そういうご指摘だったかなと感じました。私どもは「都民ファースト」と言っていますが、やはり受け手側に徹することが大事なのだろうと思います。

──内閣官房デジタル行財政改革会議 佐脇事務局次長:川本さんと正能さん2人のお話を聞いているとデジタルのせいにするわけではないですが、デジタルツールがしっかりそろっていれば、もっとできたことはあったのではないかと思う気持ちもあります。しっかりした具体案作り、それを全国に展開することを責任もって進めていきたい。

――こども家庭庁 黒瀬長官官房審議官:川本さんの「貴重なことに時間を費やせるようにする」という話と、正能さんの「手続きが整理されていないからそれぞれが苦労する」という話は非常に共鳴する部分があり、なんとかしたいと思っています。それがまさにこども家庭庁が掲げる「こどもまんなか社会」を作るということになる。こども家庭庁の存在意義は、省庁の縦割りではなくシームレスに支えること、ライフステージに合わせて常に伴走型でサポートしていくこと。そして人間とデジタルの両方の力を使い、役割分担していくことだと思っています。今後も自治体を基本に民間企業や経済会、デジタル庁らと連携しながら進めていきたい考えです。

――デジタル庁 浅沼デジタル監:今回のプレゼンテーションを受けて、デジタル化で解決できることが多くあると改めて認識しています。とくにスピード感や実感できる点が大事だと感じています。デジタル庁におきましては制度・業務・システムの3つを一体としてしっかり連携しながら改革していく考えです。システムだけを用意してもよいサービスはできない。制度や業務をしっかり見直していくことが大事だと考えています。

【取材後記】
今回の第2回東京こどもDX2025つながる子育て推進会議を通して、東京都が目指す「こどもDX」の進捗状況を知ることができました。子育て当事者からのプレゼンテーションは「まさに!」と多くのパパやママが共感できる内容だったのではないでしょうか。デジタル化を含めすぐに解決できることばかりではないでしょうが、保活ワンストップシステムや母子保健オンラインサービスなど「こどもDX」の取組みは着実に進んでいることがうかがえました。

取材・編集部 文・有村実歩 編集・ここのえ イラスト・猫田カヨ

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