【スポットワークって何?第1回】どんな仕事?派遣社員やパート勤務との違いは?
仕事をする場合、正社員やパート、アルバイトのほかに派遣社員で働くなど働き方の形はさまざまです。けれど子どもがいるママは決まった曜日や時間に仕事ができない場合もあるでしょう。そこで注目したいのが「スポットワーク」です。フリマアプリ大手のメルカリでも「メルカリ ハロ」というスポットワークのサービスを始めています。実際にどんな形態の働き方なのかをメルカリ広報の飛田瞭さんにうかがいました。
「スポットワーク」って何?どんな仕事をするの?
――最近は「スポットワーク」という新しい勤務体制で働く人も増えてきたと聞きます。メルカリさんでも「メルカリ ハロ」というサービスを始めたそうですが、「スポットワーク」とは具体的にどんな働き方なのでしょうか?
メルカリ広報 飛田瞭さん(以下、飛田さん):「スポットワーク」は文字通り、空き時間に仕事をする働き方です。たとえば「明日の午後1時から3時まで空くからその時間だけ働きたい」という場合でも、働くことが可能となります。アルバイトやパートで働く場合は「何曜日の何時から何時まで出勤する」というように、前もって曜日と時間が決められています。予定を立てやすい反面、用事ができても仕事は休めないなど不自由さも出てくるでしょう。一方でスポットワークならば、極端な話、今申し込んで1時間後に仕事をするということもできますから、前もって予定を立てにくい方にとっては働きやすい形だと思います。
――ほかにもパートや派遣社員との違いはありますか?
飛田さん:派遣社員は派遣会社に雇用されるので、派遣会社と働く人との間で契約が結ばれます。今回メルカリが始めた「メルカリ ハロ」は、派遣会社とは違う立ち位置で、あくまでも事業者さんと働き手との仲介をする「仲介者」です。つまり「メルカリ ハロ」が働き手を直接雇用することはありません。
――「スポットワーク」には、具体的にどんな仕事があるのでしょう?
飛田さん:これまでの「スポットワーク」は、若い方が利用することが多かったこともあり肉体労働が主流でした。最近ではコンビニやカフェの店員など力仕事以外の職種も豊富になってきています。さらに利用者の層も広がってきていて、学生からシニアの方まで、幅広い層で利用されています。主婦の方やすでにパートをしているママさんのなかにも、もう少し働きたいと希望してスポットワークを利用している人もいますよ。
「スポットワーク」が注目される背景とは
――「スポットワーク」が注目される背景には何があるのでしょう。
飛田さん:深刻な人手不足、つまり働き手不足が要因にあるように思います。総務省によると、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少し、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。
2050年はまだ先のことのように思えますが、労働者不足はじわじわと広がっているのが現状です。
――働く側にとっては売り手市場で、正社員になるチャンスがある状況です。それにもかかわらず、なぜスポットワークに関心が寄せられるのでしょうか?
飛田さん:おそらく、今のライフスタイルを崩すことなく仕事をしたいという気持ちが強いのでしょう。厚生労働省の調査によると、正社員以外で働いている人がその働き方を選んだ理由は「自分の都合のよい時間で働ける」「家事や育児、介護など家庭の事情と両立しやすい」などの回答が多くありました。
メルカリが独自に行った事前ヒアリングでも、子どもの下校時間や習い事を考えると、柔軟に仕事ができるスポットワークを使ってみたいという声もありました。そういった要望を叶えられるのがスポットワークです。ママさんたちにも受け入れられ始めていますよ。
編集後記
「スポットワーク」は今の生活を大きく変えることなく仕事ができるサービスとのこと。人手不足を解消したい事業者と自由な働き方を希望する働き手の両方のニーズに合った働き方といえそうです。次の記事では、ママにとっての「スポットワーク」のメリットをお聞きします。
取材、文・川崎さちえ 編集・すずらん イラスト・ゆずぽん