「ちょこくんスタンプは登園を嫌がる娘のお守り」 #うちの猫ちょこくんシリーズ<第11話>
娘のうっちゃんは幼稚園に入園する前の年に一年間プレ幼稚園に通っていました。週に2回、母子分離で朝9時~お昼ご飯を食べて14時までというスケジュール。幼いうっちゃんにとってみれば、初めてママや猫のちょこくんと離れて過ごす体験でした。
プレに行く朝、始めの頃は「ママとちょこくんと一緒にいたいよぉ~!!」と泣き崩れる日々。わたしも半日うっちゃんと離れて過ごすことは、初めての経験で「幼稚園で泣いていないかな、今なにしているんだろう」と落ち着きませんでした。(次第に、久しぶりの一人時間を満喫するのですが……)
プレの先生は献身的に、子どもだけでなく初めて子どもを外の世界に送り出す親の気持ちをフォローしてくれたのです。
プレの日の朝、案の定嫌がるうっちゃんに先生の言っていた”おまじない”を試すことに。
私「うっちゃん、手を出して」
何度も手のひらのスタンプを眺めては、さっきまで嫌がっていたうっちゃんが笑顔に。 「一緒に行こうね♪」話しかけて、嬉しそうな様子です。
先生「”おまじない”と言っても特別なことをするわけじゃないんですよ~。お子さんとママだけのお約束という意味です。例えば、手にスタンプを押してあげたり、ママと一緒に選んだお気に入りのハンカチを持たせてあげたり。些細なことが小さな子どもにとっては、お守りみたいな”おまじない”になるんですよ」
先生のそんな言葉を聞いて、うっちゃんが大好きなちょこくんそっくりな猫のスタンプを買ってきていたのでした。
あんなに行くのを嫌がっていたプレも最初の2ヵ月を過ぎた頃には、お友達もできて楽しい場所になっていきます。うっちゃんへの”おまじない”作戦は大成功でした。
その後、幼稚園に入園したうっちゃん。幼稚園行きたくないとグズる朝にちょこくんスタンプを押してあげるという”おまじない”は続いています。
余談ですが、ちょこくんスタンプを机に出しておいたら、うっちゃんはいつの間にか、パパがしまわずにその辺に出してあった名刺入れの中の名刺全部にこのちょこくんスタンプを押して元に戻すという、恐ろしいことをしてしまいました。
うっちゃん「パパもこれで寂しくないね~ おまじない ふふふ」
それは、まるで恐怖の呪文です……。
パパは取引先で名刺交換をしたときに、はじめて自分の名刺に全てちょこくんスタンプが押されていることを発見し、血の気が引いたそうです……。
仕方なくちょこくん入り名刺を交換したとのことでした!
脚本・横内みか イラスト・んぎまむ