‟知らない人”が子どもにお菓子を「はい、どうぞ」。もらう?食べる?捨てる?ママたちのジャッジとは?
先日、スーパーのお会計のあとに見知らぬおばあさんから子どもたちがキャンディーを手渡されていました。何も分からずニコニコと受け取る次女(3歳)と、「いりません!」と頑なに拒否をする長女(6歳)。そんな長女に対し、おばあさんは「せっかくだから受け取って」と差し出してくれています。
「大丈夫です!」と後ずさりを始める長女、少し寂しそうなおばあさん、差し出されたままの所在ないキャンディー。「知らない人からモノを貰ってはいけない」という約束をしっかりと果たそうとしているハズの長女を見つめながら、一歩離れたところでレジ袋に商品を詰めていた筆者の心は、なぜか複雑な気持ちでいっぱいになりました。
知らない人から子どもがお菓子を差し出されたとき、ママたちはどういう対応をしているのでしょうか?
キッパリ、ハッキリ、「もらいません!」断る派のママたち
『断るかな。知らない人だし、コワいよ』
『アレルギーあるんでって断ってる。嘘だけど』
『断る。おじさんやおばさんに向かっては「ありがとうございます~。お気持ちだけで嬉しいです。でも、ごはん前ですから……。すみません。この子、お菓子食べるとごはん食べないから……。すみません」ありがとう、でもすみません連呼で大体はわかってくれるよ』
『私なら「知らない人からもらわないようにしつけてあるから結構です」と断り、走る』
まずは「断る!」という毅然とした態度を示すママたち。小さな子どもをめぐるトラブルが絶えないこのご時世、キャンディーひとつでも何があるか分かりません。「モノをもらう」ということで、子どもが知らない人と親しくなり後々何かトラブルがあっても困るし、そもそも知らない人から頂く「食べ物」自体に抵抗があるというママも多いようです。もし、その食べ物に何か入っていたら……? うーん、考えただけでも恐ろしいですね。
けれどせっかくのご好意を無下にしてしまっては申し訳なく感じます。「アレルギーがある」や「ごはんを食べなくなる」など、建て前でも柔らかい断り方をするのがおススメなのだそうですよ。大事なのは「お気持ちだけ頂いておきます」ですね。感謝の気持ちは忘れずに!
モノにもよるかな?ケースバイケースでいただくママたち
『モノによる。 市販のアメやチョコとかなら食べるけど、手作りとか封が開いている物とかは怖い』
『私は食べさせてる。もちろんくださった方やものを見て捨てるほうがいいと思うときもあるけど……。公園とかでおじいちゃんおばあちゃんにいただく飴やチョコはありがたくいただきます』
『未開封なら私が毒味してから子どもにあげる(笑)』
『私が食べる』
モノによっては食べさせたり、ママが食べちゃうという正直なコメントもありました(笑)。「モノによる」とは、未開封の市販品は信用できるけれど、既に開封されているものであったり、手作りのものは何が入っているか分からないので、抵抗があるのだそう。
目の前でお菓子をもらった子どもは、どうしても「食べたい!」が先走ります。せっかく頂いたお菓子ですし、子どもは食べたがっているし、未開封であればあげても大丈夫なのでは? というママたち。「未開封」が最大のポイントかな?
「くれた人を見て、捨てた方が良い場合も……」という辛辣なコメントもありました。子どもには「人は見た目では判断しちゃいけないよ」なんて教えてはいるけれど、同じ親としてその気持ち……分かります(下さった方、本当にゴメンナサイ……)。
一応頂いて、あとでこっそり処分するママたち
『もし、もらってしまったら一応お礼を言って後で捨てる』
『子どもにもらわないように言っている。もらったら、処分。ごめんなさい』
『「ありがとうございます」ってもらったら、「明日食べようね」って言って持ち帰り子どもが寝た後に分からないよう処分』
『一応ありがたくもらって捨てちゃうかな。子には、食べられないお菓子だったから新しいの買ってあげるねって言って買ってあげる』
特に多かったのが「頂くけれど、後で処分」というコメントでした。子どもにいくら「知らない人からモノを貰わないように」と教えてはいても、状況によって「もらうこと」が親切になる場合もあるのかもしれません。
先述のように、筆者が遭遇したおばあさんも、好意のひとつとして子どもたちにキャンディーを差し出してくれていました。何となくそれを「断る」ことがおばあさんを傷つけてしまう気がしてしまい、筆者もお礼を言って受け取りはしましたが、子どもには「後で頂こうね」と言って、そのままになっています。
そんな私の姿を見て、子どもはどう思っているのかが気になるところ。表では良い顔しておいて、裏ではそれを食べさせないという「表と裏」の顔を見せることが、子どもにとって良いのだろうか……悩みます。
『表と裏の顔を見せるより、その人の「好意をありがたくいただく」って事を教えていけばいいんだと思う。うちの子は「ありがとうございます」って普通に受け取るよ。でも絶対勝手に食べたりしない』
なるほど、要は「勝手に食べさせない」ことをしっかり教えるのが大切だというコメントが刺さります。「くれる」という「好意」をありがたく受け取ることと、それを「食べる」ことは切り離して考えた方が良いのかな? 知らない人からいただいたものを「口にする」ということが、どれだけのリスクを背負っているという事実を、一緒に考える良い機会になるのかもしれませんね。
差し出されたお菓子を、とりあえず「受け取る」ことが優しさなのか、後で捨てることになるのであれば最初から「受け取らない」ことが優しさなのか……まだまだ悩みは尽きません。いずれにしても「勝手に食べない」を守って貰いたいと感じたできごとでした。
皆さんは、子どもが知らない人からお菓子を差し出されたとき、どういう対応をしていますか?
文・渡辺多絵 編集・しのむ