「大好き」を子どもに伝えられない悩み……親子のスキンシップの時間をくれた絵本『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』 #ママの悩みに寄り添う絵本
ママは家事や育児に追われる毎日で、わが子に「愛している」の気持ちを伝えるタイミングを計るのは難しいですよね。どちらかというと叱ってばかりで、子どもが寝てから罪悪感でいっぱいになってしまうというママもいらっしゃるかもしれません。
私も下の子のお世話で忙しいとき、上の子に対して、どう愛情を伝えたらいいのか悩む時期がありました。悩んだ末、一冊の絵本に出会ったのです。
今回は子どもに大好きを伝えたい、というママにおすすめの絵本『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』をご紹介します。
絵本『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』とはどんな絵本?
絵本の作者はフィリス・ゲイシャイトーさんと、ミム・グリーンさん。ミム・グリーンさんはフィリス・ゲイシャイトーさんのお母様で、娘さんの良き相談相手でもありました。このお話は親子で作られたのです。
『あさごはん たべたあと、ぎゅっ
ほんを よんだあと、ぎゅっ
おさんぽ したあと、ぎゅっ
うさぎの おやこが なんども ぎゅっと だきあいます。
だいすき ぎゅっ ぎゅっ! うれしいな もういっぺん』
こちらの絵本にはうさぎの親子が登場します。朝8時、ママがベッドで寝ている子うさぎを起こし、洗面や着替えを済ませて朝ごはんを食べた後、「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」と親子でハグをします。その後もお昼の後、たくさん遊んだ後…… というように1日に何度もハグをする様子が描かれています。その癒される光景は子うさぎがベッドで休むまでくり返されます。
下の子に遠慮して甘えられない上の子……何度も読み聞かせした絵本
わが子は2人いて、年は2歳離れています。小さい頃から上の子は下の子に遠慮ばかりして、自分から甘えられずにいました。下の子が0~1歳だった当時は、ママっ子でパパや近くに住んでいた祖父母の抱っこでも泣き止みませんでした。それを見ていた上の子は、何か文句を言うわけでもなく、暴れるでもなく、一人遊びや祖父母と過ごして物静かなもの。下の子が昼寝中は唯一ママを独占できる時間でしたが、甘えたり抱っこしたりしてもらうことさえ遠慮してしまうような子だったのです。
幼いのに遠慮がちな上の子は、私から「大好き」という気持ちを感じているのか? どう伝えたら「大好き」の気持ちを理解してくれるのか? 悩みました。
そんなある日、書店で絵本『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』を見つけました。たしか上の子が3歳くらいだったと記憶しています。「大好き」の言葉を伝えるだけでなく、視覚的に訴えかけられる何かがほしいと思っていた頃です。そんな私の思いが通じたかのように、かわいらしい絵とストレートなタイトルに魅せられ、手にした絵本『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』。そこには私が上の子にしてあげたいことがそのまま描かれていました。温かみのある絵が気に入り、わが子とスキンシップを取りながら読み聞かせをしたら、親子で癒されるだろうなと思えたのですぐに購入しました。
絵本は下の子が昼寝をしている最中にわが子の隣に座って読んだり、上の子を膝に乗せて絵本を見せながら後ろから読んだりしました。もちろんお話の進み具合に合わせて、同じタイミングで「だいすき ぎゅっ ぎゅっ」とハグもしました。わが子はというと、照れくさそうでしたが、ぎゅっとされるとうれしそうでした。
そんな上の子を見るたびに、私がそれまで「大好き」という気持ちをうまく伝えられなくて悩んでいた時間は、次第に気にならなくなりました。きっとこの絵本を読む時間が上の子とのスキンシップを充実させてくれて、気持ちを伝えるきっかけをくれたのだと思います。
もし上の子に関わるタイミングに悩んでいるのなら、下の子が昼寝をしているときや先に休んでしまった夜の寝かしつけのときがおすすめです。限られた時間ですがそこで「大好き」の気持ちを伝えたり、ぎゅっとハグをしたり、抱っこをしたりするだけでも、子どもの心はママの愛情で満たされていくのではないでしょうか。たまには絵本の力も借りて、スキンシップを取りながら親子の時間を楽しむのもいいものですよ。
文・藤まゆ花 編集・しらたまよ