中田 敦彦:第6回 嫁の抱えている一番の問題は「孤独」でした
今回は中田さんに「ワーク・ライフバランス」に関してたっぷり話していただきました。ママもパパも必見です!
わりと最近のことなんですが、彼女の気分がずっと落ち込んでいたんです。
生活も普段通りだし、引っ越しもして部屋も嫁の好きな雰囲気になっていて、僕としては何も問題を感じていませんでした。
娘も順調に育っているし、近所にママ友もできたりして、何も問題ない、盤石なんじゃないかと思えるくらいでした。
でもなにか落ち込んでいる。
僕にSOSのようなものを発信していたんです。
ある時、彼女から「この記事いいよね」っていう感じで見せられたのが、小室淑恵さんという方の記事だったんですけど、それを読んで「あっ、ここに問題があったのか!」と目からウロコでしたね。
・小室淑恵氏
株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役
『山積する社会問題をタダで解決するたったひとつの方法』
小室さんは、子どもを育てる女性の負担が大きくなっていることや、少子化などの社会問題の最大の要因は「夫の長時間労働」だ、という主張をされているんです。
僕にとってはそれって、今まで見えていなかったことでした。
僕は、家族のために外でバリバリ働くということが夫の最大の務めだと思っていたんです。家にはあまりいられないかもしれないけど、そうやって収入を増やすことが家族のために一番だし、彼女も暮らしやすいだろうって。
そしてこの考え方って、男性からすると結構納得感があるんですよ。
(ここでママスタ女性スタッフから「えー?!」」という声が)
女性からすると「えっ?」て思うかもしれないけど、こういう風に考える男性は多いと思いますよ。
僕の場合でいえば、家族の生活を支えるために仕事を長時間頑張り! 先輩に飲みに誘われても断って家に直帰し! 女遊びもしないし 趣味に費やす時間もほとんど削っているんですよ!
僕は家族のために本当に頑張っていると、もう夫として全うしていると思ってました。他に何ができるんだろうって。
でも彼女からしたら、「その仕事を減らしてくれ」っていうことだったんですよね。
そこには考えが及ばなかったです。
彼女が抱えている一番の問題は「孤独」だったんです。
子どもの世話をすべて一人でして、それを誰にも見てもらえず、ちょっとしたトラブルがあって何か話したくても僕がいない。心の中にずっと寂しさがあったんです。
子どもと1対1でずっと向き合っているのって孤独なんだな、と気づきました。
僕は仕事柄、定期的に休みがあるということがこの10年ずっとなくて、月の平均休日が1.5日くらいだったんです。
それも、仕事がないときが休みになるだけなのでいつ休みになるかよくわからないんですよ。
芸人活動が紆余曲折あるので、仕事の大小は変わっても、地方の営業に行かせてもらったり、なにかしらずっと仕事をしてきました。
これが芸人の仕事の仕方だと思ってずっとやってきたんです。
でもそれが原因で、彼女が孤独を抱えてしまったと。
僕がいないことによって起こっているので、それは社会のサポート体制とか、子どもを託児所に預けるとかで解決できる問題ではないですよね。
そこでマネージャーに電話しました。
「ワーク・ライフバランスを整えたい」と(笑)。
もうとにかく半年先まで週に一回は必ず休みを入れるようスケジュールを押さえました。そうしたら彼女は本当にほっとしたみたいです。
これまで彼女も頑張ってきたし、僕も仕事を頑張ってきた。
お互いに頑張っているし、間違ったことをしているわけではないから、これ以上何を頑張ればいいんだろうって思っちゃうところだけど、小室さんは「頑張ることをやめるんだ」と言っている。
「そうすれば問題が解決するんだよ」って。
これって結構すごいことを言っているなと思いました。
中田さんに熱く語っていただきました!
「夫として全うしていると思っていた」と語る中田さん。
でもそこには「家庭での孤独」という問題がありました。
ママスタのスタッフ(働くママ)も自分がまさに萌さんが感じていたのと同じ状況だったらしく、話を聞きながら思わず涙が……
「夫の長時間労働」をなくすことでママたちの負担を含めて、たくさんの社会問題が解決する、という小室さんの主張をもっとパパたちにも知ってほしいですね!
次回をお楽しみに!
取材、文・上原かほり 撮影・chiai