おかもとまり:第8回 いつも心の中に持っていたのは、「これが自分の家庭」という気持ちです
全8回にわたりお届けしてきたおかもとまりさんのインタビューコラムも今回が最終回です。
作曲家・naoさんとの結婚と同時に6歳の男の子のママになり、その後次男の妊娠・出産を経て、現在は男の子二人のママとして育児に奮闘される毎日です。2017年7月にはコラムサイト「minto.」を開設し、起業家としても活躍されています。インタビュー最終回は、多忙な生活を支えてくれる存在の旦那さまのお話や、おかもとさんの教育方法について伺っていきます。
おかもとさんにとって、旦那さんはどんな存在ですか?
おかしいと思われるかもしれないんですけど、私にとって旦那さんは、親友と母親を足した感じの存在なんです。この前、間違えて旦那さんのことを「ねぇ、ママ」と呼んじゃったんですよ(笑)。あまりにも優しいので、旦那さんからは母性が出ていると感じます。だからなのかな? 海外に行くと、よく女性に間違われています(笑)。
夫婦円満の秘訣ってなんだと思いますか?
うちの夫婦で言えば、一番は旦那さんの優しさですね。私も旦那さんを褒めることを常に意識しています。
「これをやっておいてね」と家事をお願いして、それができていたら「すごいじゃん! ありがとう。助かるよ」とめちゃくちゃ褒めるようにしています。そうすると、「そうなんだよ。できるようになったよ!」と嬉しそうに報告してくれます。これは円満の秘訣というか、旦那さんをうまく転がす方法ですね(笑)。
旦那さんのどんなところが好きですか?
突拍子もないことばかりする私のことを理解してくれる包容力です。
私は思いついたらすぐに行動したい性格なので、会社を作るときも、「すぐ作りたい!」と思ったんです。でも作り方がわからなくて(笑)。旦那さんは会社を作ったことがあるので、教えてくれました。私のやること一つ一つに理解を示してくれますね。
育児に関しても、いろいろとやってくれますか?
やってくれます。オムツ替えは、「あ、オムツがパンパンだね。よし! パパに替えてもらおうね」と言ってやってもらいます(笑)。
拒否することはないんですけど、「はい。わかった」と言っておいて、やらないことはありますね。そういうときは「なんでやってないの? はい、やりましょうね」と言ってお願いします。
お話を聞いていると、とても優しい旦那さんですが、お子さんたちに怒ることはありますか?
私が「ちゃんと子どもたちに伝えてね」とお願いすることもあるんですけど、怒るというより「言う」という感じですね。どんなときも穏やかなんです。
お子さんたちに対して、叱り方、褒め方で意識していることはどんなことですか?
私は、「叱らない育児」をしようと思っているんです。本気で叱るのは、思春期になって本当に悪いことをしたときにしようと決めています。
今は、「部屋を散らかしたら片付けよう」、「動画を見る時間を決める」、「食事を残したらお菓子はダメだよ」とか、それくらいです。
今度お子さまたちをどのように伸ばしていきたいと思っていますか?
好きなことを伸ばせるような環境を作ってあげたいなと思っています。出産した頃は、「良い幼稚園に行かせてあげたい」とか思ったりしたんですけど、そういうことではないなと最近思ってきました。
人としてちゃんとしている子であればいいなと思っているので、挨拶ができること「ありがとう」と言えること、そういうことを大事にしていきたいです。
お子さんたちが、将来芸能界を目指したいと言ったらどうしますか?
もし芸能界に入りたいという夢を持ったなら応援したいとは思うんですが、できれば違う道に進んでもらいたいです……。長男は作曲家のパパの真似をして、ピアノを始めました。すごく上手なんです。作曲家になりたいと言っていますね。
将来のことはまだピンとこないんですが、勉強はできなくてもいいので、優しい人になってもらいたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
ママになって思ったのは、他の家庭がすごく良く見えたり羨ましくなったりするときがあっても、家庭はそれぞれ違うのが当たり前だから、他人と比べる必要はないということです。
私たち家族は、夫の連れ子がいるステップファミリーです。私はいきなり、6歳の長男のママになりました。0歳から見てるわけではないからいろんな不安もあったけど、いつも心の中に持っていたのは、「これが自分の家庭」という気持ちです。その強い思いがあれば、他人と比べて気持ちが落ち込むこともないんです。自分の経験から、「他人と比べなくていいんだよ」ということを伝えたいなと思います。
私のブログには、ステップファミリーの方からの相談がたくさん来ます。「どうやって、子どもと仲良くなりましたか?」とか、「いつも笑顔で羨ましいです」というコメントもいただくんですけど、笑顔じゃないときは載せてないだけなんですよ(笑)。
みんな悩んでいることは一緒です。でも悩んでばかりいても仕方ないし、前に進まないといけないですよね。どんなママたちも、悩まずに楽しく過ごせるようになったらいいなと思います。
ママとして、起業家として、おかもとさんの今後のご活躍を応援しています。
おかもとまりさん、ありがとうございました。
取材、文・上原かほり 撮影:chiai