生まれたときから敏感で繊細なわが子、幼稚園生活で困りごとが増えてきた。親ができるサポートは?
子どもが抱える困りごとは、子ども自身が周囲の大人にうまく伝えられず、適切な対処ができないこともあるでしょう。見過ごしてしまうと、子どもの心に暗い影を落としてしまいかねないので、大人としては注意深く見守る必要があるのですが……。
今回ママスタコミュニティに寄せられたのは、困りごとが多いわが子に、親ができることは何かを考えさせられるようなお悩みでした。
『3歳になる息子は、生まれた頃からとても敏感で神経質な傾向があります。言動や運動の発達は順調ですが、「あれ?」と思うことが多く、もしかしたら「HSC」ではないかと思いはじめました。幼稚園生活でも困りごとが増え、どのように対応すればいいか悩んでいます。手はかかりますが、優しくて感情表現豊かな子です。どうしたらこの子らしく生きていけるよう手助けしてあげられるのでしょうか』
生後まもなくから日常生活で起こるさまざまなことに、敏感に反応してしまう3歳のわが子。もしかして「HSC」ではないかと考えた投稿者さんは、なにかしてやれることはないかと一生懸命考えているようですね。投稿者さんの言う「HSC」とは、Highly Sensitive Child(ハイリーセンシティブチャイルド)の略。生まれつき敏感で周りからの刺激を過度に受けやすい子どものことを指します。HSCは医学用語ではなく、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。もしかしたら見聞きしたことのあるママもいるかもしれませんね。
では、生まれつき敏感な感覚をもつ子どもたちに、親はなにができるのでしょう。
敏感で神経質なわが子の困りごと
投稿者さんのお子さんの困りごとについて、もう少し見てみましょう。
『・0~1歳代はとにかくよく泣いた
・慣れない服や帽子を嫌がる
・臭いに敏感で、自分のオムツの臭いや入浴剤の臭いでも吐く
・臭いのせいでトイレをイヤだと拒否するため、3歳になる今もオムツが取れない
・「お友だちがたくさんいると怖い」と幼稚園を拒否』
投稿者さんから寄せられたお子さんの日常的な困りごとの数々。お子さんも投稿者さんも相当疲弊しているであろうことが想像できます。お子さんも、イヤなことを敏感に感じ取るものの、原因がわからなかったり逃げ方がわからなかったりなどで、ストレスを抱えているかもしれませんね。
またこれらの困りごとに加え、今は幼稚園への行き渋りにも悩まされているそうです。登園すると「ママ、お仕事行かないで!」と叫びパニック状態になるのだとか。
園の先生方は「いずれ慣れますよ」と寛容に振るまってくれているそうですが、入園してから、とくに変化はないのだそう。いくら「慣れますよ」「大丈夫ですよ」と言われても、ママは気が気ではないですよね。
繊細なわが子、どこまで頑張らせればいい?
繊細なわが子にどこまで頑張らせればいいのか頭を悩ませる投稿者さん。「ムリをさせすぎているのでは」「子どものペースにあわせてあげないといけない?」と悩み、休ませると甘やかしすぎなのか、もっと頑張らせるべきかと悩むわけです。このような投稿者さんの悩みに対し寄せられたママたちの声を見てみましょう。
頑張らなくていいよ
『まだ3歳でしょ、ムリに頑張らせる必要なんかないと思う。幼稚園なんかイヤなら行かなくたっていいくらいだと思うよ』
ワガママではなく本当にムリなようであれば、頑張らせる必要もないのではと言った声。まだ3歳児ですから、あまりムリをしすぎて心身ともに疲弊してしまうとかわいそうですよね。おそらく同世代の子どもの何倍も多くの刺激を浴び続けているのでしょうから、上手に休息を入れながら日常を送ることも悪くないかもしれません。
専門家に相談することも視野に入れる
『一度きちんと病院で検査を受けられたほうが、投稿者さんも安心できるかもしれませんよ』
『お子さんを助けてあげるためにも、一度お医者さんに診断してもらったほうがいいかも。それで、これからどう接したらいいかとか、お子さんにあったやり方を模索したほうがいいと思うな』
「HSC」という言葉を知ったことをきっかけに、専門家に相談することも視野に入れてみませんか? 受診先がわからない場合は、幼稚園の先生やかかりつけ医など、話しやすい人に相談してみてもいいかもしれません。まわりの手を借りることで、困りごとに対する対応策や対処法がわかる可能性もあります。そうなれば、お子さんの生活のクオリティも格段にアップするのではないでしょうか。
「敏感で繊細な子だから!」と思い込みすぎない
『もしかしたら、投稿者さんも考えすぎちゃうタイプな気がするなあ。あまり「HSCだから」とかは考えず、今はとにかく、目の前のお子さんをしっかり見て、そのときどきに柔軟に対応することが大事だと思うよ』
わが子がかわいい、愛しているからこそ、気になるし考えすぎてしまう。しかし、特性や特徴といった言葉に囚われて、お子さんからのさまざまなサインを見逃してしまうことは避けたいものです。
筆者自身も筆者の子どもも同じ「困りごと」があります。しかし親子でも、困りごとの度合いはまったく異なります。同じ繊細さんでも個人差は大きいのでしょう。ですから、「HSCだから」と思い込みすぎず、わが子をしっかり観察し、わが子にあった対応やサポートをしてあげることが重要ではないでしょうか。
ひとりで悩まないで
『年少になるうちの子。朝は泣いても、その後泣かないで頑張れているなら基本幼稚園には行かせる。その分、家では甘えさせたり子どもとの時間をしっかりとるように心がけたりする。お迎えに行ったら、「頑張ったね~」としっかりと褒めてあげる。園であったことを聞いてあげながら子どもの様子を観察する。あと大事なことは、先生と連携をしっかり取ること、頑張って!』
敏感で繊細で、日々の生活に困りごとをたくさん抱えているわが子。甘やかしていいのか、頑張らせすぎていいのかと悩む投稿者さんの気持ちは、共感できるママも多いかもしれません。筆者も同じ悩みを延々と抱えて生きてきました。だからこそ言いたいのは、ママひとりで悩まないでほしいということです。
今回の場合は、医療機関などの専門家とつながりサポートを受ける、幼稚園の先生と連携して対処法や対策を一緒に考えるなどがママたちからの提案です。ママひとりで抱え込める問題ではないので、周囲に積極的に助けを求めながら、わが子の生活をサポートしていきましょう!
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko
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