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<かわいそうという言葉>【後編】実はママの心の中にもある「この子がかわいそう」に気付くときとは

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前回からの続き。「母乳じゃなくてかわいそう」、「早くから保育園に入れられてかわいそう」など、子育て中は周りから何かと「かわいそう」と言われがちです。ママたちからは「自分がかわいそうと言われるのはスルーできるけど、わが子がかわいそうと言われるとスルーできない」、「子どもにかわいそうなことを強要しているママと言われているようでしんどい」と本音が語られました。

ただママたちも相手が善意で言っていたり、深い意味はなかったりする場合が多いのも理解しているのです。実際ママたち自身も「子どもがかわいそう」と思ってしまうことがあるようで……。

【今回の座談会メンバーはこちら】

田辺さん:中学生の長男、小学校中学年の次男、低学年の長女の3人きょうだいのママ。初めての中学校生活に親子でドキドキ。

石井さん:小学校中学年の女の子のママ。遠方に住む義母とはたまに会うだけだが、会ったときの圧がすごくて押され気味。

遠野さん:小学校低学年の女の子のママ。娘が幼稚園年中のときに都内から地方へ移住。夫婦ともに実家は近いが、それゆえにいろいろと言われることも……。

「かわいそう」は便利で無責任な言葉?

遠野さん:相手が何気なく「かわいそう」と言ってるってことを痛感した出来事が先日あって……。子ども会役員として書類を出しに申請場所に行ったら、違う町会からも書類を出しにきてるママたちがいっぱい。なかに、まだ生後数カ月であろう赤ちゃんを抱えたお母さんが書類持って申請に来ていて。こんな小さいお子さんいるのに書類の担当にさせられて、しかもこんな大人がたくさんいて、しんどいだろうし大変だなと思って。荷物を移動させるが大変そうだったのでちょっと手伝いながら、つい「こんなちっちゃい子なのに、人がいっぱいいてうるさいし暑いし、かわいそうに」って言っちゃった。

田辺さん:ニュアンス次第ですよね。

遠野さん:あ、やば。何気なく言っちゃったけど、言われた方は「(生後数か月の赤ちゃんを)連れてきてかわいそうだと思われてる」って思っちゃったかなって、その後ずっとソワソワしちゃった。心の中で「ごめんなさい」って……。

石井さん:難しい。遠野さんの気持ちを知ってると、確かにかわいそうだねって分かるけど。

遠野さん:やっぱり言う側の何気なさとか、ぱっと出る言葉として「かわいそう」っていうのがあるんだなって。自分が言われてしんどかったくせにね。無意識でも自分からスッと「かわいそう」が出てきた怖さっていうか。

田辺さん:実際「かわいそう」って言葉、便利ですよ。

石井さん:なんか「かわいそう」って言っちゃえば、“自分はすごくいい人”みたいな。

田辺さん:そうそう。

石井さん:でも、ちょっと無責任な言葉でもあるなと思いますよね。

田辺さん:心配を投げっぱなしだもんね。

遠野さん:いや~、怖いなぁ。言う方は何も考えてないのに。

石井さん:「かわいそう」って言ってる自分と、「かわいそう」って言われて傷ついた経験のある自分とが、なんかすごく矛盾するけど。だから「かわいそう」と思っても口には出さないように気を付けてます。

「かわいそう」は優しいようで難しい言葉

「かわいそう」は善意から出る言葉でもあるけれど、その「かわいそう」な状況から脱するためのアドバイスや言動を伴わないと、ただ心配な部分を指摘しただけの無責任な発言になってしまう……。言われてみると、確かにそんな一面がありますね。

子どもの成長とともに、言われる前に「かわいそう」を回避?

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石井さん:娘が幼稚園の頃、同じバス停に同い年の女の子が4人いたんです。そのなかで「何か習い事を始めたら絶対に言わなきゃいけない」みたいな暗黙のルールがあって。

田辺さん:何それ、しんどい。

石井さん:その仲間内で「夏休み暇だから英語教室行かせない?」って話が出て。うちはどうしようかな~と思ってたら、もうわが家以外みんな行くことになっていて。

遠野さん:うわ、きつい状態。

石井さん:当時、私はそこしか知り合いがいなかったから断る選択肢がなくて……。それに1人だけ行かなかったら娘がかわいそうと思っちゃったんです。

田辺さん:それは確かに。「行かなかったら娘が仲間外れになっちゃうかな、かわいそうかな」って思っちゃう。

遠野さん:うちは娘が年中まで都内にいたんだけど、仲が良かった子たちはその後ほぼ全員小学校受験してて。結局、落ちて公立小学校に行った子もいたけど、もしうちが引っ越さずにうちだけ受験もせずに公立行ってたら、私もわが子を「かわいそう」って思ったかもしれないし、周りからも「受験させてもらえなくてかわいそう」と思われたのかなって……。なんか今の話聞いていて、ちょっと思ってしまった。

田辺さん:「わが子が周りと違ったらかわいそう」って思っちゃう。

遠野さん:子どもが小さい頃は「かわいそう」って言われると自分が傷ついていたんだけど、少し子どもが大きくなってくると「かわいそう」を回避するとか、「かわいそう」から子どもを守るために、親が何かと気を揉んでる気がする

石井さん:そうそう、習い事とかやらないよりはやった方がいいんだろうけど、結局なんか親のそういう……「かわいそう“かも”」という感情が入ってやらせている面がある気がしますね。

周りと比較してママ自身が「かわいそう」と思うように

子どもが成長してくると、子ども同士、ママ同士で人間関係が広がっていきます。そんななか“よその子と比べて”わが子はかわいそうかどうか気になってくるのは仕方ないのかもしれません。でも「かわいそう」を回避するために周りに振り回されるのも疲れますよね。

進路や経験……親が支えないと「かわいそう」

遠野さん:私が高校受験するとき、クラスにメチャクチャ頭のいい男の子がいたの。その子は超名門の私立高校を受験して受かったんだけど、親に「あなたの下には、まだ2人きょうだいがいるから申し訳ないけど私立には行かせられない」って言われて。結局、彼は県立のトップ高に行ったんだけど、それ聞いたときに私は「きょうだいが、たくさんいる家はかわいそう」って思っちゃって。その思い出が強烈すぎて、今でもやっぱり子どもの数が多くて進学とか受験とか諦めてるのを見ると「かわいそう」って思っちゃう。道が閉ざされたっていうか……。

田辺さん:やっぱり産んだ後のことは考えなきゃ。うちも子どもは3人。ギリなんです、本当にもう。

遠野さん:諦めさせた親のつらさも、今は分かる。でも経済面を考えずに子どもを産んじゃうと「子どもがかわいそう」って思っちゃう。相手からしたら「余計なお世話」だよね、きっと。自分だって子育てでいろいろ言われて傷ついてるはずなのに「かわいそう」が出てしまうし、そう考えてしまう自分も恥ずかしいし、うん。

田辺さん:うちは長男が中1なんですけど、友達から塾に誘われてて。ただすごくハイレベルな塾で料金も高いんですよ。土日もがっちり指導されるし、お正月とか合宿したりして大変そう。それでも本人が本当に勉強をがんばりたいならアリかなとは思うんですけど……。

遠野さん:「勉強ばかりでかわいそう」とは思わない?

田辺さん:本人の希望で行きだしたなら、別にそれをかわいそうとは思わない。ただ夏期講習代とかを親が出せなくて行かせられなかったら「かわいそう」と思うかも。きっと、すごい金額ですよね……。

遠野さん:そうだね……「〇〇させてないのはかわいそう」とか思ってしまうよね。受験とか習い事とか。

石井さん:中学生くらいになると進路とかが絡んでくるしね……。本人の気持ちとか意思とか、しっかりあるだろうし。

遠野さん:経験させてあげる、将来の方向性を見つけてあげるとなるとお金がかかる。

石井さん:親は「子どもにかわいそうな思いをさせたくない」って気持ちがある。その「かわいそう」を回避するためにお金がかかる。

田辺さん:お金で解決できるんだったら、いくらでも働くよ!(笑)。

石井さん:世知辛いなぁ!

石井さん:自分が「この子がかわいそうな思いするんじゃないか」と想像して、わが子が周りに「かわいそう」と言われることからの回避と、本人が「自分はかわいそう」と思うことからの回避と……。

田辺さん:キリないな~、これ。成長してからもいろいろありますね。
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成長したらしたで、新たな「かわいそう」が生まれる?

お喋りできなかった赤ちゃんの頃とは違い、成長すれば本人の意思や希望がはっきりしてきます。その希望を親が叶えてあげられないのはかわいそう……そう思ってしまうのは自然なことですよね。ただ経済面など、親の気持ちだけではどうにもならない部分もあります。ママたちの悩みは、まだまだ尽きません。

「かわいそう」に縛られないで

周りから言われる「かわいそう」と、自分の中にある「かわいそう」……。お喋りしていくうちに、いろいろな「かわいそう」があることに気付いたママたち。
ほとんどの「かわいそう」に悪意がないのは分かっているけれど、「自分のせいで、わが子がかわいそうな思いをしているのではないか(もしくは、これからさせるのではないか)」と考えてしまいがち。ゆえに言われたことを忘れられなかったり「かわいそう」を回避するための行動を取ってしまったりするようです。

でもあまりにも「かわいそう」に縛られてしまうと、それこそママが「かわいそう」。子どもはいつだって笑顔のママが大好きです。ときには「わが家はこれでいい!」「わが子はかわいそうじゃない!」と開き直って「かわいそう」を振り切ってしまうのも大切なのではないでしょうか。「かわいそう」で悩んでしまうのは愛情深いからこそ。どうか自信をもって子育てを楽しんでくださいね。

インタビュー、文・千永美 編集・ここのえ イラスト・Ponko

【つぎ】の記事:<親友との約束>知らなかった一面!おとなしい性格の息子がクラスのムードメーカー?【第1話まんが】【前編】

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