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<新入学前の不安>わが子は学童保育へ入れるの?事前見学の効果は【発達障害は個性なの?】

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「発達障害は個性なの?」答えはYesでもありNoでもあり、どちらでもない可能性があります。困りごとを抱えているのであれば「個性」という言葉では片付けられないし、困っていないのであれば「個性」なのかもしれません。

この記事では発達障害の子育てをするなかで見えてきた、さまざまな悩みや問題・対処法などについて紹介していきます。今回のテーマは「新入学を控えたわが子が学童保育(以下・学童)へ入るまで」についてです。

うちの子は学童が利用できるの?

わが子は小学校入学前の時点では、発達障害であるという正式な診断は出ていませんでした。当時のかかりつけクリニックの先生が小児神経学を得意とされていて、おそらく発達障害であろうという見立てをしていただいているだけの状態だったのです。

そのような状況のなか湧き上がった不安。それは小学校入学後、わが子が学童を利用できるかどうかについてでした。

学童が利用できるかがわからなくて不安

小学校入学準備をしていた2009年頃、筆者はまだ発達障害というものに対する知識があまりありませんでした。わが子は日常生活や集団生活のなかで困りごとはあるものの、誰かの手を借りないと何もできないわけでもなく「なんとかなるだろう」と楽観的に考えていたのかもしれません。

その一方で発達障害であろうとかかりつけ医にいわれている状況で、他の子たちと同じように問題なく学童が利用できるのかが分からず、ひたすら不安も抱えていました。

相談できる人が誰もいない……

就学準備をしている当時、筆者はママ友も知り合いもほとんどいない状態だったため、わが子の発達障害について相談できる人が誰もいませんでした。役所などに相談したらよかったのかもしれません。そのときは公的な福祉窓口が発達障害に対応しているのかどうかすら分からなかったのです。

しかも当時のかかりつけ医からは小学校は普通級で問題ないと言われていたので、福祉とつながることなど筆者の頭にはまったく浮かびませんでした。

学童の懇談会で感じた新たな不安

一刻も早く学童が利用できるかどうかを知りたいと考えた筆者は、思い切って通う予定の小学校へ問い合わせることにしたのです。小学校に問い合わせたことにより、学童へとつながることになりました。そこで、わが子が発達障害であること特性や困りごとを抱えていることなどを伝え、学童が利用できるかどうかを確認しました。学童のスタッフの方によると、わが子のような特性をもつ子どもたちは少なからず在籍しているとのこと。聞くと診断書などの書類の提出などもとくになく、個別の面談などもないとのことでした。このあたりは学童によって異なるかもしれません。

そして提案されたのは、新年度から新たに学童を利用することになる児童の保護者や、新1年生の保護者対象の懇談会への参加だったのです。

懇談会にはわが子も同席。事前に場所を見せられたのはよかった

学童の懇談会というだけあり、開催されたのは平日の夜。学童が終わってからの時間帯でした。筆者は当時ほぼワンオペ育児だったので、わが子を預けるところもなく、仕方なく懇談会へ一緒に連れていくこととなりました。

しかし今考えてみると、これは結果オーライだったような気がします。なぜなら事前に学童がどのような場所かを、わが子に直接見せられたからです。このときに学童にわが子を連れて行っておいたおかげで、入室後に知らない場所にいきなり放り出されるといったことがなくなったので、不安やパニックなどのトラブルが回避できていたように思えます。

誰でも構わず話しかけ、周囲は困惑気味……

連れて行ったことが結果オーライだったとはいえ、実際は大変です。他の保護者の方が子どもたちの自己紹介をしている間も、わが子は一向にじっとしていません。

筆者がいくら止めても隙あらば学童のスタッフさんや、参加している保護者の方に喋りかけてしまうわが子。喋りだしたら延々と喋り続けるので、その場にいた大人はみんな困り顔だったことを今でもはっきりと覚えています。

わが子の発達障害についてどこまで話す?

このとき筆者はうっかりしていて、事前に自己紹介でわが子について、どこまで話すかをまったく考えていませんでした。自分の番が回ってくる間に考えようと思っても、わが子の自由奔放な行動を抑えることに必死で考える余裕もない状況。結局、話す内容の線引もできないまま自己紹介の順番がきてしまったのです。

テンパってしまった筆者が第一声に口にした言葉は「うちの子は発達障害があります」でした。その瞬間、参加している保護者の皆さんの顔色が一斉に変化し、どよめくような空気になりました。「障害」というキーワードにみなさん反応したのかもしれませんね。

もっと言い方があったのかもしれないと考えるものの、後の祭り。どうすることもできず今後予想されるトラブルや問題について、また集団行動が苦手なことなどを説明できる限り話し続けました。そして、ご迷惑をおかけするかもしれないので些細なことでも、すぐ連絡をくださいといったお願いをして話を終えたのです。

言葉だけで伝えることの難しさを痛感

当時はまだ馴染みの薄かった「発達障害」という言葉に、落ち着きなく動き回り喋り続けるわが子の姿。参加している他の保護者さんは驚くばかりだったのではと今になって思います。そして口頭で伝えることの難しさも、今だからこそ分かることのひとつかもしれません。

もし、もう一度やりなおせるなら今度は事前にわが子との関わりあい方を書いて用意したいと考えます。その場で理解できないことでも、あとから文字で読むことで理解してもらえることが増えるかもしれませんし、学童から許可さえおりれば、何かあったときの連絡先も載せられるかもしれませんから。

このときのことを思い返すと、わが子の特性から起こるトラブルに対応していくためには根回しすることの大切さを痛感するばかりです。

学校と学童、連携はどこまで取れている?

懇談会を終え、その後も学童とのやりとりを続けていくなかで、ふと気がついたことは学童と学校の連携についてでした。

学校の教室で過ごす時間と、学童で過ごす時間はやることも中身もまったく異なります。しかし子どもの体調や発達障害の特性からくる不調や起こったトラブルなどは、学校と学童のどちらかだけが把握しておけばよいものではないと筆者は考えたのです。

問題が明確になれば打開策を考えられる

そこで学童の先生とお話しする際、どこまで学校側と連携してもらえるかについて訪ねてみることにしました。

尋ねることにした理由には、何度か学校や学童とやり取りしているなかで、双方に同じ話を何度もしなければならないことが多かったこともあげられます。学童から「先生によっては連携が取りにくい」という話もお聞きしていたので、きちんと明確に確認しておかねばならないと感じていたのです。

このあたりは学校や学童で差があるかとは思います。わが子の通う学校と学童では連携を取る体制があまり整備されていませんでした。しかし分かってしまえば対応策を考えるのみですから、これ以上「連携されているの?」と悩まなくてよいので安心したのです。

基本は関わってくれる方々のやりやすい方法が一番

まずは学童のスタッフの皆さんと、どのような手段を取れば学校との情報共有がしやすいかを相談してみることにしました。筆者がやりやすい方法を提案するよりも、現場で実際のわが子を見てもらい、関わってくれる方々のやりやすい方法を採り入れることがベストだと考えたからです。

結果的には、当時はよい情報共有のやり方は浮かびませんでした。しかし、ここで相談したことで学童のスタッフさんたちが積極的に学校や担任との連携ができないかを考えてくれたので、このやりとりは決してムダではなかったと思っています。

思わぬアクシデントにびっくり!

驚いたのは、担当してくれていた学童の責任者さんのことです。

対応してくれていた学童の責任者さんは発達障害などにも深い理解があり、大変親身にしてくれていました。わが子が通う保育所へわざわざ足を運び、普段の様子の聞き取りをしたり、活動する姿を確認したりなどしてくれていたそうです。「この方々になら安心して子どもを預けられる」そのような思いがあふれそうになるほど感謝していました。

しかし入学式を終え、わが子と一緒に学童へ挨拶に行くと、責任者のスタッフさんやお話をしてきた数人のスタッフさんがいないのです。

聞くと、辞令がおりて他の学童へ転勤されたとのこと。辞令が出るかどうかは4月1日になるまで分からないうえに、慌ただしく移動の準備をしてしまうので、筆者に連絡もできなかったそうです。このようなアクシデントも起こりえますので、早めから動いていても安心せずに、4月1日以降も確認や連絡をとっておくことをオススメします。

諦める気持ちと諦めない気持ちで乗り切ろう

学校と学童、同じ場所にありながら連携が取りにくいケースもあるようです。だからこそ事前に両者の連絡系統を確認しておくことで、自ら対策を練ることもできますよね。もしかすると学校には学校の、学童には学童の、別の伝え方を取り入れたほうがスムーズになる可能性もあるかもしれません。

どこも学童は人手不足だと当時から聞いています。少ない人数で大勢の子どもたちを見てくださっているのですから、学校と学童の連携がうまくいかず、連絡漏れなどがあることもある程度は仕方がないと割り切ることも必要かもしれません。

しかし「諦めつつも諦めず」わが子が安心して学童に通えるよう、学校の先生や学童のスタッフさんにいろいろ提案してみてはいかがでしょう。いろいろなことを提案し試していくことで、みんながスムーズにやり取りできる環境が整うかもしれませんね。

※本記事の内容はあくまで個人の体験に基づいた内容であり、人によっては当てはまらないケースもあります。

櫻宮親子2022

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文・櫻宮ヨウ 編集・ここのえ イラスト・Ponko

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