<裏の顔を持つ子ども>”親の前だけいい子”はどう育つ?共通する原因とは
園や学校などママが知らないところでわが子がどんな様子か、気になりますよね。先生の面談で家とはまったく違う様子を伝えられ、「それって本当にうちの子の話?」と驚くこともありそうです。
親がいるところとそうではないところで、態度や振る舞いが違う子はいるようです。あるママからの質問が、ママスタコミュニティにありました。
”親の前だけいい子”は、親が厳しすぎるのが原因?
『小学2年生ママ友の子ども。親の前ではすごくいい子なのに、見ていないところでは友達に意地悪をします。どんなふうに育てると、そうなってしまうのでしょう?』
ママ友の娘さんは、ふたつの顔を使い分けているようですね。このトピックに対して、「私の周りにもいる!」という報告がたくさん寄せられました。
『娘の習い事で会った子。母親といるときは私に向かい、丁寧に挨拶する。母親は「うちの子、本当にできがよいから」って顔。その後偶然習い事の様子を見たら、先生の目を盗んで娘にツバを吐きかけ笑っていた』
その後も娘さんへの嫌がらせが続いたため、習い事のクラスを変えてもらったといいます。
『娘の友達にいた。学校では威張り散らしているけど、ママの前ではいい子。親は気づいていなかったみたい』
親の前ではいい子なので、わが子に二面性があるとはまったく気づいていないのでしょう。受けた被害を訴えても、「うちの子がまさか」とすぐに信じてはもらえない可能性が大。たちが悪いですね。
集まったコメントのなかには自分のきょうだい、さらに自分自身がそんなタイプだったという告白もありました。
『私の妹。親の前ではいい子にしていたけど、友達をめちゃくちゃいじめていた。うちの親は厳しく、褒めてもらったことはない』
『私がそうだった。親が厳しくて、親のルールに従わないと殴られる。ストレスの反動で友達に暴言を吐いたり、意地悪をしたりした』
こちらのコメントをくれた方は、自身の過ちに気づいたのが小学高学年の頃。逆にいじめられる立場になり、今でも「できるなら当時傷つけた子たちに謝罪したい」と考えているといいます。深い後悔の念を抱えているようです。
家のなかでのストレスを、外で発散させている子どもたち。こうした二面性は、親の厳しいしつけが原因なのでしょうか?
原因は他にも?裏の顔があるのは、実は“かわいそうな子”かも
他にも「こんな育て方がよくないのでは?」と考える声が、次々に挙がります。
『親の高い理想に子どもを当てはめようとしている。いい子じゃなきゃ認めてもらえない』
『親が無条件に愛してくれないんだよ。愛するのは条件つき。「いい子だったら」「言うことを聞いたら」など』
先ほどの「厳しすぎる親」と通じるものがありますね。自分の理想から外れる子は「ダメな子」になってしまうのでしょうか? 子どもは家で必死に頑張る分、外ではわがまま放題になるというわけです。
『両親の不仲とかの、家庭内不和。家で我慢しているから、メンタルが不安定になる』
家のなかでリラックスできないのは、辛そうです。周りにいる子の具体例として「教育熱心な母親の『お兄ちゃんだから』の期待が大きすぎて、辛そうな子がいるよ」「育児放棄しているバツ5の母親。家には新しい彼氏がいる」などのコメントもありました。どうにかして大好きな親に自分を見てほしいと、必死にいい子を演じるのでしょう。その反動がお友達に向かうのはたまったものではありませんが、見方を変えればかわいそうな子たちです……。
『母親が人によって態度を変えるところを見ていると、そうなると思う』
親の真似をしているのではという声もありました。「その親に話したら『やられるほうにも問題があるんじゃない?』と、言われた。この親にしてこの子ありだわ」というコメントも。子どもは親の鏡ですからね。
『コミュニケーション不足。家でじっくり子どもの話を聞く時間があって、おしゃべりできているかで明暗が分かれるのかも。しつけが厳しくても、本当にいい子で礼儀正しい子もいるもの』
投稿者さんが知りたがっている「どんなふうに育てると?」の答えは、ひとつだけではないようです。ただ、その子が大きなストレスを抱えているのは間違いないでしょうね。
いざというときはわが子を冷静に見る余裕を持とう
ところで、ここまで紹介した事例ほど極端ではないにせよ、もしかしてわが子が家では”猫をかぶっている”こともあるのかも……?
『あるママはトラブルがあったとき、「うちの子が先に原因を作っていた」なんて考えもしないようだった。わが子の話がすべて真実と思い込んでいた。自分の育児は完璧だと思っているんだろうな』
もちろんわが子のことは120%信じている。ちょっとふざけたり調子に乗るようなことはあっても、本当に悪いことはしない。親であれば、おそらくそんなふうに考える場合が圧倒的多数でしょう。
『学校から呼び出しがかからない限り、親は悪い話を知らない。ママ友も関係悪化を恐れて、教えてくれない。子どもから「今日は○○がこんな悪いことをしていた」と聞くたび、うちは大丈夫か気になる』
『自分の子どもが言っていることが、すべてではない。都合の悪いことは言わないのは、みんな同じだよね。相手のほうが悪かったにせよ、それでも多少の非がわが子にあったのではないかと、一度冷静になって考えてみる必要はあるよ』
大人もオフィシャルな場と家にいるときでは、多少違う顔があるものです。それは子どもだって同じですよね。園や学校を見学したとき、お友達と一緒にいるときなど、わが子を注意深く見ていれば何か気づくかもしれません。「外ではいい子、家ではワガママ」の場合は大丈夫そうですが、反対のケースの場合はストレスを溜めていないか、確認したほうがよさそうです。そして万が一わが子に何かトラブルがあった場合は、状況を客観的に見る余裕や視点を持ちたいものですね。
文・鈴木麻子 編集・秋澄乃 イラスト・なかやまねこ
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