<同族経営の掟>【前編】「婿入りは嫌だ」娘の婚約者が約束を反故に。そのせいで夫も社長になれない
結婚は人生の大きな転機のひとつでしょう。とても大切なイベントだからこそ、それが原因でもめてしまうこともあるかもしれません。時には周りの人たちを巻き込んで、大事になることも珍しくはないのではないでしょうか。
『曾祖父の代から商売をしてます。私はふたり姉妹の長女で、婿をもらって娘がひとり。妹は嫁に出て息子がふたりいます。父が「そろそろ会社経営から退き、夫か義弟に社長の座を譲りたい」と言ってきました』
ひいおじいさんの代から商売を続けられているお家に生まれた投稿者さん。投稿者さん自身はふたり姉妹の長女であり、「将来的に社長になってくれる男性がいてほしい」という理由から旦那さんにはお婿さんになってもらったようですね。そんな投稿者さんには娘さんがひとり。そして結婚相手のお家に嫁いだ妹さんには息子さんがふたりいるのだそう。現在の会社経営者であるお父さんが「そろそろ社長の座を明け渡したい」と話し出したときに、ある出来事が原因でトラブルが発生した様子ですよ。
本来であれば夫が社長になるはずだったはず。でも……
現在の経営者であるお父さんが「社長の座を明け渡したい」との意思を表明したならば、本来の流れで考えるのであれば次期社長は投稿者さんの旦那さんになるべきでしょう。しかしここで思わぬトラブルに見舞われてしまったようです。
『本来であれば悩むことなく夫が社長になる予定でした。しかし娘の婚約者が「婿に入るのは嫌だ」と言い出し状況が変わりました。わが家では「名前を継いでくれる人が会社を継ぐべき」という考えで、娘が嫁に出るとうちの名前を継ぐ人がいなくなります。すると妹夫婦がうちの名前を継ぐと言い出しました。妹の息子たちも賛成しています。父は「それならば社長の座は義弟に」と言い出し、もめています』
投稿者さんには娘さんがひとり。会社の未来のことを考え、将来の社長候補として娘さんの結婚相手には婿入りしてもらうという計画だったようですね。しかしここにきて娘さんの婚約者が「婿には入りたくない」と主張し始めたのだそう。これによって「息子がいる義弟が社長になるほうがいい」との話の流れになり、旦那さんが社長になるという話が立ち消えてしまいそうなのだとか……。
『夫は「自分が社長になるはずなのに!」と主張していて、娘の婚約者に「どうか婿に来てくれないか」と何度も言っています。娘の婚約者は「婿に入ることが格好悪い、男として恥ずかしいからどうしても嫌」と言い出しました。「婿に入らずに実力で社長まで登り詰めます!」と高らかに宣言しているんだけど、うちは同族経営で実力云々は二の次なんです。娘の婚約者がそこまで嫌がるとは思いませんでした』
投稿者さん夫婦は説得を重ねますが、「婿なんてかっこ悪い」「自分は婿に入らずに社長になって見せる」と主張する婚約者とは話が平行線を辿っているようです。婚約者の頑なな態度には投稿者さんも困惑している様子を隠せません。自分たちが描いていたシナリオが意外なタイミングで崩れてしまっては当然かもしれませんね。
婿入りの話は事前にしていたはずなのに……
婚約者の頑固な主張に戸惑いを覚えたママスタコミュニティのママたちは、投稿者さんに「婚約者にきちんと話をしたの?」との疑問を投げかけました。
『「同族経営だから婿に入ってもらわなければそのチャンスさえない」ということを、はっきり伝えたほうがよさそうだね』
『婚約の時点で娘さんの婚約者に「婿に入るのが条件だ」と伝えてなかったの?』
「婿入りなんてかっこ悪い」との強い拒否の姿勢から、「ひょっとして事前には婿入りの話を伝えていなかったのでは?」と考えてしまうのは無理もないでしょう。しかし将来の社長の座としての婿入りとなるととても重要な話です。当然のことながら婚約者に対しては娘さんからも、投稿者さん夫妻からも何度もしていたようですよ。
『しつこいくらいに話しました。付き合う時点で娘からも「もし将来的に自分と結婚することになったら婿に来てもらうことになる」と言っていました。両家で顔を会わせたときも「婿に入る」と宣言していました。だけど最近急に「婿は嫌だ」と。「ここまで大事になるとは思っていなかった」とか、「婿に入るか嫁に来てもらうかはそこまで重要なこととして考えてなかった」と言い出しました。娘の婚約者が急に嫌がるとは思っていなかったので困惑しています』
「もし結婚することになったらお婿さんになってほしい」という話は婚約前からしており、しかも両家顔合わせでの席でも約束をしたにもかかわらず、急に「やっぱり嫌だ」と拒否を始めたのだそう。ひょっとしたら何か突然の心変わりがあったのでしょうか。しかしこれでは投稿者さん家族は困惑してしまいますよね。
会社の将来のことを考えて、娘さんの婚約者には婿入りを承諾してもらって順風満帆に事が進んでいたかのように思えていた投稿者さん夫妻。しかし婚約者の「やっぱり嫌だ」のひと言で突然風向きが変わってしまっては驚くのももっともでしょう。
文・motte 編集・荻野実紀子 イラスト・わたなべこ
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- 嫁に行くか、婿をもらうか。※長文。