JOY×わたなべ麻衣:第1回「奥さんであり親友。地球上の誰といるときよりも自分らしくいられる」
結婚して3年。一度も言い争いやけんかをしたことがないというオシドリ夫婦のタレントJOYさんと、同じくタレントでモデルのわたなべ麻衣さん夫妻。二人の出会いから奇跡の結婚、出産、娘さんを含めた家族観に至るまで、包み隠さず話してくれました。インタビュー全8回にわたり、二人の考え方や夫婦としての在り方についてお聞きしていきます。初回は、出会いから恋愛に至るまでを伺いました。
「俺、この人と何かある!」そう思ったのは自分一人だけ?
――お二人は、いつどんなところで出会ったのでしょうか?
JOYさん(以下、敬称略):3年前、番組で共演したのがきっかけです。その番組は、Instagramがダサい芸能人を呼んで、おしゃれな投稿に変えていくという内容だったんですね。そこで呼ばれたのが僕で、おしゃれなインスタに変える講師として呼ばれたのが、麻衣ちゃんだったんです。
わたなべ麻衣:ちょうどその頃、インスタ人気がすごく盛り上がっていた時期で、私に「インスタの女神」というキャッチフレーズがついていたんですよ。それで私がスタジオに呼ばれて、JOYくんにいろいろ教えるという企画でした。
JOY:麻衣ちゃんは、俺にとっての女神ですよ! 麻衣ちゃんが楽屋に挨拶にきてくれて、ドアが開いた瞬間、本当にドラマのようなキラキラとした輝きがあったんですよ。それを見た瞬間「かわいい! この人だ」と思ったんです。それで「俺、この人と何かある!」と思ったんですよ。麻衣ちゃんもそのとき同じ気持ちだったんだよね?
わたなべ麻衣:いや、私はまったく思わなかった(笑)です!
JOY:僕が麻衣ちゃんに「インスタの投稿をおしゃれにしたいから、もっと教えてもらえませんか」と、半ば強引にお願いしたんですね。
わたなべ麻衣:JOYくんは芸能界の先輩だし、断るのは失礼だと思ったから「わかりました」といってLINEの交換をしたんですよ。それが彼と仲良くなったきっかけです。
「かっこつけなくていい関係」が心地いい
――お二人がまだ出会って3年というのを聞いてびっくりしました。息がぴったりだから、10年くらい一緒にいるのかと思いました!
わたなべ麻衣:本当ですか? いや、まだ3年なんですよ。
JOY:たぶん、麻衣ちゃんとは前世で一緒だったと思うんですよね。それくらい合う。僕にとっては麻衣ちゃんというのは、奥さんであり、親友でもあるんですよね。地球上のだれといるときよりも自分らしくいられるというか。
わたなべ麻衣:JOYくんと一緒にいるとがんばりすぎなくていいんですよね。よく見せようと思わなくてもいいんです。その状態が心地よかったんです。
JOY:もめる前に解決できるし、思ったことが言えるし、本当に表に見えないレベルで通じ合っているんだろうなと思っていて。言葉で表現するのが難しいんですけどね(笑)。
あいつ、俺のことを好きだぞ。脈ありに違いない!?
――そんなに麻衣さんのことを大事に思ってくれているJOYさんですが、最初、麻衣さんはJOYさんからの‟押し“を断っていたんですよね?
わたなべ麻衣:そうですね(笑)。
JOY:初めて会った日、楽屋に戻ってからマネージャーに「あいつ、俺のことを好きだぞ。脈ありに違いない」と言ったんですよ。もう自信満々でした!
わたなべ麻衣:彼はそう思ったそうですが、私はまったくそんなこと思ってなくて(笑)。そのあと、JOYくんから「ご飯に行こう」と何度も誘いがきたんですよ。あまりにもしつこいから、「1回行ったら静かにしてくれるかな?」と思って、友達を誘って食事にいったんですよ(笑)。
JOY:そんな感じかよ(笑)。俺は二人で行きたかったんですけど、麻衣ちゃんが「じゃあ、友達を誘っておくね」といって「友達」というのを前面に出してきたんです。それで俺も「じゃあ、友達を誘うね」といって4人で行くことになったんです。
わたなべ麻衣:私は1回食事に行ったから「よし、これでしつこくしてこないだろう!」と思っていたら、そのあともすごくしつこく連絡をしてきたんですよ(笑)。
奇跡のすれ違いから始まった、二人の奇妙な関係
――なぜJOYさんは麻衣さんが自分のことを好きだと思ったんですか?
JOY:一緒にご飯を食べに行ったときにすごく楽しそうに話しているし、LINEの返信もそんなに多くはないけど、楽しんでいる感じが伝わってきたんですよ。とくに、ビーバーのスタンプをめっちゃたくさん送ってきたんですよ。普通、ビーバーのスタンプは使わないですよね。わざわざ俺のためにビーバーのスタンプを探してくれたんだと思ったら、すごくうれしくて。
わたなべ麻衣:当時、ビーバーのスタンプをよく使っていたんですよ(笑)。
JOY:え!? 誰にでもあのビーバーのスタンプを送ってたの? 俺のためだけにビーバーのスタンプを送ってくれてたと思ってたのに! うわ、チャラい!
――ビーバーのスタンプとJOYさん、なにか共通点があるんですか?
JOY:僕が気に入っている『ゾンビーバー』という映画があったんですよ。その話を麻衣ちゃんに話すときに「俺は、北関東のジャスティンビーバーだ」と冗談で言っていたんですよ、出身が群馬だからね。
わたなべ麻衣:そうそう。それがきっかけでスタンプを送ったんですけどね。
――でも、普通好きな人にはビーバーのスタンプは使わないですよね(笑)。
わたなべ麻衣:そうですよね! ハートを送っているんだったらわかるけど、ビーバーのスタンプで勝手に勘違いされても(笑)。JOYくんは感覚がずれているんですよ!
JOY:ハートなんか使われても、女子はだれにでも送るじゃん! でも、ビーバーのスタンプは使わないでしょ? 裏の裏のそのまた裏まで読んで、「麻衣ちゃんは、僕の話を聞いてわざわざビーバーのスタンプを使ってくれている。ということは、僕のことが好きなんだな」と理解していたんですよ(笑)。
「歯が折れた状態でも会いにきたいと思うほど好かれている」ではなかった!?
わたなべ麻衣:びっくりするくらい奇跡のすれ違いが起きていたんですよ。このあと、私が転んじゃって顔面を打って、前歯を折ってしまったことがあったんです。その間、2ヵ月間仕事を休まなくちゃいけなくて、2カ月間暇で暇で仕方がなかったんですよ。
その間もずっとJOYくんから連絡が来ていたんですね。でも彼のことは何とも思っていなかったから「映画に行こう」と誘われたときも、「まあ、JOYくんならいっか」と思ったんです。普通、好きな人だったら「こんな傷だらけの顔では会いたくない!」と思いますよね? それがまったくないから、「暇だし、ラッキー」くらいの感覚で行ったんですよ。
JOY:普通は顔をけがしていたら見られたくないですよね。「こんな状態でも来てくれるなんて、俺のことめっちゃ好きじゃん!」と思ったんですよ(笑)。映画を一緒に見る前から「この子、俺にべた惚れだな! なんだったらちょっと重いくらいだわ」と思ったんですよね!
わたなべ麻衣:私は前歯がないから、話し方もハフハフしているんですよね、おばあちゃんみたいに。普通、女の子だったら恥ずかしいじゃないですか。そういう奇跡の勘違いが重なって今に至ったんですよ(笑)。
(編集後記)
JOYさんの大いなる勘違いから始まった、わたなべ麻衣さんとの関係。見事なまでのすれ違いですが、この後、あることがきっかけで、麻衣さんのJOYさんへの見方が変わっていくことに。次回は、麻衣さんの気持ちが友情から愛情へと変わっていった出来事についてお話しします。お楽しみに!
取材、文・長瀬由利子 編集・荻野実紀子