まんが【後編】92点で怒られた息子。厳しすぎるエリートの夫「お前が甘いからこうなるんだ!」
前回からの続き。思いやりに欠ける夫ですが、いつかは心が通じ合う日が来るのでは……と淡い期待を抱いていました。しかし、そんな私の思いを全て無にするような言葉を、夫の口から聞いてしまうのです。
ある夜、夫は仕事の飲み会で酔ってべろべろになって帰って来ました。私は彼を介抱しながらも小言を言います。
もう夢を見るのはやめよう。 この人はこういう人間。それは変わらないし、変えることもできない。 だったらどうすれば息子の心を守れるか、ひいては息子の未来を守れるか、今はそれだけを考えよう……。 数日後。私は息子とふたりきりになったとき、こう言いました。
私「ごめんなさい、お父さんがいつもあなたを傷つけるようなことばかり言って」
息子「ああ……」
私「お父さんの言っていることは気にしないで」
「このままじゃ壊れてしまう……お父さんはああいう人なんだって、人としての温かさを知らないまま育った可哀想な人なんだ、って、一歩引いた目で見てもらえないかな……あなたが「大人の対応」をするの。私から見れば、あなたのほうが観察眼が鋭くて、思慮深くて、頭も柔らかくて、お父さんよりよっぽど大人に見える。だから……」
すると息子は、クスッと笑いました。
息子「僕のほうが大人、か……わかったよ、母さん。見方をかえてみる。もう父さんの言うことに振り回されるのは、やめにする」
私「ありがとう……辛くなったらいつでも言ってね。私はいつでもあなたの味方だから」
息子が穏やかに微笑んでくれました。
私はこの笑顔を守るために、これからも全面的に息子を肯定し続ける、と心に誓いました。
「ごめんね、ママの遺伝子が半分入っているから、100点が取れないんだよ、きっと」
「100点が取れなくてもいい。母さんが母さんで本当によかった」
さまざまな事情を考慮して、今すぐ離婚! というわけにはいきませんが、息子の心は私が絶対に守ってみせます。彼が思いやりのある優しい大人の男になってくれる日を、心から楽しみにしながら――。
いっぽう夫はというと、定年退職を間近に控え、昔に比べてすっかり人が丸くなりました。
ですが、多感な中高時代に厳しくされた息子は、今でも夫のことを避けています。いつか夫が「昔はすまなかった。お前には期待していたんだ」と言えるときが来たら……。それを息子が許せる日が訪れたなら……。夫と息子で、酒を酌み交わしたりすることもあるでしょう。そんなわかり合える日が来るといいな、と思っています――。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・べるこ 編集・秋澄乃
【つぎ】の記事:【前編】長い不登校期間「寄り添い方」がわからない……。追いつめられていくママのお話