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【コラム:尾木ママの目からウロコの教育論】第7回 尾木ママとして大ブレイク!

今や、その存在を知らない人の方が少ないほど有名人となった尾木ママ。
尾木ママと知られるずっと前から教育評論家としてテレビには出ていたのに、突然「尾木ママ」としてブレイクしたきっかけは?
知られざる、尾木ママ誕生の秘密について語っていただきました。

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ー「尾木ママ」としてブレイクしたのは最近のことですね。そのきっかけはなんだったのでしょうか?

忘れもしないわ。2009年の12月30日に放送された特番『さんま・福澤のホンマでっか!?ニュース』という番組の中で、教育を語る枠に出演したのがきっかけなの。

さんまさんから、「あんた飲み屋のママに似てる」と言われて、「ママ、ママ」ってさんまさんが呼びだしたの。それまでは、まじめな番組にしか出たことがなかったから「大変! 教育評論家なのに。変な誤解をされちゃうわ!」と思って、「違うっ! 違うわよぉ~」って言ったんだけど、そのリアクションもテレビではおネエ的に映ったみたいなのね(笑)。

そこから、番組に出る度に、さんまさんが「ママ! ママ!」って絡んでくれて、世間の皆さんに「尾木ママ」と認識してもらえるようになったの。
だから、「尾木ママ」を誕生させたのは、さんまさんなんです。
ー『さんま・福澤のホンマでっか!?ニュース』の出演が、初のバラエティということですが、それまでのテレビ出演とは違いましたか?

さんまさんの番組の出演が決まった時に、「今度お父さん、さんまさんの番組に初めて出ることになったよ~」って家族に話したのよ。

そうしたら娘が、「お父さん、それは大変なことだよ! あの番組はふつうの番組と違う。お父さんにできるわけがない!」って、大騒ぎするの。『ホンマでっか!?TV』って、人が話しているところにすかさず「チン!」てベルを鳴らして自分の話をし出すでしょ。娘はきっと僕がタイミングが掴めずに、何も話せないで終わるんじゃないかと思ったみたいなのね。

それで、僕は「大丈夫、大丈夫! お父さんテレビに慣れてるんだから」って言ったんだけど、収録の2日前に、娘夫婦にテレビの前に座らされて、録画した『ホンマでっか!?TV』を見ながらチン! を鳴らす練習をさせられたのよ(笑)。ベルの代わりにお茶碗とお箸でチン! てね。娘が、「武田先生のチンを鳴らすタイミングをマネして!」というから、お手本にしましたよ。その練習を2回やったの。

おかげで本番では、「チン! チン!」てうまくできたのよ~! そしたら、さんまさんがたくさん話を振ってくれてね。
あの練習がなかったら「尾木ママ」は誕生してないかもしれないわね。
ー尾木ママとしてブレイクした後、何か変わったことはありますか? エピソードがあれば、教えてください。

「尾木ママ」として有名になったから、みんなが僕のことを本当のオネエだと思っているみたいで、トイレにまつわるトラブルがめずらしくないんです。

講演会に行ったとき、「お手洗いに行きたいんですけど」と言ったら、係の方が僕を女性トイレに案内したの。「僕、男子トイレが良いんですけど」と言ったら、「そうなんですか?」という感じで男子トイレを案内されました。こんなことは、しょっちゅう(笑)。
一度なんて、京都駅で僕がトイレに行こうとしたら、修学旅行生達が後ろで、「どっちに入るのかな」、なんて賭けてたこともあったのよ。
最初はそんな風に見られてびっくりすることもあったけど、もう慣れましたね(笑)。

ーそれは大変ですね。「尾木ママ」になって良かったなぁと思うのはどんな時ですか?

それはもう本当にありがたいのだけど、講演会に来てくれる人がすごく増えたということね。
僕は何冊も教育についての本を書いているけど、やっぱり講演会でお話をすることで、本では伝えられないものが伝わると思っているから、その声を聴きに来てくださる方が増えたのは、すごく良かったなぁと思って感謝しているんです。
あるときなんて、講演の後に僕の出待ちをしてくださったお客さんが250人もいてくれて、もうビックリ! これからも皆さんに講演会に足を運んでもらえるとうれしいわ。

それから、「尾木ママ」をきっかけに、教育や子育ての問題に関心を持ってくれる人が増えるといいと願っています。
<尾木ママへの質問コーナー>
男の子2人の母親をしていますが、2人が成長し、反抗期になったらと不安です。不安を解消するにはどのようにすればいいでしょうか?

子どもが成長して反抗期が来るのはとても自然なことなのよ。思春期になっても反抗期が来なかったら、そっちの方が異常なことなの。
でもどう対応したらよいか不安に思うこともあるわよね。思春期は、男子だとだいたい中学から高校生のときに迎えるものだけど、そういう時期は、他のお母さんも悩んでいるから、一緒に悩みを共有できる関係を作っておくといいわね。

あとはこれまで話してきたみたいに、しっかり愛情を注いで育てていれば大丈夫!
愛情をしっかり与えられていた子どもは、反抗期も短いことが多いのよ。

ブレイクから4年目。人気が出たことで、教育という分野に多くの人が興味を示してくれるようになったことが1番嬉しいと語る尾木ママ。
専門的な話も、尾木ママというキャラによってわかりやすく聞くことができるのは凄いことですね。
さて、次回はいよいよ最終回です。
「子育て中のお母さんへのメッセージ」を語っていただきます。
お楽しみに。
取材、文・上原かほり 撮影・chiai 協力・臨床教育研究所「虹」

尾木ママさんの連載

第1回 叱らない子育て論に至った理由
第2回 子どもに使ってはいけない言葉/使ったほうが良い言葉
第3回 子どもに持たせたほうが良い物/持たせないほうが良い物
第4回 子どもの心に共感しよう
第5回 ママ友だけじゃなくて、パパも巻き込んでみて!
第6回 いじめと体罰の問題について
第7回 尾木ママとして大ブレイク!
第8回 尾木ママから子育て中のママたちへのメッセージ

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