<不登校のわが子と歩んだ10年間>母としての葛藤の軌跡【第2話:息子がいなくなってしまう】
前回からの続き。2学期の始業式の日。プリントを持って来てくれた先生を見送り、夕食の支度をしていると、突然ドスドスと2階から物音が……。
まるで泥棒が入ったように荒れ果てた息子の部屋。何が起こったのかわからず頭が真っ白になりました。小さな体のどこにそんな力が眠っていたのか、頭を打ち付ける鈍い音が部屋に響き渡っています。このままではこの子がいなくなってしまう! そんな感覚が全身を駆け巡り、全身が硬直しました。そして、とっさに息子をギュッと抱きしめたのです。
私に羽交い絞めにされ身動きがとれなくなった息子は、今度はこぶしを握り腕を振り上げました。「あっ、殴られる!」そう覚悟して私は首をすくめましたが……。そのこぶしで息子が殴ったのは、私ではなく自分(息子)の頭なのでした。
この日を境に、私は夫と話し合いを重ね、息子の学校に行かないという選択を尊重することにしました。正直、この選択が正しかったのかわかりません。だけど学校に行く行かない以前に、守らなければならないものがある。そのことだけが私の中に広がるのでした。
原案/脚本・編集部 作画・よしはな
関連記事
※<不登校のわが子と歩んだ10年間>母としての葛藤の軌跡【第3話:家を中心に過ごす日々】
【第1話】から読む。
前回からの続き。学校に行かないと決めた息子と、家を中心に過ごす日々が始まりました。
息子は結局、小2から中3まで学校に行くことなく...
※<不登校のわが子と歩んだ10年間>母としての葛藤の軌跡【第1話:学校に行きたがらない息子】
※2020年10月11日に公開された記事を再編集しています。
息子、拓也は保育園になかなか行きたがらず、毎朝大泣きして登園していました。今思えばそれがすべての始まりでした。それから私たち家族の長い葛...
※<イジメの首謀者>「自殺するまでいじめるからな」と言っていた我が子。引っ越しまでの道のり……【前編】
私の娘は現在中2で、4月から中3になります。先日お友達とトラブルになったようで学校からこんな連絡をもらいました。
実は学校から連絡がきたのは今回がはじめてではありません。中2になったばか...