<不登校のわが子と歩んだ10年間>母としての葛藤の軌跡【第2話:息子がいなくなってしまう】
前回からの続き。
2学期の始業式の日。プリントを持って来てくれた先生を見送り、夕食の支度をしていると、突然ドスドスと2階から物音が……。
まるで泥棒が入ったように荒れ果てた息子の部屋。何が起こったのかわからず頭が真っ白になりました。小さな体のどこにそんな力が眠っていたのか、頭を打ち付ける鈍い音が部屋に響き渡っています。このままではこの子がいなくなってしまう! そんな感覚が全身を駆け巡り、全身が硬直しました。そして、とっさに息子をギュッと抱きしめたのです。
私に羽交い絞めにされ身動きがとれなくなった息子は、今度はこぶしを握り腕を振り上げました。「あっ、殴られる!」そう覚悟して私は首をすくめましたが……。そのこぶしで息子が殴ったのは、私ではなく自分(息子)の頭なのでした。
この日を境に、私は夫と話し合いを重ね、息子の学校に行かないという選択を尊重することにしました。正直、この選択が正しかったのかわかりません。だけど学校に行く行かない以前に、守らなければならないものがある。そのことだけが私の中に広がるのでした。
※全5話構成でお送りします。
脚本・編集部 作画・よしはな
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