「学校を辞めて働きたい」という高2の息子。せめて高校は卒業してもらいたい……説得する方法はある?
ママたちにとってお子さんの進路は、自分のこと以上に気になってしまうことのひとつかもしれませんね。高校生活も残りわずかというときに、お子さんに「高校を辞めたい」と言われたら……。ママスタコミュニティに高校生のお子さんが学校を辞めたいと言ってきたと話すママから、お悩みが届きました。
『高2の長男が「アルバイト禁止なのがいや。お金稼ぎたい」という理由で高校を辞めたいと言ってきました。同級生が退学し、実家の仕事に就いたことがきっかけみたいです。友だちは手取りが20万円あるそうで、そのことが羨ましいのだとか。「学生と社会人を一緒にしたらダメ。高校は卒業して」と、言ったら何も言わなくなったけど、少し心配。以前は「行きたい大学がある」と、進学に向けて頑張っていたのに……』
あと1年で卒業、大学に進学するなら本格的に受験勉強に勤しむべきときに「高校を辞めたい」と言われ、驚いてしまった投稿者さん。高校を辞めたいという相談に対し、どのように話をすればいいのでしょうか。
ママたちはなぜ「高校を辞めてほしくない」のか?
高校を辞めたいと話すお子さんとそれを聞いて悩む投稿者さん。今回のトピックではほとんどのママが「辞めない方がいい」と、アドバイスを送ってくれました。その理由は……。
『同い年の友だちと学生生活を過ごせるのは今だけ。「焦らなくても、卒業すればたっぷり働けるよ」って笑顔で言ってあげて。学生時代がどれだけありがたいことかわからない時期なんだろうね』
『社会人になったら仕事ばっかりで、学生のころにしか経験できないこともある。アルバイトしたいって理由で辞めるのは、もったいないと思う』
『大人になったら嫌でも仕事しなきゃいけない。親のスネをかじって学生をやっていられるのは今だけ。辞めたらいつか絶対に後悔する』
ママたちのなかにも「学生時代に戻りたいな……」と思ったことがある人は少なくないのではないでしょうか。当時は勉強や校則などにしばられることが窮屈でしたが、実際大人になってからの方が責任感やルールにしばられ、不自由だなと感じた経験をしたのは筆者だけではないはず。急いで大人になろうとする我が子に「今しかできないことをやって欲しい!」と思うのは、親として当然の感情なのかもしれませんね。
お子さんを説得する方法
ではどのように話をすれば、ママたちの言葉はお子さんの心に響くのでしょうか。
具体的かつ論理的に説明する
投稿者さんのお子さんのように「お金」に気持ちが向いているお子さんには、学歴によって生涯年収が変わってくる可能性があることを説明するのはどうかという意見が寄せられました。
『中卒、高卒、大卒の生涯年収のデータ一覧表を見せ、大卒の方が将来的にはたくさん稼げるよと提案しては?』
『最終学歴によってそれぞれ稼げる金額を教えてあげたらどう? きっと今は目先のお金しか見えていないんだろうね。自営業かサラリーマンかによっても給料は全然違うよ』
厚生労働省が平成30年に行った「賃金構造基本統計調査」の男性学歴別賃金によると、20〜24歳では大学・大学院卒が約23万円、高専・ 短大卒が約21万円、高校卒が約20万。40〜44歳では大学・大学院卒が約43万、高専・ 短大卒が約33万、高校卒が約31万ということがわかりました。定年までずっとこの差が埋まらないとすると、最終学歴によって生涯年収に差があるというママたちの認識は間違っていないようです。このようなデータを見せながら話し合えば、具体的に将来のことがイメージできるかもしれませんね。
友だちと自分の違いを知ってもらう
『「友だちは家業だから手取りで20万円ももらえるけど、あなたにはそんな後ろ盾ないのだから、辞めたらただの中卒だよ」って言う』
『せめて高校だけは出てほしいね。その友だちは実家の仕事に就いているからそのくらいの給料がもらえるのであって、普通に中卒の場合では無理じゃないかな』
いくら友だちの状況が羨ましくても「自分とは違う」ということを認識させた方がいいという意見も集まりました。家業を継ぐ場合とどこかで働く場合では、働き方や給料など、さまざまな面で違いがあることでしょう。その違いを認識してもらうことも大事なことですね。
高校を辞めたいと考えることは珍しいことではない?
『うちの子も学校を辞めたいといったことがある。「目先のお金しか見られないなんて馬鹿じゃないの? 今は20万円が大きなお金に思えるけど、同じ歳の子たちよりもお金持っているときなんてほんの一瞬。よく考えなって」と言った』
『うちの子も同じようなことを言っていた。「今、高校辞めたら中卒扱い。周りの人からこれから先ずっと馬鹿にされるかもしれない。そのときにもう一度高校生をやり直すのと、今高校生をしているのは違う。もう少し高校生してみたら?」って言った』
文部科学省の調査によると平成30年度の高等学校中途退学者は約4万9千人。これは実際に高校を辞めてしまった子どもたちの数なので、「高校を辞めたい」と考えたことがある子はもっといるかもしれません。子どもから大人への階段を、悩みながら上っている高校生たちの心情がよくわかる結果ですね。
将来のことを話し合うきっかけに
『うちの子も高1のときに学校を辞めたいと言ったことがあるけど、指定校推薦で大学が決まりました。今思えばあの「辞めたい時期」がなければ、真剣に親子で進路について話し合いすることはなかったと思う』
高校を辞めたい“程度“や辞めたいと思った理由は、お子さんによってさまざまでしょう。お子さんの悩みをすべて否定するのではなく、データを示したり、ママたちの経験を話したりしながら、将来を話し合うひとつのきっかけとして考えてみてはいかがでしょうか。まだまだ子どもらしい部分と大人のように振る舞う部分と、時と場合によって表情をかえる子どもたち。ママとしての意見だけではなく、人生の先輩としてそっと寄り添ってあげてみてくださいね。
文・荻野実紀子 編集・山内ウェンディ
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