「僕が生まれた日のこと教えてよ!」息子のお願いに答えてあげられない原因は……パパ!?
息子の小学校では、4年生になると学年末の授業参観で「二分の一成人式」を行います。自分がママのお腹に来たときや生まれてからこれまでの約10年間の出来事をアルバムにして、ひとりひとりが発表するのです。
息子はまだ3年生ですが、ご近所の仲の良い4年生から「二分の一成人式」の話を聞いて興味津々でした。
自分がどんなときにお腹に来て、ママのお腹にいたときはどんなだったか……。中でも一番興味があったのが……
キラキラした目で聞いてくる息子。その目が眩しくて、話をしてあげようと思ったけれど……。
私としては「パパがなぁ……パパが正直……」という思い出だったもので……。
息子が生まれたのは残暑厳しい9月でした。予定日よりも少し早く明け方の4時頃から陣痛が始まりました。おしるしも破水もなく陣痛からでした。最初から5、6分間隔でした。
「起きて……。陣痛が来たかもしれない……。」
「へ? 陣痛? 生まれるの?」
「多分……」
まだ寝ぼけているパパさん。ちょうどその日は遠方に住む私の母が来る予定の日でした。
「今日はお母さんが来るから、何がどこにあるかメモを書かないといけないし……。私も食べられるうちにご飯を食べておこうと思う……。」
1時間後……
「もう3分間隔だし、病院行きたいんですけど」
「うん、うん、わかった」
病院に着いたはいいものの、パパさんは私の背中をさするわけでもなく。口では「大丈夫?」と言いつつ手は携帯電話をいじり、その後は実家や会社へ電話をするために頻繁に席を外し……。
義両親がかけつけてくれて、義母さんが背中をさすってくれている間も……
無事に息子は生まれたわけですが、長い陣痛のあいだずっと寝続けておいて、今さら「支えてる」ようなアピールをされましても……!
ということで興味を持って聞いてきた息子には、話をひとまず先送りすることにしました。
「う~ん……ちょっと時間はかかったけど無事に元気に生まれてきたよ。詳しいことは来年でいいんじゃないかな?!」
「そうなんだね~! うん、わかった~!」
息子よ、将来パパのようになったらダメだよ……ホント……ダメだからね……と思いつつ、本当のことを伝えていいものか……悩ましく思う私でした。