第一子妊娠中、余命2ヶ月の母から初めて明かされた私の出生の秘密
私が第一子妊娠中のこと。実母が末期がんに侵されていることがわかり、地域で一番大きな病院に入院することになりました。
そしてポツリポツリと母が語り始めたのです。
安静にしていると1日がとても長く感じて、何もすることがなくて本当に暗い気持ちになること。健康で元気に歩いている妊婦さんがうらやましく見えること。まだ生まれないで……28週まで持ちこたえて……30週まで持ちこたえて……。お願い、あとちょっと……とカレンダーを見つめながら、ひたすら祈り続ける日々。
それから2ヶ月後、母は赤ちゃんを見ないままあの世に旅立ちました。母にとっては初孫でした。生まれたのは女の子で母の面影がかすかにありました。母が何ヶ月も入院して、必死に私を生んでくれた。そして私が孫の女の子を生んだ。母が繋いでくれた命のバトンは、今、確かに私の子どもへと繋がっています。
脚本・大島さくら 作画・善哉あん
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