妊娠中に最愛の実母が天国へ……実母と一緒に出産を迎えられる人が羨ましい
しかし運命は残酷なもので、実母は私が第一子を妊娠中に、癌で亡くなりました。
母にとって待望の初孫だったのに、ひと目会う事すら叶いませんでした。残されたのは、昭和の男で仕事人間の実父。自分の家事すらおぼつきません。産後の面倒を見てもらうなんて、夢のまた夢。
私は「里帰り出産なし」「産後の実母の手伝いなし」「実母に育児の不安を聞いてもらうなどの精神的支えなし」と、ないない尽くしのまま、初めての出産、産褥期、新生児のお世話をすることになりました。
しかしどんなに嘆いても現実は変わりません。とにかくいろんな人の手を借りて前へ進むことにしました。
産褥期は、義母に助けてもらいました。産後の里帰りは義実家。義母は私と赤ちゃんにとても気を使ってくれました。料理、掃除、洗濯、日用品の買い出し、沐浴の手伝い、そして深夜のミルク&おむつ替え……と、自分の睡眠時間を削って手伝ってくれました。嫁に来たとはいえ、もともとはよその娘である他人の私にここまでしてくれるなんて。とてもできることじゃない……! 毎日、感謝の気持ちでいっぱいでした。
里帰りから自宅のアパートに戻った後も、なかなか身体が回復しなかったので、次は産褥ヘルパーさんに頼りました。(自治体が補助金を出してくれたので、格安で利用できました。)とてもフレンドリーなおばちゃんで「困ったときはどんどん誰かを頼るのよ。一人で我慢して頑張っちゃダメだよ! 頼られた方は嬉しいモンなんだから」と、いろいろな話で私の心を和ませ、激励してくれました。
最愛の実母は天国へ旅立ちました。でも、悪いことばかりじゃない。
私のすぐ側には、家事育児に積極的なパパがいてくれます。夫婦の絆はとても強くなりました。そして、義母、産褥ヘルパーさん、昔からの友達、ご近所のママ友さん……数えきれないくらいたくさんの人に助けてもらいました。
そう、子育てを助けてくれる人は、たくさんいるんです。
実母が亡くなっていたり、毒親で絶縁状態だったりして、一切頼れないママは多いのではと思います。
育児に疲れ果てたとき、どうしようもなく困ったときは、声に出して「私はもう限界です」と言ってください。「助けてください」と言える勇気を持ってください。「限界、助けて」を言う事で、状況がほんの少しだけど良い方向へ変わっていき、小さな小さな一歩だけれど、素敵な未来へと進めるはずです。
今これを読んでいる実母を頼れないママ。一緒に前に進みましょうね!
脚本・大島さくら 作画・むらみ
【つぎ】の記事:【前編】40代での出産になるけれどもう1人ほしい。でも旦那は「一人っ子でいい」と言う……