<厳しかった父の最期>気付けなかった、大嫌いな父の本当の愛情【前編】まんが
私は父のことがとても嫌いでした。三人姉弟の長女だった私は、いつも父から叱られてばかりいました。勉強で分からないところがあると、深夜まで付きっ切りで叩きこまれました。運動でできないところがあれば、無理矢理連れられ、縄跳び、逆上がり、かけっこ、マラソン……。
食事中の作法も、日常生活における礼儀も。何でも厳しく教え込まれていました。父は本当にとても厳しかったです。
なんでこんなことを言われなくちゃいけないんだろう……。もっと上を目指せって……いったい「いつまで」頑張らなくちゃいけないんだろう……。父の厳しさに対し、いつも疑問と不満でいっぱいでした。
幸い母は優しく、父に叱られて落ち込んでいる私を見ると、陰でこっそりフォローを入れてくれていたので、なんとかやってこれていました。
しかし、その後も父とは進学の度にぶつかり合うことに。
はじめて旦那を父に会わせたとき、頑なとして父は「俺は認めない。アイツはやめておけ。」の一点張り。
私:「どうしてお父さんは、私のすること何でも反対するの?彼の何がいけないの?」
父:「お前には合わない。アイツとは幸せになれない。それだけだ」
そのとき私の中でなにかかプツリと切れた気がしました。もうこれ以上、父の言いなりにはなれない。
私は半ば強引に結婚を決め、家を出て行きました。
やがて子どもも生まれ、これからもっと幸せに……というときに、旦那の借金や浮気癖が発覚。旦那はとても優しかったのですが、その一方で優柔不断で誰にでも優しいだけの男性だったのです。
結局離婚することになり、今は働きながらひとりで息子を育てています。
両親とは母とごくたまに連絡をするくらいで会っておらず、どうせ会っても父からまた「ほら、みたことか」と言われ、喧嘩になるのがイヤでした。けれど子どもが1歳になる頃に、実家から久しぶりの電話がありました。
父が白血病で亡くなったと。
私は急いで実家に帰りました。そこで私に待っていたのは、父の本当の姿だったのです。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・んぎまむ