子どものクラスでいじめ問題が発生。見て見ぬふりをする我が子になんて言いますか?
子どもたちのイジメ問題は、我が子がいつ巻き込まれてもおかしくないほど身近な問題。多くのママが我が子には加害者や被害者になってほしくないと思っていることでしょう。でもそのどちらでもない傍観者だった場合、あなたなら子どもにどのようなことを話しますか?
『子どもが「クラスのAさんがイジメられている。今日もイジメっ子に叩かれてた。でも先生に言ったり庇ったりしたら自分がイジメられるから言わない。Aさんがイジメられているおかげで他の子に被害なし」と笑いながら話してきました。親としてなんて言いますか?』
ママスタコミュニティに小学生のママから寄せられた投稿に、多くのママたちが「もし我が子だったら……」と真剣に考えたコメントを寄せてくれました。
笑ったことに激怒!!でも笑うには何か理由がある?
まずママたちが疑問に感じたのは「笑いながら話した」こと。
『「笑う話か?」と言う』
『先生に言いたいけど、バレたら自分がイジメられるから怖くて言えない……じゃないんだ。そんな話を笑いながらしたなら、ひっぱたく』
『「何がおかしくて笑ってる? イジメのターゲットがAさんから自分に変わっても、誰も助けてくれないよ。そのときは、周りの子たちは今のあんたと同じように思ってあんたを見てるよ。誰も恨むなよ」って言う』
子どものイジメでは、イジメられるターゲットが次々と変わることはよくあることかもしれません。自分がターゲットにされても自業自得だと子どもを叱りながらも、他人の気持ちを考えられない我が子に愕然とするママもいました。また「笑った」理由を考えるママもいます。
『笑いながら話すって、たぶん子どもも良くないことだってわかっているからではないかな? なんとかしたいけど自分が標的になるのは怖い。葛藤ではないかな? 自己防衛で笑っちゃうってあると思う』
投稿者さんのお子さんがどのような理由で笑ったのかは分かりません。しかし深刻な話であるはずのイジメについて「笑って話す」のであれば、子どもの心の中には言葉にできない何かがあるのかもしれません。とにかく子どもの話をよく聞く。そして話し合うとコメントするママもたくさんいます。
イジメを止めさせようと我が子と話し合うママ
『「イジメられている子が可哀想だね。その子の気持ちを考えたことある?」と話す』
『「あなたもイジメている子と同じだよ。もしあなたがイジメられたら、ママは全力であなたを助けるからね」と言う』
『実際にうちの子にあった話みたい。その子がイジメられたきっかけ、我が子がどう思っているかをしっかり聞く。その上で「イジメられている子を見て何もしないのは、イジメている子と一緒だよ。それが苦しいならどうしたらいいかな? あなたに何かあったらママが守るよ。でもどうするかを決めるのはあなた自身」と話した。実際に一瞬は標的にされたけど、うちの子を守ってくれる子も出てきて、結果的にイジメはおさまった』
『被害者になりたくないからこそ、イジメを止めるんだよ。その意識をみんなが持てばいい』
ママたちのコメントは、子どもの話に耳を傾けつつ、イジメ解決に向けて我が子が一歩踏み出せるよう背中を押してあげる内容が多くありました。
これらのコメントに対して、反論も寄せられているので紹介します。
我が子がイジメのターゲットになっても良いのですか?
『キレイごとを言ってるだけだよね? 実際に我が子には、そういう類のいざこざには関わって欲しくないです』
『我が子を率先してイジメられっ子にするの? 庇うのをミスれば、今度は我が子がターゲットだよ』
『子どもには「正義感出して首を突っ込むな」と言う。大人だって似たようなことが起きたら、何人の人が助けてあげられるんだろうね』
投稿者さんのお子さんは、手や口を出しているわけではなく、このイジメに関して全くの傍観者。このまま傍観者でいてくれたほうが良いと考えるママも、少数ではありません。
イジメは他人事ではなくなっている
学級内でイジメが起きた場合、加害者・被害者のほかに見ているだけの子どもが多数いるケースはよくあることだと思います。
このほど文部科学省で公表された2018年度の全国の小中高校で認知されたイジメの件数は、過去最多の54万件にもなっています。
これは「認知されている件数」ですから、先生たちに知られていないイジメもあると考えれば、どれだけ多くの子どもたちが、加害者・被害者・傍観者のいずれかの立場でイジメに関わっているのでしょうか。我が子がイジメと無関係で学校生活を送れるとは、考えにくい時代になってきたように思います。
イジメを経験したからこそ感じた気持ち
今回寄せられたコメントを読み、子どもを叱るママ、イジメを止めさせるママ、そのまま見て見ぬ振りをさせるママ、どの立場のママもリアルに考えてコメントを寄せてくれたと感じました。ママ世代にとっても、イジメは他人事とは思えない人が多いからではないでしょうか。
筆者にも小学生の頃にイジメに関わったことが2回あります。
1度目は傍観者でした。そのとき母から「見ていて止めてあげないのはイジメているのと同じ」と言われ、イジメっ子が怖くて「止めよう」と言えなかった自分自身の勇気のなさを悔やみました。そして2度目のときは、勇気を出して「止めよう」と言い、イジメられている子を遊び仲間に誘いました。このときは一旦イジメは下火になったのですが、イジメられていた子が転校することになり状況は一変しました。今度は私がイジメのターゲットにされてしまい、1ヶ月ほどの間、クラスのほとんどの女子に無視されてしまいました。このときに感じた独りぼっちの寂しさや辛さは今でも覚えています。でも自分は間違っていないと思っていたことも忘れることはできません。
この投稿と多くのママたちの意見の交わし合いを読みながら筆者は「もしも我が子がイジメを見て見ぬ振りをしていたら、私は親としてなんと言うかしら……」と考え込んでしまいました。
イジメられている子を助けてあげてほしいけれど、あのときの私と同じ寂しさを我が子に味わってほしくない……この思いは親として正直な気持ちです。でもイジメを見て見ぬ振りをした自分より、止め方をミスってしまったけれど、勇気を出して「止めよう」と言えた自分のほうが素敵だったと今なら思えます。
イジメの解決には大人の助けが必要な場合も
イジメは無いほうが良いと誰もが思っていることでしょう。でも誰も傷つかずに子ども同士で解決できるイジメは、少ないのではないでしょうか。寄せられたママたちのコメントの中には、子どもの話を聞いた上で
『匿名で学校に手紙を書く。匿名にした理由も添えて』
『親から先生に報告する』
というものもありました。
イジメの解決方法は、その原因や状況、子ども同士の普段の人間関係などによって変わってくることでしょう。ケースバイケースではありますが、親や学校の先生、カウンセラーなどといった大人の助けも必要なのではないでしょうか。
多くの子どもが関わっているイジメ問題は、その分だけ悩んでいるママもたくさんいるはずです。ぜひお子さんや被害者の子の気持ちをママも一緒に考え、お子さんも納得できる解決方法を見つけられたらいいですね。
文・間宮陽子 編集・山内ウェンディ
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