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生後1〜2カ月が泣きのピーク!ママだからって赤ちゃんを泣き止ませられるわけではない

長い妊娠期間を経て無事に出産すると、そこから始まる怒涛の育児。話には聞いていたけれど、何をやっても泣き止まない赤ちゃんを前に、心が折れそうになっているママもいるのではないでしょうか? でも、「ママだからといって、必ずしも赤ちゃんを泣き止ませられるわけではないんです」というのは助産師の太田愛さん。赤ちゃんが泣き止まないときは、どうしたらいいのでしょうか?

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泣き止まない赤ちゃんに自信をなくすママたち

助産師として日々ママたちと接していると、よく泣く赤ちゃんを前に、「私が抱っこしたら泣くんです」とか、「助産師さんに抱っこしてもらうと泣き止むんです」とか、中には「この子は私がキライだから泣いているんです」というママもいらっしゃいます。ママたちは慣れないお世話を必死にしているのにもかかわらず赤ちゃんが泣き止まないので、そうとしか思えなくなるのかもしれませんね。

生後1〜2カ月が泣きのピーク

厚生労働省の資料には、赤ちゃんにどんな関わり方をしても生後1~2か月頃に泣きのピークを迎えるとあります。この期間は何をやっても泣き止まず、1日5時間以上、激しく泣いているということもあります。でも、これがずっと続くわけではなく、生後5カ月ぐらいにはだんだん収まってくるとされています。ママはこのことを知っておくだけでも、赤ちゃんが泣き止まないときに気持ちが楽になると思います。
赤ちゃんはお腹が減っていないか、おむつは濡れていないか、暑がっていないか、お熱は出ていないかなどをまずは確かめてみてください。そして赤ちゃんがお腹にいたときに聞こえていた音に近い、ビニールをくしゃくしゃさせる音や掃除機の音、ベビーカーの心地よい振動で泣き止むこともありますので、いろいろ試してみてくださいね。でも、たいていはママやパパにただ抱っこしてあやして欲しい、甘えたいということが多いと思いますよ。

赤ちゃんが泣く原因を追求しない

赤ちゃんが何をやっても泣き止まないと、「どうして泣くの?」「何がいけないの?」と思ってしまいますが、先ほどお話ししたとおり何をやっても泣き止まない時期はあるので、無理に泣き止ませようとしなくて大丈夫です。赤ちゃんのオムツや空腹状態を心地いいものにしてあげたら、泣いている原因を追求しすぎないことも大切です。赤ちゃんは泣くのが仕事と昔から言われますが、ママだからといって必ず赤ちゃんを泣き止ませられるわけではないので、ママが自分を責めたりしないでくださいね。自分のことを一生懸命に考えてくれているママの気持ちが、赤ちゃんにはちゃんと伝わっていると思います。
よく泣く赤ちゃんは、親の育て方の影響ではなく、生まれ持った本人の気質によることも多いと言われています。このような赤ちゃんは、他の赤ちゃんより敏感で多くのことに気付くことができるため、”泣く”というコミュニケーションツールを使って、自分の欲求や気持ちをしっかりと表現しているのでしょう。

その場を離れても構わない

思いつく限りの赤ちゃんのお世話をしても泣き続けるとき、泣き止ませなくてもいいとはいえ、泣き声を聞き続けているとイライラしてくることもあるかもしれませんね。そんなときは赤ちゃんを安全なところに寝かせて、いったんその場を離れて隣の部屋やトイレなどに移動して、深呼吸してみましょう。泣き声から離れることで気持ちが落ち着くこともあると思います。

子育ては一人ではできない。困ったときには誰でもいいので相談を

祖父母と一緒に暮らしていたような時代は、ママと一緒に誰かが赤ちゃんの面倒をみてくれたり、ママが悩んだときに「赤ちゃんはそれでいいんだよ」と言ってくれたりする人が身近にいました。でも今の核家族では「それでいいんだよ」と言ってくれる人が身近にいないことも多いと感じています。パパは遅くまで仕事だし、私が頑張らなくてはと1人で必死に頑張るママに私はたくさん出会ってきました。
でも、子育ては1人ではできないので、もし「赤ちゃんが生まれて幸せなはずなのにツライ」「どうしてうまくいかないんだろう」などの気持ちを抱えているときは、一人で抱え込まずにまずは誰かにその気持ちを話してみてください。子育て支援施設の相談員の方にはもちろん、先輩ママや、同じくらいの月齢のママに話してみるのもいいと思います。どんなママでも、多かれ少なかれ同じような悩みを抱えながら子育てしていることが実感できると思います。自分の気持ちに共感してもらえて、「ツライのは自分だけじゃない」と思えるだけで救われることもありますよね。

日々悩みながら子育てを頑張っている自分自身を褒めてあげて

SNSなどを見ると、他人の育児がキラキラと輝いて目に入り、時には人と比べて「私はダメだ」と落ち込んでしまう方もいるかもしれません。でも実際の育児は、1日中パジャマ姿でメイクもしていないし、もう何日も外に出ていない、食器は流しにそのまま、寝不足で泣き止まない子どもにイライラする……なんていうこともありますよね。私もその一人でした。でも、それでいいんです。最初から完璧なママはいませんし、そもそも完璧なママである必要もありません。赤ちゃんと一緒に過ごすことによって、少しずつママとして成長していきます。毎日悩んだり試行錯誤したりしながら子育てを頑張っているご自身を、ぜひママ自身が褒めてあげてくださいね。

私が関わっている「産婦人科オンライン」では、このような赤ちゃんが泣くことや、育児中のママの気持ちについての相談も含めて、妊娠中から産後に関することをスマホで気軽に、無料で相談いただけます。現役の産婦人科医や助産師が丁寧にお答えるこのサービスは、どんなに些細なないことでもご相談いただけます。不安なことがもしあれば、ぜひ利用してみてください。

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取材、文・山内ウェンディ 編集・井伊テレ子 イラスト・水戸さゆこ

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