赤ちゃん絵本の新作が異例の大ヒット!赤ちゃんが泣き止む『もいもい』
赤ちゃん向けの絵本を選ぶとき、なにをポイントにしていますか? イラストのかわいさ? それとも文章のわかりやすさ? とはいえ大人が考える「これがいいな」とは違う、赤ちゃんの興味を引くものがなにか別にあるのかもしれませんよね。「どうしてこれが人気なんだろう?」と不思議に思うような絵本が、ロングセラーとなっていることも実際にはありますし、何十年ものあいだ赤ちゃんたちに読みつがれている定番絵本も存在します。
そんなロングセラーの中に新たに加わりそうなのが、2017年7月に刊行された『もいもい』(発売:ディスカヴァー・トゥエンティワン/監修:監修 開一夫、作:市原淳)です。
赤ちゃんが本当に好きな絵って?赤ちゃんといっしょに作った絵本
発売から2年で20万部を突破した赤ちゃん向け絵本『もいもい』。人気に火がついたのは、SNSなどの口コミからだそうです。インスタグラムで「#もいもい」をつけた投稿数は、5,390以上にものぼるそうです。
インスタグラムでは
『車内でのグズグズももいもいがあれば安心。無事にショッピングモールで買い物ができました』
『笑ってほしくて、もいも~いとついつい本気で読んでしまう』
などの声が寄せられているとか。
なめてもかじっても大丈夫なボードブック版も、発売から半年で7万部以上の売り上げに。1万部売れればヒットとされ、ロングセラーの定番が根強い人気を誇る絵本ジャンルの中で、新作絵本がこれだけのヒットとなるのは異例のことだそうです。
赤ちゃんが好むイラストを使った絵本は、すでにたくさんあります。とはいえそのほとんどは専門家などからコメントをもらったものなのだとか。『もいもい』の監修を行った開一夫教授(東京大学赤ちゃんラボ)は、「それだけでは、赤ちゃんが本当に好きかどうかはわからない」と言います。
そこで行われたのが、発売元と東京大学赤ちゃんラボとの共同研究です。審査員に迎えたのは、赤ちゃんたち自身。選択注視法(長く見たほうが、勝ち!)などのさまざまな実験を進める中で見つかったのが、赤ちゃんの視線を釘づけにして離さないイラストでした。『もいもい』は、ほかのイラストの2倍以上の注目度だったそう。2年がかりの研究のすえに絵本化されたわけですから、多くの赤ちゃんたちを引きつけているのも納得ですね。
実験から生まれた絵本シリーズ。秋には新作も?
読み聞かせをしたママたちからは、「赤ちゃんが泣き止む」「釘づけになる」「このページで絶対に笑う!」などの口コミが寄せられている『もいもい』。
『もいもい』からスタートした「あかちゃん学絵本シリーズ」は、現在ほかに2作が刊行されています。
「あかちゃんによる投票(選択注視法)で選ばれた一番人気のキャラクターは、お父さん・お母さんの投票とはまったく逆のものでした」という衝撃的なキャッチコピーがついた『うるしー』(監修:開 一夫、作:ロロン)。見習い手品師のうるしーが、帽子からいろんなものを取り出す内容です。
さらに赤ちゃんが持つトゲトゲやチクチクなどの言葉のイメージを、実験をもとにイラスト化してできたのが『モイモイとキーリー』(監修:開 一夫、作:みうらし~まる)。ページをめくれば、楽しいオノマトペの世界が広がります。
赤ちゃんの誕生を心待ちにしているプレママにも「なにかよい絵本はないかな?」と探している赤ちゃんママにも、またお友達の出産祝いプレゼントとしてもおすすめです。秋にはまた新作が発売される予定だそうなので、こちらも楽しみですね。
文・鈴木麻子 編集・しのむ