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大学はできれば自宅から通える距離に通ってほしい!”生活にかかるお金”から考えるママたちの本音

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『大学は自宅から通える距離にしてほしい』

ママスタコミュニティに寄せられたあるママのひとことに、集まったママたちは思わず「わかる」と共感の声をあげていました。子どもの人生だから、自由に、やりたいようにさせてあげたいと思う反面、家庭の事情や感情のもつれでママたちにもいろいろ思うことがあるようです。

大学を自宅から通える距離にしてほしい理由

『今は「朝はゆっくり寝ていたいから近い高校がいい」と自宅から徒歩で行ける公立高校に通ってます。そんなこともあったので、大学に関しては金銭面の問題もありますが、どうせなら自宅から通える大学にして、娘にそばにいてほしいなと考えてしまいます』

投稿者さんがお子さんに大学も自宅から通ってほしいと思う理由には、「金銭面の問題」という理由と、遠方の大学へ通うことで家を出てしまうことに対しての「離れるのが寂しい」という感情を理由にあげています。これに対し集まったママたちはどのように答えているのでしょう。

やはりネックとなるのは金銭面?

『通える距離にしてほしいと思っています』

『わざわざ通えない距離には行かないでもらいたい』

『歩いていける距離にも大学はあるしわざわざ地方にまで行って欲しくない。そんなお金ないし』

離れて暮らすのが寂しいという感情はあるものの、やはり自宅から通える大学にしてほしい理由には金銭面についての声が目立ちました。大学生になったから親元を離れることになったとしても、全て自立させるのはなかなか難しいものです。そうなると仕送りなどで家計の負担はおのずと増えてしまいます。これが自宅から通えるのであれば、仕送りなどの負担は減りますし、浮いたお金は学費や、子どもの将来のための蓄えとして置いておくこともできますよね。

自宅から通って欲しいけど物理的に難しい

『自宅通学できる距離に大学あるなんて羨ましい』

『うち、同じことを言ったら通学時間が往復4時間超える……』

許容できる通学圏内に子どもが希望する大学があればいいのですが、お住まいの地域によってはそれも厳しい部分もあるようです。ママたちの声の中には希望する大学へ新幹線で通っているお子さんもいるという話もあり、そこまでして自宅から通ったほうがいいのか、ひとり暮らしさせた方がいいのか、どちらがいいのか分からなくなりそうです。

『自宅から通えるところへ行ってほしい。しかし子どもが目指しているのは自宅外の大学』

自宅から通える大学がどれだけあるか、その大学に子どもが進路を進めたいと思うのか。子どものことを思うと遠方の大学でも応援してあげたいのだけれど、内心「諦めてくれないかな……」なんて思ってしまうこともあるようです。金銭的な部分での負担、離れ離れになってしまう寂しさや孤独感。複雑に絡む問題なので、どうしようもできない感情や思いが渦巻いてしまうのは仕方ないのかもしれません。

大学生の一人暮らし、一体いくらかかる?

金銭面で厳しいのでひとり暮らしは難しい、させたくないという声がいくつかありました。そこで実際に子どもが大学生になって一人暮らしをすると毎月どれぐらいかかるのかを調べてみました。独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の「平成28年度学生生活調査」によると、大学生の生活費は年々増加傾向にあるようです。物価の上昇などもありますので仕方ないと言えばそうですが、仕送りするとなると厳しい状況になるかもしれません。

自宅VS自宅外「居住形態別」での生活費の差

全日制の4年制大学に通っている場合、自宅と自宅外(アパートや下宿など)との生活費の差は、自宅外で生活している学生のほうが53万円も高くなっていることが調査結果より分かりました。これが短大でも43万もの差が生まれていますので、自宅から通学するほうが金銭的に楽であることがよく分かります。また国立大学の学生が自宅通学することを基準とした場合、私立大学で自宅外から通学している学生は生活費に2.29倍もの差が出てしまいました。

国立VS私立「設置者別」での生活費の差

全日制の4年制大学の場合、国立大学に通う学生のほうが私立大学に通う学生より生活費が23万円も高くなっています。これはあくまでも「生活費」のみの話で、授業料を始めとする「学費」は、国立よりも私立の方が72万円も高くなっている点は見逃せません。国立大学に通う学生の生活費のほうが、私立大学に通う学生よりも高くなる背景には、地方出身者など「自宅外」の学生の割合が高いことから、私立大学よりも生活費が高くなる傾向があるようです。

数字で見る「自宅VS自宅外」の生活にかかるお金

【全日制4年制大学の場合】
・国立大学 自宅:1,090,100円/自宅外:1,743,500円
・公立大学 自宅:1,101,100円/自宅外:1,674,600円
・私立大学 自宅:1,759,400円/自宅外:2,492,500円
・平均   自宅:1,667,200円/自宅外:2,201,000円
【全日制短期大学の場合】
・公立大学 自宅:876,100円/自宅外:1,346,200円
・私立大学 自宅:1,501,100円/自宅外:1,992,200円
・平均   自宅:1,481,000円/自宅外:1,909,900円

あくま目安として考えてみたとしても、やはり自宅通学の場合と自宅以外から大学に通う場合にかかる生活費の差は歴然です。ここにさらに学費なども発生していくので、できれば自宅から通ってほしいと思うママたちの気持ちもよく分かります。

支出に対し減少傾向にある収入

親からの仕送りだけでは生活費が足りない場合や、仕送りが見込めない場合は、学生自身が学業の合間にアルバイトをするなどして収入を得ることもあります。全日制の4年制大学や短大に通う学生の状況は、平成26年度の調査結果と比べると、親からの仕送りや奨学金の金額ともに減っており、アルバイトの収入額は増加傾向にあるという結果が出ています。合計金額で見れば大学の場合で0.6万円、短大で1.2万円とそれぞれ減少しています。この金額はわずかに見えるかもしれませんが、生活にダメージを与えると考えられるでしょう。

子どものやりたいようにさせてあげたい親心、本音は1つではない

物理的に自宅からの通学が難しい場合を除くと、できれば自宅から通学してもらえる方が家計的にも助かるということが良く分かりました。しかし、それでも子どもが望むのであればできる限りのことをしてあげたいのも親の本音ですよね。進路に関してはお子さんの将来もかかっていますので、親子で向き合って正直に話し合いする必要もあるかもしれません。離れてしまうことが寂しいのは、親と子である限りやがて訪れる感情です。ここはその気持ちをぐっとこらえて、笑顔でお子さんを送り出してあげてくださいね。

文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ

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