「エアコンつけっぱなし」VS「こまめに切る」。電気代が安いのはどっち?
夏の暑い時期に毎年繰り広げられる「エアコンをつけっぱなしにした方が電気代が安くなるのか・高くなるのか」論争。この問題に対してダイキン工業株式会社が「エアコンをつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらが安くなるの?」をテーマに検証を行っています。いったいどちらが安くなったのでしょうか。
○時間以上は消した方が得?
まずは、ママスタコミュニティに寄せられたママたちの予想を見てみましょう。
『買い物とかお迎えぐらいならつけっぱなし。1時間以上、家を空けそうな時は消す』
『8時間以上留守の家なら消した方がいいというけど、電気代はかかってるからね』
『検証したけどつけっぱなしの方が安いよ。パソコンと一緒で起動する時に一番パワーが要るから。泊まりで出かけるとかなら切るけどさ』
『時間帯や外気温と設定温度の差によっても変わってくるから必ず安くなるとは限らないよ』
『8時間いないなら消すに決まってるよね。買い物とか小1時間程度なら消さない方がいいって事じゃないの?』
ママたちの間で語られている「8時間」という時間の根拠がなんなのかは不明ですが、ある程度まとまった時間いないのであれば消したほうが得という意見が多くみられます。
では、実際に行った実験結果ではどうなったのでしょうか?
時間に関係なく「つけっぱなし」は逆効果
実験を行ったのはダイキン工業株式会社。「空気のプロとして空気にまつわる課題や悩みごと、素朴な疑問を検証する『ダイキン 空気のお悩み調査隊』」として、2011年から活動を行っています。その中で、「エアコンをつけっぱなしにするのとこまめに入り切りするのでは、どちらが安くなるの?」をテーマに検証を行っています。
ダイキン工業株式会社によると、夏場のエアコン利用についてアンケートを取ったところ、約7割の人が「つけっぱなしが安い」と思いつつも、実際に実行した人は5割程度だったといいます。さらに「30分以上1時間未満であれば、エアコンを切ったほうがいい」と思っている人が多いことから、どの時間帯であれば30分間エアコンを切るよりもつけっぱなしにするほうが安くなるかを検証することに。検証は、8月の猛暑日・大阪の築10年・南向きマンション2部屋で行われました。
実験①「つけっぱなし」VS「30分間隔でオン・オフ」。結果は?
実験では、同じタイプの部屋を2つ用意し、9時~23時まで「つけっぱなし」にしたエアコンと、30分間隔で運転のオン・オフを繰り返したエアコンの消費電力量を比較。日中9時~18時の時間帯は、30分間であればエアコンを切るより「つけっぱなし」にする方が消費電力量は少なくなるという結果になりました。
『エアコンは、基本的に運転を開始した直後の室内温度と設定温度の差が大きいときに電力を多く消費します。自転車に乗るときにこぎ始めの方がペダルが重く、体力を使うのと同じです』(ダイキンアンケート結果より)。エアコンをオフにして外出し、部屋の温度が上がったところで戻ってきてオンにするということを繰り返すと、消費電力と比例して電気代は上がりそうです。
実験②実際の生活に即して実験してみたら?
もう1つの実験では、子どものいる家庭の1日の生活スケジュールを想定して9時~23時まで「つけっぱなし」にしたエアコンと、外出時に運転をオフにしたエアコンの消費電力を比較しました。その結果、「つけっぱなし」にするよりも、外出時に運転をオフにしたほうが1日の消費電力の合計が大きくなりました(1日の電気代差は約35円)。
30分程度であればつけっぱなし、1時間以上であればオフにした方が得
実験結果では、日中9時~18時の間、30分間であればエアコンを切るより「つけっぱなし」にする方が消費電力量は少なくなるという結果になりました。ただし、長時間留守にする場合は、消した方が安くなるという結果になっています。また1日あたりの差額は約35円と考えると、30日間で1050円。これを高いとみるか安いとみるかで、エアコンをつけっぱなしにするかその都度オフにするかの判断をするのがいいかもしれません。
文・長瀬由利子 編集・山内ウェンディ
実験場所:大阪府大阪市
建物構造:鉄筋コンクリート造(14 階建て)
築年月:2006 年 3 月
部屋の広さ:約 14 畳
2 階と 3 階の階違いの同じ間取りの部屋を使用
使用したエアコンの機種:『うるるとさらら R シリーズ』 AN40TRP-W 4.0kW(主に 14 畳用)
エアコン設定:冷房 26℃、風量自動