「育てにくい子」ほど成功する?学業や仕事で将来成功する子に共通する性格とは
自分の子が「育てにくい!」と思うことはありますか。
育てやすいとか、育てにくいとか、そんなの親目線の子どもの評価だし、その子なりのやり方で精一杯やっているのだからそれをそのまま認めてあげればいいのでは、と考えている筆者ですが、子どもの頑固で強情な性格には困ってしまうこともあります。
我が子を「育てにくい子」と思ってしまうとき
筆者には7歳娘がいますが、彼女の頑固な性格には手を焼きます。たとえば、ずっとピンクの服が大好きだった娘がある日突然、「ピンクの服は着ない!」と言いだし、タンスにあった大半の服を全く着なくなりました。
数枚の紫色や白やグレーの服しか着ないので、暑い日にも長袖を着て行ったり、洗濯もままならなかったりという状態。しかし、娘に言われるがままに新しい服をどんどん買い揃えることも良くないと思い、娘があきらめてピンクの服をまた着てくれないかと期待していました。
でも、親の期待どおりにはいきませんでした。娘のピンクは着ないという意思は固かったです。
学業や仕事で将来成功する子に共通する性格とは
そんな頑固な子を持つママと共有したい研究があります。
学業や仕事で将来成功する子に共通する性格を調べた研究で、12歳の子どもを対象に40年後のキャリアを追跡調査し、学歴や大人になってからの収入と子ども時代の性格との関係を探っています。学歴や収入が高ければ成功した人生といえるのか、という問題もありますが、ひとつの側面として取り上げたいと思います。
この調査によると、高学歴、高収入を得た人に共通する子ども時代の性格は
「ルールを破り、親に反抗的だった」
という結果が出ました。学歴や収入は子ども自身のIQや親の社会経済的地位との相関が高いとされているので、この研究ではそれらの影響を排除しています。もちろん高い学歴を得て高い収入の仕事に就く人は、勉強熱心であったり、自分に対して劣等感を持っていなかったりといった特徴もあったのですが、それらの特徴以上に反抗的であることの方がより関係性が高かったそうです。
この調査の報告では、反抗的な子どもが成功する理由として、反抗的な子どもの方が学校でも競争に積極的で主体的に振る舞えるからではないか、仕事についてからも交渉などの場でより多くの要求を通そうとするのではないか、と考えられています。
親にとって困る子だって悪くない!
頑固で親のいいなりにならない子どもの行動には、困ってしまうことも多いのですが、それは自分の考えや意見をしっかり持って自分から行動できる子になろうとしているのかもしれません。いつも接しているお子さんの性格も、ちょっと見方を変えてみると新しい発見があるのではないでしょうか。
文・野口由美子 編集・山内ウェンディ イラスト・鶏岡みのり