「戦いごっこ」をしたがる子ども、安全に見守るために親がすべきこと
戦いごっこが大好きという男の子は多いですよね。ママにとってみたら、「なぜあんなに戦いたがるのか」と理解できない気持ちもあるかもしれません。筆者も5歳と2歳の男の子ママですが、毎日毎日よくやるなと思う反面、いつケガするかとヒヤヒヤすることも。今回は、戦いごっこをそもそもさせてもいいのか、そしてどうやって安全にさせるのか考えてみたいと思います。
戦いごっこするときは「家庭ごとでのルール」を決める
ママスタコミュニティにも戦いごっこが大好きな男の子ママから意見が寄せられていました。
『6歳4歳、男の子。毎日子ども部屋や寝室で戦いごっこをしています。いつか怪我しそうで怖いです』
『うちも、5歳と3歳の男兄弟。しょっちゅう戦いごっこしてます(笑)』
『8歳、4歳毎日戦ってるわ』
男の子兄弟がいる家庭などで、戦いごっこが多くみられるようです。年齢の差によって力の差もあるため、ケガをさせないように言い聞かせが必要ですね。また、幼稚園や保育園でお友だちと戦いごっこをする場合には、家庭同士の問題にもなりかねないので、さらに注意が必要そうです。ママたちは子どもたちにどのような声掛けを行っているのでしょうか。
『うちは「これは本当の戦いじゃないから、相手を泣かしたらダメ、痛いくらいに叩いたらダメ。泣かしたり約束を守れなかった方の負け!!」って言ってた』
『本気で叩いたり殴ってたら怒るよ。まねっこにしなさい!泣かせたらヒーローじゃくて悪いやつの方だよ!って言ってる』
『うちは力比べとかにすり替えてる。腕相撲やってみなよー?とか』
『うちは本気でやるのはお父さんだけ。武器は使わないっていう決まりがある。子ども同士で本気はなしだよ』
ルール作りにもママたちの工夫が見られますね。筆者も、「しないで」と言ってもまったく耳を貸さない5歳の長男に対して、「幼稚園では相手が嫌がったら絶対にしないこと」だけは強く言い聞かせています。家でも戦う相手はパパだけに任せて、ママや弟には本気で攻撃しないことをルールにしています。
やられて初めてわかることがある?「戦いごっこを支持する」ママの声も
ママたちの中には、戦いごっこを通して子どもたちがさまざまなことを学べると、ある程度放っておくという人もいるようです。
『やられて初めてこれは痛いとか知るだろうから別にそこまで阻止しなくてもいいと思う。ハサミとか包丁とかだしてくるのは勿論阻止して当たり前だけどさ……』
『怪我を怖がったら何もできないよ。子どもにとっての怪我は勉強できた証。特に男の子は』
『怪我して学ぶ事もある。戦いごっこから喧嘩になってきたなーって思ったら声かけるけど、そうでなければほっておくよ。声かけると、あいつが敵だ!!ってこっちに来るから声をかけない。むしろ存在を薄くする』
戦いごっこについては、思い切りやらせていい、ケガをしてわかることもあるという声も多いようです。ただ自宅で兄弟同士やるならママ1人の判断で構いませんが、友だち同士で戦いごっこをするときには判断が難しくなります。子どもがケガをする、また相手にケガをさせてしまう危険性があるため、注意が必要です。
戦いごっこは「相手が嫌がることはしない」ことが重要
筆者自身、幼稚園に通う長男が戦いごっこをしている様子を目にしたことがあります。一度園庭の高い遊具のうえで戦いごっこを始めたことがあり、そのときは慌てて止めに入りました。ケガをした子はいませんでしたが、重大な事故の危険性がある場合は、必ず親が間に入らなければいけないと実感しました。
『確かに、ケガは危ないから、狭い場所や危なそうな場所は止めるよ』
『危なかったら口を出していて、物で相手を叩くのはダメ、本気で殴る蹴るのはダメだと、その都度言い聞かせています』
『うちの園は戦いごっこ禁止だよ。途中から本気になったり、ケガするし』
戦いごっこによって重大な事故やケガが起きないよう、大人が注意する必要があるという意見も多く目にしました。なかには、戦いごっこは禁止という園まであるようで、その危険性は大きいと判断していることがうかがえますね。
男の子だからといって、みんなヒーローが好きで戦いごっこをするわけではありません。相手が嫌がることはしないということは、戦いごっこだけに限らず、人と付き合っていくうえで重要なことですよね。ただ、戦いごっこは子どもたちが人間関係をどうやって円滑に進めていけばいいか、学ぶキッカケにもなりえます。その間、危険なことがないようにママは横からそっと見守ってあげるのが一番いい対応なのかもしれません。
文・高村由佳 イラスト・んぎまむ