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豊田エリー:第5回 全然眠ってくれない子で。一晩中寝てくれるようになったのは、3歳くらいでした

前回は、大変な環境だったため、入院中に産後うつに近い状態になってしまったというお話をうかがいました。今の明るいエリーさんからは想像もつきませんが、さてどうやって心を上向きにできたのでしょうか?

寝不足なうえに、閉鎖されたような環境で。出産直後は大変だったのですね

本当に。でも退院する日が来て、10月だったんですけどポカポカの陽気で晴天だったんですよ。まず「空だ!」って思いました。病室からは空が見えなかったので、空を見ただけで気持ちがすごく明るくなって。家に帰ると、やっぱり慣れ親しんだものがたくさんあるじゃないですか? なのでみるみる元気になったんですよ。

空の効果、すごいですね! 赤ちゃんが家に来て、何か悩んだことはありましたか?

夜中にも授乳があったりするので、寝不足になるのは覚悟していたんですよ。でも本当に夜に寝ない子で、抱っこしていればいいんですけど置いた途端に起きちゃう。その繰り返しで、結局夜を通してちゃんと寝てくれるようになったのは……3歳くらい。

えっ! じゃあ、エリーさんも眠れないですよね?

はい。眠りが浅くて、娘がどうしても起きちゃうんですよ。泣いて起きるので背中をトントンしたり、お水をあげたり。私も、娘が3歳になるまで夜通し眠ったことはないです。たまに泊まりのお仕事が入ると、「寝られるーっ!」って(笑)。今はスヤスヤ気持ちよさそうに眠ってくれるので、よかったです。
あとは、イヤイヤ期も大変でした。しかもちょっと早めにやってきて、1歳くらいからはじまっちゃったので。当時はスーパーに行くのが本当にイヤでした。絶対に泣くので、私も泣きそうになってました。
豊田エリー

いったいスーパーの何がイヤだったんでしょう?

わからない……。「まだお菓子コーナーにいたかったのに!」みたいなことで泣き出しちゃったり。行きたくないけど、スーパーに行かないわけにはいかないじゃないですか? 「イヤイヤ」って主張の強い子どもに対して、こっちも「ダメダメ」ですよ。イヤイヤ対ダメダメ(笑)の戦いでした。引きずりながらお店を出ていったりしていたので、騒がしいお客さんだったと思います。人目は気になりましたけど、「騒いでるから黙らせるためにお菓子を買う」ということは、絶対にしなかったです。「騒げば買ってもらえる」と思っちゃいますからね。

たしかにそうですね。温厚そうなエリーさんが怒っている姿、あまり想像がつかないのですが

できれば子どもを怒りたくはないんですよ。でもとくに外にいるときは、他の方に迷惑をかけないように注意しなきゃいけないこともありますからね。逆に自分がよその子を見ていて「そこは親が注意しなきゃ!」と思うような場面もあるので。もしかしたら、そういう人目も大きいのかもしれないですね。「ママらしくしなきゃ!」っていう。

イヤイヤ期を過ぎたら、落ち着きましたか?

そのあとは「お手伝いやりたい期」ですね。「これ!」ってパプリカを持って来たりするので、「パプリカはいらないよ。戻してきて」とか。でもイヤイヤ期のことを思えば、だんぜんそっちのほうがラクですよね。
お手伝いしたがるのは、主に料理まわりですね。こちらの手間は増えるんですけど(笑)、仕方ないので混ぜることをお願いしたり。包丁は私が手を添えたり、「気をつけて」って声をかけながら。今はお豆腐とかの柔らかいものなら、切れるようになりました。

娘さん、何か作ることはできるんですか?

ホットケーキはほぼひとりで作ります。火を使うところだけちょっと様子を見たり、調節したりしますけど。ひっくり返すのも上手ですよ。今のところ、料理は好きですね。いつか夜ご飯を作ってくれたらいいな~って思っています。

どんなことを意識して、子育てされてきたんですか?

豊田エリー
やっぱりあいさつとか、基本的なことはきっちりと。でも、あとは子どもらしくのびのびと。本人が「バレエやりたい」と言い出したらやらせたりとか、なるべく本人の考えを尊重するようにはしています。幼稚園も見学に行って、「ここがいい」と本人が言ったところにしましたし。

小さくても、意思がはっきりしているんですね

はっきりしているんですよ。「これは◯、これは☓」と、本人なりの基準があるみたいです。

誰に似たんでしょうね?エリーさんもそういうタイプですか?

私は違うと思います。パパのほうかもしれないですね。意思がはっきりしていてわかりやすいのはいいんですけど、絶対に「◯」のほうを用意しないといけないので、その大変さはありますね。


子どもに公共の場で大声を出されたり、お店で騒がれたり。人目が気になって穴があったら入りたいような気分になること、誰もが経験していると思います。子も親も、そうしていくつもの山を乗り越えて成長していくのかもしれませんね。
次回はママとなったエリーさんご自身についてのお話です。どうぞお楽しみに!

取材、文・鈴木麻子 撮影・泉三郎

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