5歳以下の子どもの転落事故は5年間に114件。事故を起こさないためには?【朝ごふんコラム】
いっこうになくならないベランダからの子どもの転落事故。東京都だけで年間50件ほど事故が起きています。平成23年から27年までの5年間に5歳以下の子どもの転落事故が114件も発生しています。
以前からいわれている事故が減らないのは、なぜでしょうか? どんなことに気をつかったらいいのでしょうか。
今回は、ベランダ事故についてお話しします。小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
ベランダの転落事故はなぜ起きる?
マンションでの転落事故原因は、ほとんどがベランダに置かれた「物」を踏み台にして起きています。エアコンの室外機、プランター、使わなくなった三輪車を置いていたり、場合によっては子ども自身が部屋から踏み台になるようなものを持ち出してしまうというケースもあります。
子供から目を離しても大丈夫な環境づくり
ベランダからの転落事故が起きる時間帯は、朝と夕方に集中しています。朝、ごみを捨てに行っているわずかな時間に、夕方、洗濯物を取り入れていたり、夕食の準備で忙しい時間帯に事故が起きてしまうのです。
起きている間、子どもから目を離さないようにというのは簡単なことですが、実際はママ一人で家事をやっていたら、たとえ1分でも2分でも子どもから目を離す時間はできてしまうもの。そんなときに事故が起きてしまうことだってあるのです。
そのため、目を離しても子どもが事故にあわないための対策が必要です。
窓ストッパーで子どもがベランダに出ないようにする
ベランダ事故対策としては、まずは子どもが一人でベランダに出られないようにすること。こんな時は、窓ストッパーの利用がおすすめ。窓のサッシに取り付けるだけで、子どもが勝手にあけられなくなるため、知らないうちに子どもがベランダに出ていた、ということは防げます。また喚起のために少しだけ窓を開けておきたいときにも便利です。
また、ストッパー式のものをベランダ側につけてわずかな隙間を作っておくと、「洗濯物を干しているときに子どもに鍵をかけられて入れなくなった」なんてことも防止できますよ(笑)
転落防止ネットで「万が一」の事故を防ぐ
万が一、ベランダに出てしまったときのために転落防止ネットを張るという手もあります。これはホームセンターなどにいけばすぐに手に入るので、念のため小さなお子さんがいる家庭には設置しておいがほうがいいかもしれません。
また、柵の高さを足すための転落防止柵を設置するという手もあります。ただし、高層マンションなどでは強風にあおられて柵自体が倒れ、ガラスが割れたり、場合によってはけがをすることも。設置場所には十分気をつけてください。
ベランダからの転落事故は、自宅はもちろんのこと、たまに行く祖父母の家でも起きています。「ベランダに物が置いてあって心配」「窓のそばにソファーが置いてあって心配」というママもいるかもしれませんね。そんなときは、窓ストッパーや転落防止ネットなどを使って、子どもが安全にすごせる環境を作ってあげたいですね。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも5分で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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