Zeebra&美和:第3回 “夫婦ケンカ”を見せることで育まれる娘たちの恋愛スキル
第3回目となる今回は、仲良し夫婦で知られるお二人の「夫婦ケンカ」について、お話を伺いました。また、多くのママが悩む“産後クライシス”についても、お二人が産後に意識したことをお聞きしました。
お二人は、お子さんたちの前でケンカをしますか?
美和:子どもたちが小さい頃は、「その話は子どもたちが寝た後でね」って、子どもたちの前ではケンカを見せないようにしていたんですけど、中学生にもなると、隠してても空気が読めてしまう。。
子供たちの前で言い合いをしなくても、「ママ!パパとなんかあったの? ケンカしたの?」と聞いてきたりするので、ケンカをしているという事実は隠さなくなりましたね。
「今、ちょっとパパとケンカしてるの!」と言えるようになった。そうすると、「そうなんだ。早く仲直りしてね」と言ってくれたりしてね。
「姉妹でケンカをしてもすぐに仲直りするのと同じように、パパとママがケンカをしてもすぐに仲直りするから平気だよ!」と説明してる。そうすると「なるほどね!」と理解してくれるんです。
でも、娘たちも今は思春期なので、これから先にパパのことを嫌いにならないように、娘たちの前ではパパの悪口は言わないようにしてる。ケンカをしててもそういうコントロールはしているんですよ!(笑)
Zeebra:ははは(笑)
美和:でも、最近は、そんなに大きなケンカはしないよね?お互いに疲れているときに小さい言い合いはすることはあるけど!
Zeebra:そうだね。先週も半日くらいそういう日があったね(笑)
美和:でも、うちの娘たちは、すごくパパのことを好きなんですよ。それについては、感謝してほしい(笑)
パパのことを褒めたり、パパの仕事する姿を「パパかっこいいね!」という話をしたり。
ケンカしたことは言うけど、ケンカをしたときのパパの悪口みたいなことは言わないようにしてます。そのときの私の感情を娘に押し付けるのは違うと思っているから。
Zeebra:まぁ、子どもたちが大きくなってきて理解できるようになったってことですよね。
自分たちも恋愛するようになってきているわけだから、なんとなくわかることも増えてくるんでしょうね。
美和:娘たちが成長して理解できることも増えてきたから、最近はけっこうリアルな部分も見せてる。
Zeebra:うん。小さいうちはできるだけ素直に育てたいという思いがあったから、“心配一つさせない環境で育てたい!”という気持ちが強かったけど、ある程度大きくなってきたら、そういう部分もしっかり見せたほうがいいのかなって。
美和:それから彼女たちが今後恋愛をしていく中で、良くも悪くもパパとママの例を自分たちのスキルにしてくれたらいいなと。
Zeebra:そうだね。あとママがよく言ってるのは「こういう男の人を選んでほしい」という意味を含めて、オレにはそういうラインをキープさせたいっていうのもあるよね。
美和:そうだね。パパの存在って彼女たちのこれからの恋愛に少なからず影響すると思っているから。
結婚してからの年月の中で、夫婦ケンカの中身も変化してきましたか?
美和:昔は、大きなケンカを年に1回くらいはしてたんですけど、ここ2、3年くらいでようやく落ち着いてきた気がします。
Zeebra:そうだよね。今は子どもたちの学校もあるから、ケンカして長く家を空けたりできないっていうのもあるしね。そういう大きなケンカは減ったよね。
美和:それに、きっとここ2、3年でおたがい大人にもなりましたね。
今、“産後クライシス”で悩むママが増えていますが、新米ママ、パパにアドバイスをお願いします。
Zeebra:まず、そういうものだって男側がしっかりと認識しておくことじゃないですかね。それをわかってるかわかってないかで、たぶん対応は違いますよね。
美和:でも産後って本当に大変ですよね。がんばってやっと子どもを寝かしつけた時に、パパが帰ってきたときのバターンというドアの音で起きちゃったりすると、「もう!何時間かけて寝かせたと思ってるの!せっかく寝たのにまた一からやり直し!!」ってなるものです。
でも、彼だって疲れて帰って来てるわけだから、「そんなの知らないよ!」ってなる。
おたがいに、自分は! 自分は! ってなっちゃう時期がありますよね。それは、本当に仕方がないことですが、そんななかでもおたがいに思いやる意識を持つことが大切だなと思います。
Zeebra:うちがほかの家庭と違って、彼女によくイラッとされたのは、彼女は初めての育児だけど、俺はもう経験ずみで慣れちゃってるから余裕なんですよね。
彼女は初めてでわからないことばかりのなかで、オレが余裕ありすぎるのはイラッとするってよく言われたのを覚えてますね。
美和:うん。良くも悪くもですよね。私が初めての育児で心細かったり戸惑うことが彼にはほとんどなくて、一緒にそういう気持ちや思いを共有してくれないぶん、孤独だと感じることが多々ありました。
でも彼はゲップの出し方がすごく上手で。私がやると何分かけても全然でないのに、彼がやるとすぐ出たりして、逆にすごく頼もしかったこともありましたね。
Zeebra:そうそう、15秒くらいでね。あるんですよ、ちょうどいい角度が。彼女がパニックになってても、オレがある程度落ち着いていられたりしたのはよかったのかもしれないよね。オレも慣れてて、できることが多かったから、だいぶ手伝ったっていうのはあるでしょ?
美和:そうなのかな。。(笑)
Zeebra:いや、できない人と比べたらやったほうだよね?
美和:赤ちゃんの扱いに慣れているという面では頼もしかったけど、彼の仕事も忙しくて、なるべく迷惑をかけてはいけないという気持ちもあって。
初めての育児はすべてがわからないことなので、パニックの連続。それでいて、いい母親にならなくちゃ、いい妻にならなくちゃ!っていう気持ちでどんどん余計に焦ってしまう。前向きになれたり落ち込んだり。
Zeebra:ひとつ言えるポイントとしては、子どもにはその闇が行かないようにすることっていうのは、二人の中では基本ルールなところがあったよね。
美和:こちらががイライラしたり、余裕がないと、どんなに寝かそうと思っても子どもはなかなか寝てくれなかったり。だから、そんな余裕のない自分のマインドをどうやってリセットするかをいつも考えていた気がします。
Zeebra:おたがいに大変な中でもポジティブに物事を考えるというのを意識してましたね。そういう意識を共有しておくだけでも、ずいぶん違ってくるんじゃないかな。
美和さんが出産された頃は“産後クライシス”という言葉がない時代。
どの時代のママたちも、産後には大変な思いをして子育てをしているんですね。
次回は、ステップファミリーについてのお話を伺っていきます。お楽しみに!
(取材、文・上原かほり 撮影・泉三郎)